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No.3749 (Re:3745) 旅のヒント:夏の北欧人気2都市+隣国を鉄道と船で巡る旅
ほりうち(ccbu8181) 2015-07-02 23:31:34

旅のヒント

 高速列車、夜行列車、景観列車(シーニックトレイン)や登山列車など、ヨーロッパにはさまざまなタイプの列車が縦横無尽に走り、観光客はもちろん、地元の人々にとっても大変身近な交通手段となっています。便利さだけでなく、車窓を流れる風景や地元の人々とのふれあい、列車での国境越えという体験など、鉄道旅行の魅力は尽きません。このコーナーでは、テーマを決めて鉄道を楽しむ旅のモデルコースとともに、駅構内や列車内でのサービスや設備などについてご紹介いたします。


夏の北欧人気2都市+隣国を鉄道と船で巡る旅
 ボーナス特典をフル活用
  ヘルシンキ、ハメーンリンナ、ストックホルム、サンクトペテルブルク、タリン

 今月号の旅のヒントは、ヘルシンキを拠点として、北欧人気の2都市に、ロシア・サンクトペテルブルクとエストニア・タリンも訪れる、欲張り4カ国満喫の旅をご紹介します。フィンランドではヘルシンキとハメーンリンナの町歩きを楽しみます。高速列車アレグロに乗って、ヘルシンキからロシア・サンクトペテルブルクへの1泊旅行を満喫。さらに、ヘルシンキからフェリーでエストニアの首都タリンへの日帰り旅行も。7日目には、フェリーでスウェーデン・ストックホルムへと移動です。これらフェリーは、ユーレイルフィンランドパスのボーナス特典を利用しますので、とてもお得に乗船できます。<画像=フィンランドの鉄道>

 旅程

1日目
 日本から、直行便、またはヨーロッパの都市を経由して、ヘルシンキへ。着後、ホテルへ。
 ヘルシンキ泊

2日目
 終日、ヘルシンキ市内散策。
 ヘルシンキ泊

3日目
 朝、高速列車アレグロで、ロシアのサンクトペテルブルクへ(所要約3時間36分)。着後、市内散策。
 サンクトペテルブルク泊

4日目
 午後、サンクトペテルブルクから高速列車アレグロでヘルシンキへ(約3時間36分)。
 ヘルシンキ泊

5日目
 朝、タリンク・シリアのフェリーで、エストニア・タリンへ(約2時間)。着後、市内散策。
 ヘルシンキ泊

6日目
 朝、ICでハメーンリンナへ(約1時間3分)。市内散策。
 ヘルシンキ泊

7日目
 夕方まで、ヘルシンキ市内散策。 

17時発のタリンク・シリアラインズで、ストックホルムへ。
 船中泊

8日目
 9時30分にストックホルムに到着。着後、ストックホルム市内散策。
 ストックホルム泊

9日目
 出発までストックホルム市内散策。午後、ストックホルム・アーランダ空港から、ヘルシン経由で日本へ。
 機内泊

10日目
 日本着



 旅のポイント:

ヘルシンキ〜サンクトペテルブルク間
 高速列車アレグロで約2時間35分


 ヘルシンキ・ヴァンター国際空港からヘルシンキ市街までは、路線バスやエアポートタクシー、あるいはフィンランド航空のシティバスでアクセスできます。シティバスは、ヘルシンキ中央駅のバスターミナルに到着します。
 ヘルシンキ中央駅から徒歩圏内にヘルシンキ大聖堂や元老院広場、ヘルシンキ市庁舎、マーケット広場やウスペンスキー寺院、テンペリアウキオ教会、ヘルシンキ市博物館やアテネウム美術館、キアズマ国立現代美術館などが点在しています。トラムに乗って、シベリウス公園へ出かけ、マリメッコやイッタラといったこの国を代表するデザインショップなど北欧デザインを求めてショッピングするのも楽しいもの。フィンランドを代表する作家トーベ・ヤンソンのムーミンの絵本や関連グッズも見逃せません。
 3日目は、1泊でロシア・サンクトペテルブルクへ。ヘルシンキ中央駅から高速列車アレグロで、サンクトペテルブルクへは所要約3時間36分です。アレグロは1等と2等の座席があり、食堂車が連結されています。食堂車ではドリンクやスナック類、食事を提供しています。また、子供向けのキッズプレイゾーンやおむつ交換エリアを完備。車内ではフィンランド語、ロシア語、英語の3カ国に対応しています。税関手続きと乗車券の確認は車内で乗務員が行います。乗車の際には必ずパスポートとビザを携帯してください。なお、時差が1時間ありますので、時計の上では、ヘルシンキ発の往路は約2時間36分、復路は約4時間36分かかることになります。
 帝政ロシア時代の首都サンクトペテルブルクに1泊してゆっくりと市内を散策しましょう。エルミタージュ国立美術館、マリインスキー劇場、スパース・ナ・クラヴィー聖堂(血の上の救世主教会)、カザン聖堂、スモーリヌィ修道院など、見所はたくさん。ぜひ郊外のペテルゴフ宮殿(ピョートル大帝の夏の離宮)にも足を運んでみてください。庭園、公園には美しく、そしてユニークな噴水が数多く残されています。


ボーナス特典利用でエストニアの首都タリンへ
 ICでシベリウスの故郷ハメーンリンナへ

 5日目は、ヘルシンキから戻って、エストニア首都タリンへ日帰り旅行です。有効なユーレイルパス所持者向けのボーナス特典を使うと、タリンク・シリアラインズ(Tallink Silja Lines)とヴァイキングライン(Viking Line)のフェリーの一部路線の乗船券に割引料金が適用されます。
 タリンク・シリアラインズは、フェリーの乗船券(キャビンA、B、C/E)が40%割引き(ハイシーズンは20%割引き)となります。また、ヴァイキングラインはデッキ席料金が最大50%割引です。いずれも別途港湾税がかかります。タリンク・シリアラインズのフェリーはヘルシンキ西港から出航し、約2時間でタリンまでアクセスできます。ヴァイキングラインを利用する場合は、地下鉄ヴオサーリ駅(Vuosaari)からバス(90B番)でフェリー埠頭へ。
 かつてハンザ都市として栄えたタリンは、城壁で囲まれた旧市街を歩くほどに中世ハンザ同盟時代の雰囲気を感じることができるでしょう。切り妻屋根の商人の館やギルド会館などの建物が並び、ゴシック建築の教会が点在しています。ラエコヤ広場(旧市庁舎広場)にある旧市庁舎は北ヨーロッパ最古のゴシック建築。「市議会薬局」はヨーロッパ最古の薬局のひとつで、15世紀にはすでに営業していたとの記録もあるそう。旧市街にある石畳の細い路地や小路をのんびり散策しましょう。
 翌日は、ヘルシンキ中央駅からインターシティ(IC)で約1時間3分、フィンランドの偉大な作曲家シベリウスの生家が残されるハメーンリンナを訪れます。ハメーンリンナ駅前からハメーン通り南へと歩いて行くと、ハメーンリンナ美術館が目に入るでしょう。すぐ近くの橋を渡ってヴァアナヤヴェシ湖の西側へと進みます。マーケット広場近くのシベリウスの生家、フィンランド三大古城のひとつハメ城などが見所です。


ヘルシンキ〜ストックホルム間は約15時間
 こちらもボーナス特典でお得に船旅


 7日目、スウェーデンの首都ストックホルムへとフェリーで移動です。ヘルシンキ〜ストックホルム間は約15時間で、船中泊となります。ユーレイルフィンランドパス所持者向けのボーナス特典を使うと、エストニアのタリンへのアクセスと同じく、タリンク・シリアラインズとヴァイキングラインのフェリー乗船券がお得に。割引率などは、上記に示している通り、エストニア・タリン航路と同じです。タリンク・シリアラインズのストックホルム行きフェリーは、ヘルシンキ南港オリンピアターミナルから出港します。夕方、ヘルシンキからフェリーに乗り込み、翌朝9時30分頃にストックホルムに到着です。
 ストックホルムは、北欧デザインの雑貨や食器、インテリアなど、その人気は日本においても今だ健在。ストックホルムのおすすめ観光スポット情報、マップなどは、弊社公式ウェブサイト都市情報「ストックホルム」で画像とともに紹介しています。
 ストックホルム・アーランダ空港はストックホルム市街地から北へ約42Km。同空港にはアーランダ中央駅が併設されていて、同空港〜ストックホルム中央駅間は、アーランダ・エクスプレスで約20分で結ばれています。

 ここで明記している乗車時間や乗換駅は、季節や曜日、発車時刻などによって異なる場合があります。乗車される際は実際に時刻表でご確認ください。


 鉄道パス&チケット
・ユーレイルフィンランドパス(1カ月の有効期間内に通用日3日間):アレグロ(ヘルシンキ中央駅⇒サンクトペテルブルク駅<3日目>)、アレグロ(サンクトペテルブルク駅⇒ヘルシンキ中央駅<4日目>)、フェリー(ヘルシンキ⇔タリン<ボーナス特典/5日目>)、IC(ヘルシンキ中央駅⇔ハメーンリンナ駅<6日目>)、フェリー(ヘルシンキ⇒ストックホルム<ボーナス特典/7日目>)

・ここでご紹介したフェリーはボーナス特典として割引きが適用されます。割引特典を利用する際は通用日を使うことなく、パスの有効期間内であれば、いつでも利用できます。

・ユーレイルフィンランドパスは、26歳未満の旅行者向けのユースパス(1等と2等)、2〜5人で同じ行程をいっしょに旅する人向けのお得なセーバーパスはありますが、シニアパス(60歳以上)は設定されていません。また、親が同伴する子供(12歳未満)は無料です。

・高速列車アレグロにご乗車の際、別途、座席指定券が必要となります。


 Tips & インフォメーション
・ここに記載する列車や船、バスなどのスケジュールは時期などによって異なる場合があります。
 必ず事前にご確認ください。

・目的駅に到着したら、復路の列車の時刻表を必ず確認してから観光へとお出かけください。不慣れな駅構内では目的とする場所に辿りつくのに多少時間を要することも考えられますので、時間に余裕を持って駅に到着するようにしてください。

・列車、またはバスにご乗車の際には、時刻表を確認し、遅延なども考えられますので、余裕をもって行動するようにしてください。乗り継ぎの際は、余裕ある乗り継ぎ時間を確保することをおすすめします。

・ロシア・サンクトペテルブルクを訪れる際、ビザが必要です。日本でロシア入国のビザを取得してください。

・フィンランド政府観光局 ⇒ http://www.visitfinland.com/ja/

・スウェーデン観光文化センター ⇒ http://letsgo-sweden.com/

「フィンランドを知るための44章エリアスタディーズ」(著者:百瀬宏、石野裕子、明石書店、2008)
「北欧建築紀行」(著者:和田菜穂子、山川出版社、2013)
「北欧フィンランド巨匠たちのデザイン」(著者:島塚絵里、パイインターナショナル、2015)
「スウェーデンを知るための60章エリアスタディーズ」(著者:村井誠人、明石書店、2009)
「サンクト・ペテルブルグよみがえった幻想都市」(著者:小町文雄、中央公論新社、2006)
「物語バルト三国の歴史−エストニア・ラトヴィア・リトアニア」(著者:志摩園子、中央公論新社、2004)

撮影日:
撮影場所:
キャプション: フィンランドの鉄道
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