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No.1916 【洋泉社】新刊:新書y252『聖地鉄道』  渋谷 申博 著
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2011-12-02 18:02:47
洋泉社 12月の新刊  新書判・並製224ページ

         新書y252『聖地鉄道』
            渋谷 申博 著

        聖地めぐりは電車に乗って−−

 往時、鉄道建設の目的は沿線住民の足というより、「参詣者の足」という側面のほうが強かった。その代表的なものは伊勢神宮へと向かった旧国鉄参宮線。明治時代半ば、伊勢神宮への参詣路線として東京や大阪などからの直通参詣列車も走る幹線だった。
 こうした「参詣のための鉄道」=「聖地鉄道」は日本全国に多々ある。
 「聖地」と「鉄道」は切っても切れない関係なのだ。
 本書は、寺社参詣を目的として建設された鉄道、あるいは沿線に有名聖地を持つ鉄道、全国42の路線(旧国鉄、JR、私鉄)を取り上げ、その沿線風景や宗教史上の意義、見どころを解説する。
 鉄道ファン、聖地ファンならずとも一度は行きたい聖地ガイド!


書 名 : 聖地鉄道
発行日 : 2011年12月21日 初版発行
著 者 : 渋谷申博 (C)2011
発行者 : 江澤隆志
発行所 : 株式会社洋泉社
      洋泉社ホームページ http://www.yosensha.co.jp
図書符号: ISBN978-4-86248-835-0 C0226 \860E
定 価 : 本体860円+税


渋谷申博(しぶや・のぶひろ)
1960年、東京都生まれ。早稲田大学卒業。宗教史研究家。
著書に「六大宗派でこんなに違うお葬式のしきたり」(洋泉社・新書y)、「面白いほどよくわかる密教」(日本文芸社)、「総図解よくわかる日本の神社」(新人物往来社)など。各社の雑誌への寄稿も多数。

あとがき
 聖地鉄道のことを考えるようになったのは、市川秀之氏の「不動信仰の都市的性格」という論文を読んでからのことだ。この論文によって、鉄道の発展と寺社が密接な関係を持っていたことを初めて知った。ただし、聖地鉄道という言葉は、私の造語だ。一般的には参詣路線といった表現がなされるようだが、参詣者輸送を目的としていない路線も含めるため、本書では聖地鉄道と呼ぶことにした。
 聖地鉄道についての本を書くというアイデアは、取材に出るたびに頭の片隅に蘇った。ペーパードライバーの私は、どこへ取材にいくにしても鉄道に頼らざるをえないからだ。しかし、アイデアが実際の執筆に至るまでにはずいぶん時間がかかった。
 執筆に際しては、鉄道史に関する各種の書籍を参考にしたが、特に今尾恵介氏の多岐にわたる入念な著作には大いに助けていただいた。それらの本がなかったら、本書はもっとうすっぺらなものになっていただろう。また、インターネット上の鉄道関係の各種サイトも大いに参考にさせていただいた。紙幅の関係上それらを列挙することはできないが、心からの感謝を申し上げる。鉄道愛好家たちの鉄路への綿密で深い愛情には本当に頭が下がる思いだ。鉄道のことに関しては、なにしろ専門外のことなのでわからないことも少なくなく、鉄分の多い方からすると噴飯なところも多いと思う。笑ってすませられるところは、どうか笑ってすませていただきたい。
 なお、机上のアイデアがこのように本として形をなせたのは、ひとえに企画制作会社、風土文化社の編集スタッフのおかげだ。ある本の打ち合わせの席上で何気なく話したことをもとに、企画としてまとめてくれた。さらに、鉄道との関係で聖地を考察するという、前例のない企画に理解を示してくださった洋泉社の松本尚士氏にも感謝を申し上げたい。
 さて、本書には私の聖地鉄道に対する考えをできるかぎり盛り込んだつもりだが、もちろんすべてを語りきったわけではない。聖地鉄道は本書にとり上げた以外にもたくさんあるし、廃止になった路線のことや駅舎についても考察をしてみたい。
 近い将来にそれらのことを書く機会が訪れることを願って筆をおくことにする。
二〇一一年一一月
渋谷申博
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画像サイズ: 311×501(原寸表示)