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No.7686 【河出書房】開封!鉄道秘史 未成線の謎…「敗者」の鉄道史
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2022-12-02 00:45:29
令和4年11月30日
                           株式会社河出書房新社
                            著者  森口 誠之


       時刻表に載らなかった「敗者」の鉄道史
      未完成の鉄道計画「未成線」を知っていますか



 株式会社河出書房新社(東京都渋谷区/代表取締役社長小野寺優)は、計画されながらも実現しなかった全国45路線の物語を描いた『開封!鉄道秘史未成線の謎』を2022年11月28日(月)、全国書店にて発売しました。

(1)幻の鉄道計画「未成線」とは
 日本の現在の鉄道は約2万8千km、過去に廃線となった路線だと約8千kmありますが、実は、未完のまま実現しなかった計画線が昭和期だけで私鉄約7千km、国鉄8千kmあったのはあまり知られていません。そうした計画されながら未完成に終わった鉄道路線のことを「未成線」といいます。
 90年代に廃線ブームが鉄道ファンだけでなく一般層にも広がりました。鉄道開業150年を経た2022年、鉄道史への関心が高まる中、鉄道遺産の1つとして、「敗者」の鉄道史、未成線も注目を浴びています。
 著者は90年代から運輸省や国立公文書館の一次資料を基に未成線研究を進めてきた第一人者です。現地を訪ねて「負の遺産」を背負う自治体や住民にもヒアリング。鉄道事業者の夢と破綻が交錯する裏歴史を解き明かします。

(2)なぜ、鉄道計画は未完に終わるのか
 明治中頃から昭和初期にかけて「鉄道敷設ブーム」が起こりました。産業発展と都市化の中で、着実に利益を上げられる産業として鉄道事業が注目されたからです。
 ただ、不況や戦争、クルマ社会の到来、産業構造の変化、過疎化、地価高騰……など社会情勢の変化に対応できず、巨額の投資をしながらも途中で放棄される計画が続出します。東京都や大阪市が都市計画を理由に新線建設を拒み対立する場面もあります。免許権を巡る各社の争奪戦が繰り広げられ、贈収賄事件で大臣や経営者に有罪判決が出たこともあります。

(3)計画途中で放棄された未完の鉄道計画45の物語
 東京や大阪、神奈川、北海道から愛知、福岡、宮崎まで……知られざる「敗者の鉄道史」未成線の物語を選りすぐりました
 池上電鉄白金線(東急)、東京山手急行電鉄(小田急)、筑波高速度電鉄(京成)、新京成柴又線、京急油壺線、京阪梅田線、宝塚尼崎電鉄(阪神)、阪急新大阪線、筑豊電鉄博多線(西鉄)、国鉄美幸線・興浜線(北海道)、国鉄大間線(青森)、国鉄長倉線(栃木)、国鉄南方貨物線(愛知)、国鉄阪本線(奈良)、国鉄今福線(島根広島)、国鉄油須原線(福岡)、国鉄高千穂線(熊本宮崎)……

【目次】
1章 東京・大阪の都心直通新線を阻む壁
   〜都市計画上の制約を乗り越えて延伸したい〜
2章 東京の市域拡張と郊外電鉄の計画
   〜関東大震災復興は都市と農村を変えていった〜
3章 関西大手私鉄の新線免許をめぐる争奪戦
   〜ライバルを牽制しながら勝ち残りを図る〜
4章 ニュータウン開発の軸となった鉄道計画
   〜自治体の思惑が錯綜し、ルートは二転三転〜
5章 地方で企画された都市間連絡鉄道
   〜高度成長期直前、電鉄線に夢を見た時代〜
6章 戦争下、優先的に整備された軍需路線
   〜人も金も資材も尽きて途中で放棄される〜
7章 北海道の戦後総合計画を見据えた国鉄新線
   〜需要が消えても誰も工事を止められない〜
8章 「負の遺産」国鉄未成線、利活用の方法
   〜観光資源として「幻の計画」の再評価が進む〜

【書籍情報】
 タイトル:『開封!鉄道秘史 未成線の謎』
 著者:森口誠之 本体価格:1420円(税込1562円)
 仕様:四六判並製・240ページ
 ISBN:978-4-309-29244-1
 企画・編集:株式会社夢の設計社 発行:株式会社河出書房新社
 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309292441/

【著者プロフィール】
 森口誠之――もりぐち・まさゆき
 1972年、奈良県生まれ。大阪市立大学大学院経営研究科修了。未成線や廃線も含めた鉄道史の研究に取り組み、本業のかたわら鉄道ライターとしても活動する。代表作に「鉄道未成線を歩く私鉄編」と「鉄道未成線を歩く国鉄編」(JTB)。「鉄道廃線跡を歩く」シリーズなどにも参加。
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