ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2015-06-19 18:54:41 |
株式会社交通新聞社
【交通新聞社新書 新刊のご紹介】 東京を大東京に変えた五方面作戦 東京都心と郊外とを結ぶ通勤輸送の抜本的改善策として、放射状に東海道線(神奈川)・中央線(東京西部)・東北線(埼玉)・常磐線(茨城)・総武線(千葉)へと延びる国鉄線での「東京五方面作戦」が始まったのは1964年(昭和39年)。それは民鉄・地下鉄・第三セクターにまで拡がり、街のグランドデザインをも大きく変え、今や人口3200万人の大東京圏を作り出した。本書では、江戸1里半の時代を端に、明治維新後の鉄道開業前夜から今日までの東京の鉄道と街の発展の歴史を振り返り、先人たちの知恵と苦労の積み重ねを多角的に知ることで、少子高齢化時代の大東京とそれを支える鉄道のあるべき姿を探って行く。 書 名: 交通新聞社新書080 東京の鉄道ネットワークはこうつくられた 著 者: 高松 良リ(たかまつ よしはる) 発 売 日: 2015年6月15日 判 型: 新書判 価 格: 本体880円+税(8%税込950円) ISBN: 978-4-330-57115-7 発 売 元: 交通新聞社 http://www.kotsu.co.jp/ 【章構成】 第1章 東京都市鉄道、基礎的ネットワークの誕生 第2章 地下鉄との相互直通運転を提言、都市交通審議会答申第1号 第3章 通勤輸送対策を柱に、石田禮助国鉄総裁の決断 第4章 東京から大東京へ、国鉄の東京五方面作戦 第5章 拡がり行く大東京、民鉄の東京五方面作戦 第6章 鉄道自営電力の確保、信濃川水力と川崎火力 第7章 変化への対応、これからも続く東京五方面作戦 おわりにより [前略] 調べてみると、国鉄と民鉄、戦略の違いが見えてくる。例えば、大手私鉄各社は、複々線化にあたり、快速電車停車駅の同じホームで、速やかに乗り換えが出来る方向別運転を採っている。一方、国鉄の東京五方両作戦では、貨物輸送、工事費・急行と緩行との旅客配分・工期等から、すべての複々線区間で線路別運転を採っている。 やはり、民鉄線整備の経緯をも、「民鉄の東京五方面作戦」として、「国鉄の東京五方面作戦」と並ぶ柱として書き記さねば、バランスを欠いたものとなる、と思った。 国鉄にしろ、民鉄にしろ、東京五方面作戦を行うことが出来たのは、すでに、大正から昭和にかけてつくられた基礎的な都市鉄道ネットワークがあったからからではないか。 通勤電車は、電気がなければ走れない。信濃川発電所・川崎火力発電所による「自営電力確保」の経緯も都市鉄道の一環ではないか。[後略] 【著者紹介】高松 良リ(たかまつ よしはる) 昭和14年(1939年)1月生まれ。昭和37年(1962年)東大土木学科卒、同年4月日本国有鉄道入社。国鉄建設局・工事局、及びJR東日本、日本鉄道建設公団で、40年間にわたり在来線改良工事・新幹線建設に従事。この間、運輸省国有鉄道部の技官として国鉄改革法案審議に参画し、そして、JR東日本の東北地域・関連事業の責任者として、また、埼玉新都市交通(ニューシャトル)の鉄道主任技術者として、それぞれ、鉄道経営全般に関与。JR東日本副社長、埼玉高速鉄道社長などを歴任。主な著書に「もう一つの坂の上の雲 鉄道ルート形成史」(日刊工業新聞社)がある。 |
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