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No.6215 (Re:6207) Trip Planning:バルト海を渡る中世ハンザ同盟都市の旅
ほりうち(ccbu8181) 2019-08-29 11:17:36

Trip Planning

 高速列車、夜行列車、シーニックトレインなど、ヨーロッパではさまざまなタイプの列車が都市や町を結び、地元の人々にとって大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や現地の人々の日常生活を垣間見みたり、列車での国境越えという体験をしたり、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーではレイルエキスパートらによる列車を利用したヨーロッパ旅行のモデルプランをご紹介します。

        バルト海を渡る中世ハンザ同盟都市の旅

                     ウェブトラベル 遠藤英子さん

 今月号の旅のヒントは、レイルエキスパート養成講座2019年春コースを修め、レイルエキスパートに認定された、遠藤英子さん(ウェブトラベル)が作成したヨーロッパ鉄道旅行プランです。ドイツ、デンマーク、スウェーデン、フィンランドと、中世ハンザ同盟の都市をユーレイルパスを使ってドイツ鉄道が誇る高速列車ICE のほか、列車ごとフェリーに乗る「渡り鳥ライン」、バルト海クルーズも楽しむ巡る9泊11日の旅です。<写真=高速列車ICE((C)Jorg Hackemann/shutterstock shutterstock)>

※このプランは、2019年7月現在の情報に基づき記載されています。
※旅程表およびコンセプト等にある文言は、掲載スペースの関係もあり、編集部によって一部編集しています。ご了承ください。

旅程:

[1日目]
 羽田空港より出発(所要:12時間10分)、フランクフルト空港にて乗り継ぎハンブルク着。専用車で市内のホテルへ。ホテル着後、フリー(自由行動)。 ハンザ商人が築き上げた港町、まずは「ハンブルク歴史博物館」で軽く予習をしてから、港周辺へ。ハンブルクらしさが感じられる運河沿いの倉庫街やダイヒ通りなど、のんびり散策はいかがですか? ホテルに近い中央駅からはUバーン(U-3)が便利です。歩き疲れたら、運河に浮かぶお城のようなカフェ・レストラン「ヴァッサーシュロス(水の城)」のテラス席でひと休みもオススメです。
【ハンブルク泊】

[2日目]
 ハンブルクから列車で南へ、“日帰り遠足”に出かけましょう。 まずはICEに乗って「北ドイツの真珠」と謳われるツェレまで一気に南下(所要約1時間10分)。旧市街の路地には木組みの家が並び、赤・黄・青・緑などの壁がカラフルな中世の街並みを散歩♪ 街なかで軽くランチを済ませてから、ICEに乗ってリューネブルクへ(約37分)。内陸部にありながら、地下から湧き出る岩塩水のおかげで、当時は「白い黄金」と呼ばれた塩をバルト海沿岸諸国、北欧、ロシアまで輸出して栄えたリューネブルクは、レンガ造りの建物が美しい「塩の道」の起点の町です。夕食は、中世からビールを醸造していた老舗のビアレストランで、ゆっくりと・・・。 リューネブルクからICEに乗ってハンブルクへは30分ほどで到着です。
【ハンブルク泊】

[3日目]
【 ハンブルクの日曜日の朝は、300年以上の歴史を誇る「フィッシュマルクト」が楽しみです。魚のみならず、青果や花、雑貨なども売られているので、早起きして港へ出かけましょう。 今日は北への“日帰り遠足”で「バルト海の女王」と呼ばれた古都リューベックへ。ハンブルク中央駅からRE(快速列車)に乗ってリューベックへは所要約44分。13〜14世紀のハンザ同盟最盛期、その盟主として大いに栄えた町は、バルト海や北海のニシン、リューネブルクの塩が運ばれ、多くの商人と富が集まった名残が見られます。リューベックのシンボル「ホルステン門」、黒レンガ造りのファサードに丸い風穴が特徴の「市庁舎」、バッハも聴き惚れた世界最大級のパイプオルガンがある「マリエン教会」など、世界遺産の町を散策し、 ハンブルク泊】1535年に建てられた「船員組合の家」レストランで、北ドイツの魚料理を♪ REでハンブルクへ戻ります。
【ハンブルク泊】

[4日目]
 朝食後、ホテルをチェックアウトして、ハンブルク中央駅へ。 列車ごとフェリーに乗り込み、海を渡って国境を超える、通称「渡り鳥ライン」を利用してデンマークの首都コペンハーゲンへ(途中、Roedby駅からバスに乗り換えます。所要時間はトータル約5時間12分)。 コペンハーゲン中央駅から近いホテルにチェックイン後、フリー。歩行者天国のメインストリート「ストロイエ」をそぞろ歩き、運河に沿ってカラフルな木造家屋が並ぶニューハウンで、これぞコペンハーゲンという雰囲気を楽しむのもGOOD!
【コペンハーゲン泊】

[5日目]
【 朝食後、フリー。 アメリエンボー宮殿の衛兵の交代式を見るなら「正午」からなので、観光スポットを廻るルートや移動方法の計画を立てましょう。ランチは、デンマーク名物のオープンサンド「スモーブロー」はいかが? コペンハーゲン中央駅から、スウェーデンの高速列車「SJ-2000」でストックホルムを目指します(約5時間12分)。ストックホルム着後、中央駅に近いホテルへ。 宿泊】ホテル・ロビーには、スウェーデン北部のオーロラ観測でも有名な氷でできた「ICE HOTEL」のバーを再現した「ICE BAR」があるので、一杯楽しんでみては?
【ストックホルム泊】

[6日目]
【 朝食後、終日フリー。 野外博物館「スカンセン」や「ヴァーサ号博物館」のあるユールゴーデン島、あるいはガムラ・スタン(旧市街)をぶらぶら街歩きから、セーデルマルムまで足を延ばしても♪ ご希望により、中世にはハンザ同盟の貿易港として栄えたゴットランド島の【世界遺産】の町ヴィスビィ(できれば1泊】がオススメ)への手配アレンジ可能です。
【ストックホルム泊】

[7日目]
【 朝食後、夕方までフリー。 市庁舎の内部見学ツアーで、ノーベル賞の祝賀晩餐会が開かれる大広間や「黄金の間」、106mある塔から、水辺に浮かぶストックホルムの町を一望した後は、ヒョートリエットの市場をのぞきに行ってみるのも良いですね。 ホテルのフロントに預けたお荷物を持って、バスまたはタクシーでフェリー・ターミナルへ。19時ストックホルム出港のタリンク・シリヤライン「シリヤ・シンフォニー」に乗船し、1泊】2日のバルト海クルーズで、フィンランドのヘルシンキへ向かいます。船内には、ショッピングストリート「プロムナード」や、レストラン、サウナもあり、シャワー&トイレ完備の快適な船室で、ゆっくりお休みください。
【船中泊】

[8日目]
 朝食は、船内のビュッフェ・レストランでお召し上がりください。 ヘルシンキのフェリー・ターミナルに到着後、トラムまたはタクシーでホテルへ。ホテル着後、フリー。大きなお荷物をフロントに預けて、街の観光へ。ヘルシンキ大聖堂やウスペンスキー寺院、マーケット広場&オールドマーケットなど、のんびり見てまわりましょう。岩をくりぬいて作られた「ロック・チャーチ」と呼ばれるテンペリアウキオ教会は、金曜日は20時頃まで開いているので、最後に訪れてもOK。
【ヘルシンキ泊】

[9日目]
【 朝食後、終日フリー。いくつかオプションがあります。 *「ムーミン博物館」&2018年オープンの注目のデザイン・サウナで癒されにタンペレへ *フィンランドの森を体験しに「ヌークシオ国立公園」ツアーへ ヘルシンキ泊】
*川沿いの赤い木造家屋群やパステルカラーの街並みがカワイイ、ポルヴォーの町へ *船で片道2時間の【世界遺産】の中世ハンザ同盟都市・エストニアのタリンへ etc…、一日の過ごし方はいろいろなので、ご相談しましょう。
【ヘルシンキ泊】

10日目
 朝食後、ご出発までフリー。 イッタラやアラビア、マリメッコなどのアウトレットや、デザイングッズのショッピング? それとも、最終日は街のカフェで、の〜んびり過ごしましょうか? ドライバーがホテルにお迎えに上がり、空港へお送りいたします。ヘルシンキ・ヴァンター空港より、フランクフルト経由、帰国の途へ・・・。フランクフルト空港にて乗り継ぎ(フランクフルト発:所要11時間10分)
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11日目
 羽田空港にご到着。 ご自宅まで、お気をつけてお帰りくださいませ。



旅行プランの概要とコンセプト

             ドイツ北部から北欧へ

 中世のバルト海・北海の交易に思いを馳せながら、ハンザ同盟都市を中心にめぐる旅です。なるべく空路を使わず、陸路(鉄道)と海路で、「点」ではなく「線」の移動で古の交易ルートの雰囲気を感じてもらいたいと思います。
 ハンブルクに連泊し、日帰りで身軽にツェレやリューネブルク、リューベックを訪れれば、ホテルの移動も無く、鉄道パスなら往復乗車も経済的、かつドイツ鉄道(DB)は特に予約不要なので、現地で好きな時間帯の列車がチョイス可能と自由度も高いのが魅力です。ユーレイル グローバルパスであれば、国をまたいだ長距離移動もお得感があり、近々姿を消してしまう可能性のある「渡り鳥ライン」や、「SJ-2000」の乗車体験、ユーレイルパス割引を利用しての「タリンク・シリヤライン」乗船(ストックホルム → ヘルシンキ)もおススメポイント。
 ヨーロッパは2度目あるいは3度目というリピーターで、ゆったり移動も楽しみたい40〜50代夫妻、たくさんの国を巡ってみたい20代後半〜30代の男性ひとり旅、治安が心配で「安全・安心な」ひとり旅を楽しみたい30代〜40代女性におすすめしたいプランです。

               ホテルは4つ星
     ボーナス特典でおトクに船中泊タリンク・シリヤライン


 この旅のプランでは、便利に快適に過ごせるよう、駅近くの4つ星ホテルが提案されています。また、ユーレイル グローバルパスのボーナス特典のひとつである、タリンク・シリヤラインの乗船割引も利用しています。プランの中からホテルを編集部が抽出しました。
■ハンブルク:Barcelo Hamburg(バルセロ・ハンブルク)
■コペンハーゲン:Copenhagen Plaza(コペンハーゲン・プラザ)
■ストックホルム:Hotel C Stockholm(ホテル・シー・ストックホルム)
■ヘルシンキ:Indigo Helsinki Boulevard(インディゴ・ブールバード)
■ストックホルムからヘルシンキへ(船内泊):タリンク・シリヤラインのSilja Symphony(シリヤ・シンフォニー)/船室はAクラスのオーシャンビュー


編集部からヒトコト

   列車ごとフェリーに乗る「渡り鳥ライン」やフェリーで国境越え
        ドイツ国内は高速列車ICEでラクラク移動


 今月号の旅のプランは、「中世のハンザ同盟都市を巡る」をテーマに、ドイツ、デンマーク、スウェーデン、フィンランドと4カ国を巡ります。ドイツ北部の歴史的な街並みが残されたハンザ都市を列車に乗って巡るだけでなく、ハンブルクから乗った列車がそのままフェリーに積み込まれ、海を渡ってデンマークのコペンハーゲンまで移動する、とてもユニークな通称「渡り鳥ライン」を利用。さらにスウェーデンのストックホルムからは船で隣国フィンランド・ヘルシンキへと移動するなど、ユニークな国境越えも楽しめます。
 ドイツ鉄道(DB)が運行する高速列車ICEは、鉄道パスを利用して乗車する際でも、座席指定は任意ですので、事前に座席指定券を購入する必要がなく、よりフレキシブルな移動が可能です。また、タリンク・シリヤラインに乗船の際、有効なユーレイルパス所持者は、ボーナス特典として、乗船券を20〜50%割引で購入いただけます。割引率は乗船日などによって異なります。
 また、駅近くの4つ星ホテルに連泊(コペンハーゲン以外)して、列車に乗って他の町を巡るので、大きな荷物を持っての移動があまりないのも旅行者としてはうれしいところです。リューベックやハンブルクに代表される世界遺産の町歩きも楽しめそう。
※ ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は必ず、実際に時刻表でご確認ください。

※ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は必ず、実際に時刻表でご確認ください。
※また、列車情報、車内で提供される食事やサービスについても予告なく変更されることがあります。ご乗車の際には事前にご確認ください。


鉄道パス&チケット:
鉄道パス&チケットに関して、編集部が旅のプランの中から抽出し、一部文言を付け加えました。
ユーレイル グローバルパス(フレキシータイプ通用日5日間):ICE(ハンブルク中央駅 ⇒ ツェレ駅<2日目>)、ICE(ツェレ駅 ⇒ リューネブルク駅<2日目>)、ICE(リューネブルク駅 ⇒ ハンブルク中央駅駅<2日目>、RE(ハンブルク中央駅 ⇔ リューベック駅<3日目>)、IC-33「渡り鳥ライン」(ハンブルク中央駅 ⇒ コペンハーゲン中央駅<4日目>)、X2000(コペンハーゲン中央駅 ⇒ ストックホルム中央駅<5日目>)、シリヤ・シンフォニー(ストックホルム ⇒ ヘルシンキ<7日目>)
・4日目の通称「渡り鳥ライン」(IC-33)、X2000(SJ-2000)に乗車の際には別途、いずれも座席指定券が必要です。高速列車ICEに乗車の際、座席指定は任意です。
・ユーレイルパスのボーナス特典を利用する際、通用日を1日使うことになります。船中泊の場合、乗船した日の通用日を1日使うことになります。
・ユーレイル セレクトパスの販売は2019年1月から行われていません。2人以上で同じ行程を旅する人向けのセーバーパスも同様に2019年は廃止されました。2018年に購入した有効なユーレイル セレクトパス、およびそのセーバーパスは2019年もご利用いただけます。

Tips:
・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。
・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。
・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。また、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。

旅をもっと楽しくするためのヒント:
・ドイツ観光局 ⇒ https://www.germany.travel/jp/index.html
・スウェーデン文化観光センター ⇒ http://letsgo-sweden.com/
・フィンランド政府観光局 ⇒ https://www.visitfinland.com/ja/

撮影日:
撮影場所:
キャプション: 高速列車ICE (C)Jorg Hackemann/shutterstock shutterstock
画像サイズ: 304×228(原寸表示)