ほりうち(ccbu8181) 2018-03-29 11:44:12 |
Trip Planning 高速列車、夜行列車、シーニックトレインなど、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が都市や町を結び、地元の人々にとって大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や現地の人々の日常生活を垣間見みたり、列車での国境越えという体験をしたり、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーではレイルエキスパートらによる列車を利用したヨーロッパ旅行のモデルプランをご紹介します。 高速列車と夜行列車を乗り継ぎ巡る人気の4カ国 (スペイン、フランス、スイス、チェコ)− Part 2 レイルヨーロッパジャパン メールマガジン編集部 2月号に引き続き、鉄道研修旅行のプラン後半部分として、今月号は、ル・マン、バーゼル、チェスケー・ブジェヨヴィツェ、プラハ編をご紹介します。 鉄道研修旅行は、レイルエキスパート養成講座を修了し、優秀な成績でレイルエキスパートに認定された方々を対象に実施しました。鉄道研修旅行では、11日間に渡って人気のヨーロッパ4カ国(スペイン、フランス、スイス、チェコ)を高速列車と夜行列車を乗り継いで巡りました。季節はちょうどクリスマスシーズン。観光地として特に人気の高いバルセロナやパリとともに、まだ日本において観光地としての人気が定着していない、フランスのル・マンやニーム、さらにはチェコのプラハやチェスケー・ブジェヨヴィツェにも訪れました。<写真=ユーレイルパスで4カ国7都市を巡りました(C)NoriM> ※ このプランは、2017年11月現在の情報に基づき記載されています。 旅程: [1-2日目] 羽田空港からカタール航空にてドーハ経由でバルセロナへ。バルセロナ国際空港からはバスでランブラス通り沿いのホテルへ。荷物をホテルに置いて、サグラダ・ファミリア大聖堂やカサ・ミラ、カサ・バトリョを見ながら散策。 夕食は、Mussol Arago にて伝統的なカタロニア料理。 【バルセロナ泊】 [3日目] 朝食後、午前中は町の散策。お昼頃、バルセロナ・サンツ駅からフランス-スペイン高速列車に乗って南仏ニームへ(所要約3時間30分)。ランチは車内で。ニーム駅到着後、散策へ。 夕食は、旧市街にある地元の人々で賑わうレストランL’Imprevu で。 【ニーム泊】 [4日目] 朝食後、ニーム市内散策。古代ローマ時代の円形劇場やメゾン・カレ、中央市場など旧市街を散策。ランチは、メゾン・カレを望むカレ・ダール(総合文化センター)3階にあるレストランLe Ciel de Nimes で。午後、高速列車TGV に乗ってパリ・リヨン駅へ(約2時間55分)。 夕食は、老舗キャバレーParadis Latin でショーを見ながらディナー。 【パリ泊】 [5日目] 朝食後、パリ市内散策。ギャラリー・ラファイエットなどでショッピング、ランチは店内アンジェリーナで。午後は、キャトル・ル・スー・ザン・パラプリュイ社のシトロエンレトロカーでパリ散策。その後、パンテオンへ。<ラ・デファンス地区のグランダルシュ(新凱旋門)前広場のクリスマスマーケット> 夕食は、シャンゼリゼ通りやサン・ジェルマン・デ・プレなどのブラッセリーで。 【パリ泊】 [6日目] 朝食後、パリ・モンパルナス駅からTGV に乗ってル・マンへ(約55分)。着後、ル・マン24時間サーキット場と博物館へ。その後、ル・マン旧市街を散策。<リパブリック広場のクリスマスマーケット> 夕食は、フランス料理のLa Ciboulette で。ベジタリアン料理もあります。 【ル・マン泊】 [7日目] 朝食後、出発までル・マン旧市街の散策。お昼頃、TGV に乗ってパリ・モンパルナス駅へ。メトロでパリ・リヨン駅へ移動。TGV リリアに乗ってバーゼルSBB駅へ(約3時間)。着後、ホテルへ。<バールフュッサー広場とミュンスター広場のクリスマスマーケット> 夕食は、Wacker & Schwob でスイス名物のチーズフォンホンデュをどうぞ。 【バーゼル泊】 [8日目] 朝食後、トラムでバイエラー財団美術館へ。ランチは、バーゼル美術館併設のビストロで。午後は、バーゼル市内散策と、ベシュレでチョコレート作り体験。 夕食は、バーゼルSBB 駅近くのホテル・オイラーで。 夜、IC に乗ってチューリヒ中央駅へ。ユーロナイトに乗り換えて、チェコへ。 【車中泊】 [9日目] ユーロナイト車内で朝食。チェスケー・ブジョヨヴィツェで下車後、市内散策へ。お昼頃、IC でプラハ本駅へ。その後、プラハ市内散策。プラハ城、カレル橋へ。 夕食は、旧市街のレストランで。<クリスマスマーケット(プラハ旧市街、プラハ城、チェスケー・ブジョヨヴィッツェ)> 【プラハ泊】 [10日目] 早朝、プラハ国際空港からカタール航空でドーハへ。夕方、ドーハ・ハマド国際空港に到着。ドーハ市内観光。夕食は、スークの中のローカルレストランで。 【ドーハ泊】 [11日目] 早朝、ドーハ・ハマド国際空港からカタール航空で、東京へ。夜、羽田空港到着。 ※日程表の発着時間は乗車日により変動することがあります。 旅行プランの概要とコンセプト パリと組み合わせたい旧市街散策が魅力のル・マン TGVリリアでバーゼルへは約3時間 フランスのル・マンは、パリ・モンパルナス駅からTGV で1時間足らずでアクセスできます。TGV に乗車の際は、プラットホームに入る前に入場ゲートが設置されており、座席指定券などに印字されているバーコードをゲートで読み取らせてからプラットホームへと入ります。ゲートはホームの端にありますので、ゲートがオープンしたら早めにホームに入ることをおすすめします。ゲートが混雑していても乗客を待つことなく、TGV は時刻表通りに発車しますのでご注意ください。 ル・マンというと、24時間耐久レースでよく知られた町ですが、ガリア=ローマ時代の城壁に囲まれた旧市街(=写真(C)NoriM)には、ルネッサンス時代のカラフルな木組みの家が並び、散策が楽しい町並みになっています。小高い丘に建つサン・ジュリアン大聖堂は、中世の頃のステンドグラスが今も残され、その美しさには定評があります。また、パリ〜ル・マン間はアクセスが良いので、パリの混雑を避けてル・マンに宿泊して列車でパリを訪れるという滞在スタイルもできそうです。 パリ・リヨン駅から高速列車TGV リリアに乗って約3時間でライン川沿いの3カ国(フランス、ドイツ、スイス)国境の町バーゼルに到着です。TGV リリアは、パリとスイス(バーゼル、ローザンヌやヌーシャテル、ベルン、チューリヒ)を結ぶルートで運行されています。また、ジュネーブと南仏のルートも運行中。1等と2等があり、1等席には座席コンセントが備えられています。バー/ビュフェ車両が連結され、車内ではワゴンサービスも。また、土曜を除く毎日、一部路線(パリ〜ジュネーブ/バーゼル/チューリヒ)では1等ビジネスプレミアのサービスがあり、座席でのお食事とウェルカムドリンクのサービスが提供されます。 バーゼル駅前にはトラムの乗り場があり、トラムに乗って旧市街、美術館などへと容易にアクセスできます。駅前にもいくつもホテルが点在していますが、バーゼルでは市内のホテルに1泊すると宿泊客はモビリティ・チケットをもらえます。これは市内のトラムやバスなど交通機関が無料で利用できるパス。 訪れたバイエラー財団美術館は、後期印象派から現代アートまでの名作が揃い、展示作品も魅力的。加えて、美術館の建物と庭園も必見です。他にもバーゼル美術館、歴史博物館や漫画博物館などさまざまな美術館が点在しています。バーゼル美術館のビストロではランチやカフェタイムも満喫できます。旧市街の散策ではバーゼル大聖堂、市庁舎やマルクト広場などはぜひ訪れたいスポット。 さらに観光だけでなく「体験」を重視したいなら、チョコレート作りはいかがでしょう。スイスで有名なチョコラティエ「コンフィセリエBeschle」では、約2時間のチョコレート作り体験コースを提供しています。チョコレートの種類の説明や工房見学、テイスティングのほか、ナッツやドライフルーツなどを入れてのオリジナルチョコレート作りが体験できます。 夜行列車ユーロナイトでスイスからチェコへ スイスからチェコへは、寝台列車ユーロナイトで移動しました。バーゼル駅からIC に乗ってチューリヒ中央駅へは約1時間。チューリヒ中央駅で夜行列車ユーロナイトに乗ってチェコへと入国です。乗車したユーロナイトはチューリヒ中央駅を21時40分発でしたので、夕食はバーゼルで済ませました。乗車時、乗務員に鉄道パスと座席指定券を提示します。これらユーレイルパスと寝台指定券は、翌朝、朝食と一緒に返却されます。 ユーロナイトは寝台(=デラックスと普通、1〜3人用)、クシェット(=簡易寝台、4人用、6人用)、座席の編成で、コンパートメントは基本的に男女別。寝台には個室内に洗面台を備え、デラックス寝台ではシャワーやトイレを完備。寝台の乗客は朝、朝食がコンパートメントに運ばれてきます。寝台やリネンはもちろん、コンパートメント内はとても清潔で掃除が行き届いていました。列車の揺れや振動は心地良く、眠れないということはありませんでした。途中、いくつかの駅で停車していますが、全く気が付かなかったほど。 朝、ボックスに入った朝食が届けられ、この時、チケット類も一緒に返却されました。朝食は果汁100%のオレンジジュース、ナッツがたくさん入ったスライスしたパンとバターやジャム、コーヒー(または紅茶)とヘーゼルナッツのウエハース。車窓を見ながらもぐもぐと食事をして、8時48分にチェスケー・ブジェヨヴィツェで下車しました。車内の様子は当メールマガジン2017年12月号にて写真で紹介しています。ぜひご覧ください。 チェスケー・ブジェヨヴィツェでは3時間余り市街地を散策しました。駅から徒歩15分ほどで旧市街へ。バロックとルネッサンスの様式美が美しい建物がオタカル2世広場周辺に並びます。 その後、ICに乗ってプラハ本駅へは約2時間20分で到着です。プラハ本駅は、両替所のほか、カフェやレストラン、スーパーや各種ショップが営業しています。インフォメーション(案内所)では、地下鉄やトラム、バスのチケットも販売しています。旧市街やユダヤ人街、カレル橋、プラハ城など、見所は尽きません。ヴルタヴァ川に架かるカレル橋を中心に街歩きをお楽しみいただけます。 ヨーロッパが誇る人気の高速列車で乗って移動 2017年のレイルエキスパートを対象とした鉄道研修旅行は、高速列車や夜行列車に乗ってヨーロッパの人気都市を巡る日程でした。フランスやスペイン、ドイツやスイス、イタリアなどでは鉄道の高速化が進んでいますが、11日間の旅行期間中、フランス-スペイン高速列車、TGV、TGVリリアといった高速列車、IC、ユーロナイト(夜行列車)に乗ってフランス、スペイン、スイス、チェコの4カ国を巡りました。テーマは各国各都市の個性的なクリスマスマーケット巡りでした。 今回、利用した鉄道パスは、ユーレイル グローバルパス。この他にも、ユーレイル セレクトパス3カ国(スペイン、フランス、スイス)でもいいかもしれません。チューリヒから夜行列車ユーロナイトに乗車の際は、お得なパスホルダー料金で寝台指定券をご購入いただけます。ユーレイルパスは、スペイン、フランスでのボーナス特典が充実しています。シティカードや私鉄、宿泊施設、フェリーの割引き、アウトレットショッピングなど、各都市によりさまざまな割引き特典をご利用ください。 なお、レイルエキスパート向けの研修旅行のテーマのひとつがクリスマスマーケット巡りでした。パリ、ル・マン、バーゼル、プラハとチェスケー・ブジェヨヴィツェと5都市のクリスマスマーケットの様子は改めて画像とともにご紹介します! ※ ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は必ず、実際に時刻表でご確認ください。 ※ また、列車情報、車内で提供される食事やサービスについても予告なく変更されることがあります。ご乗車の際には事前にご確認ください。 鉄道パス&チケット: ・ユーレイル グローバルパス(通用日連続タイプ15日間):フランス-スペイン高速列車(バルセロナ・サンツ駅 ⇒ ニーム駅<3日目>)、TGV(ニーム駅 ⇒ パリ・リヨン駅<4日目>)、TGV(パリ・モンパルナス駅 ⇒ ル・マン駅<6日目>)、TGV(ル・マン駅 ⇒ パリ・モンパルナス駅<7日目>)、TGV リリア(パリ・リヨン駅 ⇒ バーゼルSBB 駅<7日目>)、IC(バーゼルSBB駅 ⇒ チューリヒ中央駅<8日目>)、ユーロナイト(チューリヒ中央駅 ⇒ チェスケー・ブジェヨヴィツェ駅<8日目>)、IC(チェスケー・ブジェヨヴィツェ駅 ⇒ プラハ本駅<9日目> ・ユーレイルパスを所持して、当プランで利用した高速列車(フランス-スペイン高速列車、TGV、TGVリリア)や夜行列車(ユーロナイト)に乗る際、別途、座席/寝台指定券が必要となります。この場合、お得なパスポルダー料金でご購入いただけます。 ・ユーレイル グローバルパスは、大人向けのパスのほか、2〜5人で同一行程を一緒に旅するグループ向けのお得なセーバーパス、12歳以上28歳未満の人に適用されるユースパスがあります。12歳未満のお子様は無料です。 ・19時ルールが適用されます。午後7時以降に出発し、午前4時以降に目的地に到着する直行便の夜行列車に乗車する際には、ユーレイルパスの利用日欄に翌日の日付(到着日)のみを記入します。その際、乗車日には列車に乗っていないこと、および到着日がパスの有効期間内であることが条件となります。 Tips: ・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。必ず事前にご確認ください。 ・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。 ・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。また、乗り継ぎの際は余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。 スペイン旅行をもっと楽しくするためのヒント: ・スペイン観光局 ⇒ http://www.spain.info/ja/ ・フランス観光開発機構 ⇒ http://jp.france.fr/ ・スイス政府観光局 ⇒ http://www.myswitzerland.com/ja/home.html ・チェコ政府観光局 ⇒ http://www.czechtourism.com/jp/home/ |
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