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No.85 (Re:80) 【REJ】RAIL EUROPE JAPAN NEWS  2007/7 (旅のヒント3/5)
ほりうち(ccbu8181) 2007-08-07 00:20:01

◎アヴェでコルドバへ、メスキータを見学

 この日はスペイン版新幹線「AVE」に乗車する。AVE に乗るには、パスを持っていても1等は23ユーロ、2等は10ユーロの追加料金(座席指定料金)がかかる。列車は8両編成で、定刻に発車。やがて朝食のサービスが始まった。AVE の1等に乗れば食事が付くことはまったく失念していたが、幸いにもごく軽いものしか食べていなかったので、お腹に余裕はあった。

 メニュー(スペイン語と英語併記)が配られ、ユーロスターで出たのとほぼ同様の食事が出る。違う点は、バターとマーマレードとは別に、パンにつけるオリーブオイルの小瓶がついていること。AVE のコルドバまでの所要時間は約1時間40分(350キロ)。10時12分、列車は定刻にコルドバ駅に到着。コルドバ駅は半地下構造で、駅舎が地上にあってそのまま段差なくバスに乗り継げる、バリアフリーのお手本のような駅。3番の市内バス(運賃0.95ユーロ)に乗り、世界遺産の「メスキータ」へ向かう。イスラム教寺院として建設されながら、支配者が変わった結果、キリスト教寺院になってしまったというメスキータ。今後メスキータを訪れる方には、荷物をコルドバ駅のコインロッカーに預けておくよう、強くお勧めしたい。この日は、当初予定ではそのままコルドバに泊まる予定だった。しかし、メスキータを出た時点でまだ正午過ぎで、コルドバの町にほかにめぼしい観光スポットはないらしいことを知り、次なる目的地マラガまで行くことにした。再びバスに乗ってコルドバ駅へ戻り、マラガへの列車の指定券を買う。列車は、アンダルシアの野をマラガへ南下する。16時45分、ほぼ定刻に列車は終点、マラガ駅に到着。マラガ駅から市内中心部まで1km 足らずの距離。秋のスペインは日の出が遅い分、日本に比べれば日の入りも遅いが、17時を過ぎて回れる観光スポットはさすがにない。

 この日はマラガからジブラルタル海峡に面した港町アルヘシラスへ向かう。都市間バスのほうが、乗車距離が短くて早いのはわかっていたが、パスを活用すべく列車でボバディーリャまで戻り、そこでグラナダからの列車に乗り換えることにする。ところが、マラガ駅ではすでに出発しているはずのマドリッド行がホームに停まっており、出発案内のモニター画面を見ると、乗るつもりだったセビーリャ行の列車は「AUTOBUS」(=バス代行)と書いてある。何があったか知らないが、朝から災難である。ボバディーリャでの乗換時間は30分弱。バス代行では間に合わない可能性がある。そこで、まだ出発していないマドリッド行に乗ることを考え、窓口で指定券を買おうと掛け合う。

 ところが、係員が発券したのはバス代行になったはずのセビーリャ行の列車で、しかも指定席料金が4ユーロかかった。代行バスは定刻に発車したが、市内を10分ほど走ったところで、セルカニアスのロス・パラドスという小さな駅に停車した。ホームには真新しい3両編成のディーゼルカーが停まっている。ここからは列車に乗れるらしい。改めてチケットを見て、指定された号車・番号の席に座る。バス代行は初めから末端区間だけだったようで、マラガ駅員が指定券を発行した意味がようやく理解できた。「トーマスクック」で確認すると、この列車は「R-598」なる種別の列車。座席のグレードは昨日乗った「T200」と大差なく、特急よりワンランク下の「急行」と呼ぶべき性質のものらしい。発車してすぐに検札にやってきた車掌は、指定券を見て、ユーレイルパスとともに鋏を入れる。この旅4回目(近郊線等を除く)の列車乗車にして、パスに初めて鋏が入る。車掌は「ボバディーリャで降りるのか?」と訊いてきたので、「アルヘシラス!」と答えると、ニッコリ微笑む。これは、当初予定どおり乗り継ぎができると確信した。