ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2014-02-25 17:41:33 |
この度弊社では、『「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』という本を刊行しました。
「ホームライナー」は当時の国鉄が1984年に開始して以来、「確実に座れる」ということで好評を博し、瞬く間に各地に広がりました。形態を変えながらも今もなお全国各地で通勤客に親しまれています。その一方で不採算で撤退を余儀なくされたライナーもあります。 著者の大塚良治先生は、経営学が専門の大学准教授です。本書では、全国のいわゆる「通勤ライナー」と呼ばれるものを取り上げ、その採算性を検討するとともに、停車駅の増加や、さらに適切な料金体系の導入によって、鉄道会社にとってさらに増収になる方法を提示し、それはすなわち乗客の利便性の向上にもつながるという、両者にとって良い方向であると、結論づけています。 経営の観点というこれまでにない切り口での鉄道書です。鉄道運行事業者にとっても乗客にとっても、それぞれの要求を満たす方策を本書では、展開しています。 記 [書 名] 「通勤ライナー」はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか [著 者] 大塚良治(湘北短期大学准教授) [判 型] 四六判 [造 本] 並製カバー装 [貢 数] 224ページ [定 価] 1700円(本体価格) [発行年] 2013年12月20日 初版印刷 2013年12月30日 初版発行 [発行者] 小林悠一 [印刷製本]東京リスマナック株式会社 [発行所] 株式会社東京堂出版 http://www.tokyodoshuppan.com/ [図書符号]ISBN978-4-490-20853-5 C0065 2014年2月吉日 株式会社 東京堂出版 なぜ「ホームライナー」等は、いつも満席なのか!? ライナー券、特急券の適切な値段はいくら? 都市部の通勤事情だけでなく、地域の鉄道輸送改善にも繋げていく 快適な通勤・通学空間の確保 空気輸送をなくし、収益向上 現状と問題点を分析し、さらなる大胆な方策を提案する 本書では、快適な通勤・通学を実現する「通勤ライナー」の運行によって、鉄道の採算性と顧客満足度の向上を実現し、ひいては鉄道ネットワークの持続的運営を可能とする方策を提案する。「通勤ライナー」運行が乗客、鉄道会社、地域のすへてにとって“win−Win”であることをさまざまな事例や分析によって説明していく。 (「はじめに」より) 〔著者略歴〕大塚良治(おおつか・りょうじ) 1974年(昭和49)、埼玉県に生まれる。横浜国立大学大学院国際社会科学研究科博士課程後期修了。博士(経営学)。広島国際大学大学院総合人間科学研究科医療経営学専攻専任講師等を経て、湘北短期大学総合ビジネス学科准教授(現在に至る)。近畿日本鉄道(近鉄)内部・八王子線の存続問題に取り組む「特定非営利活動法人四日市の交通と街づくりを考える会」専務理事として、同線の費用対効果分析に基づく存続案の策定と、議会、市民および地元企業への説明を担当し、行政からの依頼に応じ意見提出を行う。また、北総鉄道運賃問題の調査・研究にも取り組んでいる。専門は鉄道事業の経営学。研究テーマは「鉄道事業の社会的価値の計測と採算性分析」。内閣府消費者委員会電気料金問題検討ワーキングチーム有識者メンバーを歴任。交通権学会幹事を務める。 主な論文:「JR本州3社の地方交通線・並行在来線の持続的運営に向けた株主利益の内部留保」『交通権』第28号(2011年5月)、「鉄道事業者間の戦略的提携に基づく鉄道ネットワークの持続的運営への摸索−中小私鉄の活性化を中心として−」『湘北紀要』第33号(2012年3月)、「不採算鉄道の社会的便益−内部・八王子線の事例に焦点を当てて−」『湘北紀要』第34号(2013年3月)、「『北総鉄道運賃値下げ支援補助金』に関する一考察−公的補助と株主負担の両立による北総線運賃値下げ実現への構想−」『交通権』第29号(2012年4月)など。 目 次 出版によせて−津田健児 1 はじめに 3 第1章 通勤ライナーとは 「通勤」というより「痛勤」 16 整理されていない列車種別を定義する 18 「通勤ライナー」と「ホームライナー」と「通勤輸送向け着席保証列車」 22 JR旅客会社の列車種別・車両等級 27 ●JR旅客会社「JRホームライナー」 27 ●JR旅客会社普通列車グリーン車指定席 28 ●JR旅客会社普通列車グリーン車自由席 29 ●JR旅客会社普通列車普通車指定席(ホームライナー以外) 29 ●JR旅客会社特急列車グリーン車指定席 30 ●JR旅客会社特急列車普通車指定席 31 ●JR旅客会社特急列車普通車自由席 31 私鉄の列車種別・車両等級 34 ●「私鉄ホームライナー」 34 ●私鉄普通列車一般車指定席 35 ●私鉄普通列車特別車指定席 36 ●私鉄特急列車一般車指定席 37 ●私鉄特急列車特別車指定席 37 ●私鉄特急列車座席定員制自由席 38 本書の構成 38 第2章 通勤輸送向け着席保証列車 通勤輸送向け着席保証列車の意義と現状 44 JRホームライナー 45 ●全席座席指定制を採用するJRホームライナー 45 [JR東日本中央本線・青梅線「青梅ライナー」] ●グリーン車も普通車扱いとしているJRホームライナー 47 [JR東北本線・高崎線「ホームライナー鴻巣」] ●グリーン車を普通列車グリーン車扱いとしているJRホームライナー 48 [JR東海道本線・湘南新宿ライン「おはようライナー新宿」] ●JR他社車両を使用したJRホームライナー 50 [JR東海道本線「ホームライナー関ケ原」] ●日中時間帯も運行されていたJRホームライナー 51 [JR中央本線「セントラルライナー」(廃止)] 番外編 52 ●JRホームライナーと同様の運行形態をとっている全車指定席の普通列車 52 〔JR信越本線快速「おはよう信越」] 大手私鉄の有料特急(私鉄特急一般車・特別車指定席) 54 ●通勤ライナーとして利用されることを意図した大手私鉄の特急列車 55 ●地下鉄事業者へ直通する日本初の有料特急 61 [小田急電鉄小田原線・多摩線特急「メトロさがみ」] 私鉄普通列車指定席の事例 62 ●一部車両に座席指定車を連結している大手私鉄の普通列車 63 [南海電気鉄道本線・和歌山港線「サザン」] 各社の座席指定制列車サービスの比較 64 第3章 着席保証のない通勤ライナー JR旅客会社の特急列車普通車自由席とJRホームライナー普通車自由席 68 ●車両基地への回送列車を活用したJRホームライナー 68 [JR北海道函館本線「ホームライナー」] ●通学利用が盛んなJR旅客会社特急列車普通車自由席 78 [JR函館本線・宗谷本線特急「スーパー宗谷」「サロベツ」] ●新幹線新駅が設置され、通勤・通学利用が新たに創出された事例 80 [上越新幹線「MaXたにがわ」] ●自治体が通勤ライナーとしての特急増発を要望している事例 81 [JR中央本線特急「かいじ」] 地域住民の要望が新幹線の回送線を旅客化した 83 ●JR博多南線は新幹線なのに在来線!? 83 自治体が通勤に特急利用を認めているところがある 84 ●島根県の場合 84 [JR山陽本線・伯備線・山陰本線特急「やくも」] [小田急電鉄小田原線・江ノ島線・多摩線特急「ホームウェイ」】 ●鳥取県の場合 88 [JR山陰本線特急「スーパーまつかぜ」] JR地方交通線にも通勤ライナーはある 91 ●増収に貢献している通勤ライナー 91 [JR牟岐線特急「ホームエクスプレス阿南」] 中小私鉄の通勤ライナー 94 ●観光客向け特急列車で通勤・通学 94 需要創出と顧客満足度向上を図るために 96 第4章 鉄道会社の利益獲得モデル 鉄道会社はどうやって利益を獲得しているのか 100 JR各社の概要 101 ●JR各社はどのように分割されたのか 101 ●収入が見込める路線を有する本州3社 103 ●独自の戦略が求められるJR北海道・JR四国・JR九州 104 ●旅客会社とは基盤が異なるJR貨物 107 大手私鉄各社の概要 108 鉄道事業を基盤とした関連事業の展開 111 利益を確保するためには−会計知識の確認 115 鉄道会社の利益構造 120 有料列車の運行がない大手私鉄の収益 122 競合路線の比較から見える鉄道会社の思想と戦略 126 鉄道は収益が確保しにくい!? 131 第5章 通勤ライナーの採算性と着席価値・速達価値 東武東上本線TJライナーの採算性分析 134 TJライナーの採算性分析 139 特急料金水準の分析とイールドマネジメントの可能性 144 特急料金水準の計算とイールドマネジメントの適用 152 西武鉄道特急レッドアローにおけるイールドマネジメントの可能性 155 アンケート調査によるイールドマネジメント実施の可能性の検証 165 TJライナーに大きな可能性あり 167 第6章 グリーン車の通勤・通学利用 首都圏ですっかり定着した普通列車グリーン車−グリーン車の始まりを見てみよう 172 JR首都圏エリアの普通列車へのグリーン車SuiCaシステムの導入 173 車内でグリーン券を買うと割高になる 176 JR首都圏エリアの普通列車グリーン車の実際 179 関西の新快速には、普通列車グリーン車はない 180 グリーン車の内装 183 着席サービスをビジネスチャンスに 199 第7章 通勤ライナー・豪華列車が鉄道を活性化させる! 豪華列車による有料列車運行を考えよ 202 豪華列車導入で地方路線の採算性向上を 203 鉄道活性化には地域を巻き込め 207 通勤ライナーの未来を考える 211 参考文献 219 *取材協力 小田急電鉄株式会社 由利高原鉄道株式会社 |
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