NEWS RELEASE:全般      3
No.5543 【創元社】東京の地下鉄相互直通ガイド:所澤秀樹/来住憲司 著
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2018-09-17 02:27:06
                            株式会社創元社
                      http://www.sogensha.co.jp/

世界一複雑かつ精緻な相互直通運転を読み解く!
 車両の運用や運行番号のしくみから、知られざる事業者間の取り決め、込み入った直通運転の歴史まで、図版・写真入りで解説。東京メトロ・都営地下鉄・私鉄各社・JR東日本の車両も勢揃い!!

本書の特徴
1 路線ごとに運転区間がひと目でわかる「直通運転路線図」を掲載。
2 くわえて車両の運用範囲、乗務員の担当範囲もわかりやすく図示。
3 直通運転を行う東京メトロ、都営地下鉄と関係各社の車両を一挙に紹介。
4 車両運用の実際、運行番号のしくみ、事業者間の取り決め、さらには時刻表から車両運用を読み解く方法などなど、直通運転に関わるあれこれを丁寧に解説。
5 それぞれの直通運転に至る経緯のほか、地下鉄以外の直通運転についても解説。
6 巻末資料編に関係各者の直通運転に関する覚書、協定書、契約書を収録。


タイトル: 東京の地下鉄相互直通ガイド
発 行 日: 2018年9月20日 第1版第1刷
定  価: 本体2,000円+税
著  者: 所澤秀樹
      来住憲司
発 行 者: 矢部敬一
発 行 所: 株式会社創元社 http://www.sogensha.co.jp/
印 刷 所: 図書印刷株式会社
図書符号: ISBN978-4-422-24080-0 C0065

著者紹介

所澤 秀樹(ショザワ ヒデキ)

 交通史・文化研究家。旅行作家。1960年東京都生まれ。神戸市在住。日本工業大学卒業。
著書:『鉄道時刻表の暗号を解く』『「快速」と「準急」はどっちが早い?鉄道のオキテはややこしい』『鉄道フリーきっぷ達人の旅ワザ』『日本の鉄道乗り換え・乗り継ぎの達人』(以上、光文社新書)、『鉄道会社はややこしい「相互直通運転」の知られざるからくりに迫る」(第38回交通図書賞受賞)『鉄道地図は謎だらけ』(以上、光文社知恵の森文庫)、『時刻表タイムトラベル』(ちくま新書)、『鉄道地図残念な歴史』(ちくま
文庫)、『鉄道手帳』『鉄道の基礎知識』『国鉄の基礎知識』『鉄道史の仁義なき闘い 鉄道会社ガチンコ勝負列伝』(以上、創元社)、など多数。

来住 憲司(キシ ケンジ)
 1961年東京生まれ。父が転勤族だったため、生後半年ほどで四国・松山に転居したのを皮切りに、西日本各地を転々とする少年時代を過ごす。現役蒸機時代末期と重なったこともあり、各地で蒸機撮影にいそしむ。サラリーマン時代にはリゾート開発に関わり、技術的な折衝で頻繁に運輸局に出入りした時期もある。その後は鉄道のCD−ROMコンテンツや鉄道誌・旅行誌への寄稿、鉄道をテーマとする単行本を手がける。
著書:『京都鉄道博物館ガイド』『関西の鉄道車両図鑑』(ともに創元社)、『全国駅名事典』(編集協力、創元社)などがある。


あとがきに代えて−首都の鉄道は日進月歩
 本書は所澤氏と私の共著ということになっているが、本書の内容は所澤氏によるところが大きく、私が担当したのは車両の写真撮影とその解説部分のみだ。つまり、具体的な車両の運用をはじめ、直通運転に関するさまざまな視点からの解説といった本書の肝の部分は、所澤氏が執筆された。
[中略]
 ともあれ、現状の姿を紹介するため、集中して撮影する計画を立てた。事前にリストを作り、片っ端から撮影していったところ、最初はまずまず撮れた。この調子で行けば何とかなるだろうと思っていたら、あと数形式となったところで予想以上の苦戦を強いられた。日々変化する首都圏の鉄道を記録するのは、やはりそう簡単なことではない。
 紙幅の都合もあって、個々の車両については必ずしも充分に紹介できなかったが、一応は地下鉄の相互直通運転に使用される車両を網羅できた。所澤氏による周到な解説とあわせて、相互直通運転の妙、面白さを楽しんでいただければ幸いだ。
2018年8月27日
来住憲司


東京の地下鉄相互直通ガイド 目次

序 東京の地下鉄は相互直通運転の見本市 7
 いいこと尽くめの相互直通
 こんなにある!東京の相互直通
 まだまだ増える相互直通
 関西の相互直通事情
 海外の相互直通事情
 不可思議な直通運転!?
 相互直通を読み解く楽しみ
 相互直通を読み解くヒント

第1部 東京の地下鉄 相互直通運転概況 15
 東京メトロ(H)日比谷線 16  相互直通相手 東武鉄道
 東京メトロ(T)東西線  20  相互直通相手 JR東日本/東葉高速鉄道
 東京メトロ(C)千代田線 24  相互直通相手 JR東日本/小田急電鉄
                 片直通相手  箱根登山鉄道
 東京メトロ(N)有楽町線 30  相互直通相手 東武鉄道/西武鉄道/東京急行電鉄(副都心線のみ)/
      (F)副都心線            横浜高速鉄道(副都心線のみ)
 東京メトロ(Z)半蔵門線 40  相互直通相手 東武鉄道/東京急行電鉄
 東京メトロ(N)南北線  46  相互直通相手 東京急行電鉄/埼玉高速鉄道(南北線のみ)
 都営地下鉄(I)三田線
 都営地下鉄(A)浅草線  52  相互直通相手 京成電鉄/北総鉄道/京浜急行電鉄
                 片直通相手  芝山鉄道
 都営地下鉄(S)新宿線  64  相互直通相手 京王電鉄
 東京メトロ・都営地下鉄路線図 68

第2部 東京の相互直通運転の歴史と実態 69

第1章 異なる事業者間の列車直通運転の歴史瞥見 70
 1 片直通運転のいろいろ 70
  小田急電鉄から箱根登山鉄道への片直通運転
  新京成電鉄から京成電鉄への片直通運転
  芝山鉄道にみる変則的な片直通運転
 2 相互直通とは違う「線路共用区間」 71
 3 日本の相互直通運転のあゆみ 72
  日本の相互直通運転事始め
  鉄道網の拡充と直通運転
  全国に点在していた直通運転
  国鉄直通用の急行型気動車を導入した富士急行
  「何でもあり」の伊豆急行
  近畿日本鉄道と名古屋鉄道の相互直通運転
  名古屋鉄道の高山本線への乗り入れ
  南海電気鉄道の紀勢本線への乗り入れ
  小田急電鉄の御殿場線への乗り入れ
  JR東日本と東武鉄道による直通特急
 4 通勤・通学と直通運転 84

第2章 地下鉄と郊外鉄道との相互直通運転が盛んな理由 86
 1 大手私鉄による都心への乗り入れ 86
  本邦初の都市型相互直通運転
  大手私鉄による都心乗り入れ免許申請
  秩序だった都心部交通網の構築
  大阪における相互直通運転
 2 6社局による協議 88
  協議のスタート
  紛糾する協議
  営団と都交通局のスタンスの違い
  もしも直通運転がなかったら

第3章 異なる鉄道事業者間における相互直通運転の取り決めごと 93
 1 まずは規格の統一から 93
  相互直通のために改軌した京成
  大阪市営地下鉄・阪急・南海による相互直通の夢
  路線によって軌間が異なる地下鉄
  3線軌道による直通運転
  車両のサイズを統一する
  車両のサイズが違っていてもいい!?
 2 乗務に関する決まりごと 97
  乗務するのは自社線のみ
  境界駅におけるルール
  異なる法律に準拠した相互直通
 3 機器の統一も大事 99
  運転台の規格も極力統一
  連結器の統一
  まだまだある規格の統一
  ATC、ATSの多重装備
  機器の取替・改造は自社負担が原則
  機器の費用負担の問題
 4 “場違いな運用”はなぜ起こる 105
  地下鉄線内だけを走る私鉄車、JR車
  地下鉄線内を走らない地下鉄車
  東京だけじゃない“場違いな運用”
  “場違いな運用”が起こるワケ
  走行距離を等しくする
  「車両キロ」の調整
 5 アンバランスな運用の理由 109
  千代田線における小田急車の運用
  三田線における東急車の運用
  清算運用の裏技としての“代走”
  ダイヤ改正が生んだ奇妙な運用
  「車両キロ」相殺の奥の手
  車両を“年季奉公”に出す!?
  「折り返し駅」絡みの清算運用
  多摩田園都市を走る東武電車
 6 「連絡運輸」ときっぷの問題 119
  連絡運輸とは何か?
  ICカード乗車券で連絡きっぷが消える?

第4章 相互直通運転の謎−運行番号から境界駅まで 121
 1 東京の地下鉄における「運行番号」のからくり 121
 2 列車番号から追跡できる車両編成の1日の仕事 124
  車両編成の運用を追いかける
  JR東日本の列車番号の付け方
  東京急行電鉄の列車番号の付け方
  東武鉄道の列車番号の付け方
  運行番号ベースでない列車番号の場合
 3 相互直通運転における車両運用机上追跡の実践例 131
 4 本家の影が薄い地下鉄路線? 138
 5 東京の地下鉄でも存在した片直通運転 141
 6 他社線内に飛び地的に車庫を設ける地下鉄 143
 7 新車の搬入にも生かされる相互直通の縁 146
 8 相互直通運転の境界駅はややこしい 149
   共同使用駅の業務委託
   直通運転境界駅の管理者

資料編 155
 資料1 「運輸省の指示事項」(営団・都交・東武・東急・京浜・京成) 156
 資料2 「列車の相互直通運転に関する覚書」(営団・東武・東急) 157
 資料3 「列車の相互直通運転に関する覚書」(都交・京浜.京成) 159
 資料4 「地下高速度鉄道の建設について」
      (営団・都交・東武・東急・京浜・京成) 161
 資料5 「運転取扱協定書」
     「直通運転に伴う運転事故および旅客負傷事故等の
                処理に関する申し合わせ事項」
     「渋谷駅構内の取扱いに関する協定書」(営団.東急) 162
 資料6 「2号線車両規格」(営団・東武・東急) 166
 資料7 「列車の相互直通運転に関する契約書」(東武・営団) 169
 資料8 「営団半蔵門線、東急田園都市線及び東武伊勢崎線・日光線
       との間における列車の相互直通運転に関する契約書」
      (営団・東急・東武) 171
 資料9 「相互直通運転に伴う運転事故及び旅客負傷事故等の
         処理に関する申合せ書」(営団・東急・東武) 173
 資料10 「東急所属車両の使用料金に関する協定書」(営団・東急) 175
 資料11 「鷺沼駅と鷺沼検車区との営団車両の出入区等に関する契約書」
      (東急・営団) 176
 資料12 「押上駅共同使用契約書」(都交・京成) 178

あとがき 180
参考文献 182

注:本書掲載のデータは、とくにことわりのないかぎり、2018年4月末日現在のものです。
撮影日:
撮影場所:
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