ほりうち(ccbu8181) 2007-08-07 00:18:39 |
セールスポイント ◎フランシスコ・デ・ゴヤ号でマドリッドへ 午前中、ロンドンからユーロスターに乗車し、一面の田園地帯をパリへひた走り、13時50分、パリ北駅に到着した。この日は、夜にスペインへの直通夜行特急エリプソス「フランシスコ・デ・ゴヤ号」でマドリッドへ向かう。フランシスコ・デ・ゴヤ号の発車時刻は19時43分。予約した客車を探して乗り込む。クラスは簡易寝台の「T4」(ツーリストクラス)。67ユーロ(パスホルダー料金)のチケットは、現地でも買えそう(=満席になることはない)に思えたが、念のため日本で購入しておいた。T4は二段ベッドを向かい合わせた相乗りの4人個室(ただし、異性が混じらないよう配慮はされているらしい)で、中央に洗面台(蓋をするとテーブルになる)があるほか、各自にミネラルウォーター(330ml)と歯ブラシセット、石けん、耳栓が用意されている(「タオル」は見当たらなかった)。 部屋はかなり狭く感じる。「タルゴ」と呼ばれるこの車両は、フランスの標準軌(1435mm。日本の新幹線と同じ)とスペインの広軌(1668mm)の両方を走れる構造になっていることと関係あるのかないのか、車高が非常に低く、二階建て車両の1階部分だけが走っている感覚で、座席と座席の間隔も短い。自分は一番で部屋に入ったが、出発までに3人が乗り込んできて部屋は満室となる。男4人が膝をつき合わせるとかなり窮屈で、日本のB 寝台車のほうがゆったりしている。廊下とは扉で仕切られ、完全な個室になっている。 列車は音もなく定刻に出発。やがて車掌がやってきて、チケットとパスポートを提示するよう求められ、「朝まで預かる」と言った。エリプソスは、床位置が低いからか、揺れはあまり感じないが、天井が低いだけでなく通路の幅も狭く、車内の移動もやや窮屈だ。7両分くらい歩いて、ビュフェ(カフェテリア)車に着く。もう1両向こうには別に食堂車があり、ともに営業はしていたが、客はほとんどいなかった。同室の4人の誰もがほとんど言葉を発しないまま、うたた寝モードに入った21時半前、再び車掌がやってきてベッドをセットした。個室の中が狭いのでいったん全員が廊下に出され、準備ができたところで部屋に戻った。 サマータイムの終わったスペインの夜明けは遅い。太陽が顔を出すのは8時近くなってからである。エリプソスのビュフェは、6時前から営業していた。席に座ると係が「モーニングか?」と訊いてきたので、何も考えずに頷く。最初にオレンジジュースが出て、次にパン3種(クロワッサン、トースト、チョコレートデニッシュ)とバター、小瓶入りのジャムが出る。飲み物はコーヒーと紅茶の選択。値段は6.50ユーロ。まあ妥当といったところだろう。 夜が明けて、列車はスペイン中央高地の赤茶けた大地を進む。沿線に町らしきものはほとんどなく、生えている植物はオリーブの木と牧草だけ。麦などが植わっていたとおぼしき畑地も見当たらない。なだらかな丘の尾根には風車(発電用)の風車。ドンキホーテが風車を敵の兵士と思って突進したという話は、日本人が聞くとバカげていてあり得ないと感じるが、実際にスペインへ来てみると、必ずしも荒唐無稽だとは言えないように思えた。9時31分、列車は20分弱遅れてマドリッド・チャマルティン駅に到着した。この日は月曜日で、プラド美術館は定休日のためソフィア王妃芸術センターを訪れ、午後は時に歩き、時に地下鉄に乗ってプエルタ・デル・ソルやマヨール広場、王宮などマドリッド市内中心部を観光。夕食はプエルタ・デル・ソル近くの生ハム店に併設されたバールに入った。 |
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