ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2008-03-19 18:32:07 |
星 晃 著
「回想の旅客車〜特ロ・ハネ・こだまの時代・上」 B5判変形・ハードカバー・本文188頁 定価:3990円(税込) ISBN978-4-05-403708-3 ●本書は国鉄車両設計事務所電車主任技師、副技師長などを歴任した国鉄旅客車設計の第一人者・星晃氏の回想録で、22年前に交友社から発行された同名の本の復刊版です(装丁は一新)。 ●湘南電車、こだま形特急電車、修学旅行専用電車、日光形電車、寝台・座席両用特急電車など、戦後の国鉄を代表する旅客車が、それぞれいかなる背景のもと、どのような意図で開発されたのか、開発にあたってはどういう点に苦労したかなど、当事者でしか書けない貴重な記事がふんだんに掲載された一級の資料です。 ●加えて、米軍専用列車「白帯車」についての回想や、「国鉄車両設計事務所の歴史」、「随想」などの歴史的価値の高い記事も掲載されています。 ●当時の貴重な写真(カラー116点、モノクロ277点。そのほとんどは筆者自身の撮影)に加えて車両図面、時刻表などの資料図表もふんだんに掲載されており、車両ファン必携のビジュアル資料でもあります。 復刊にあたって 『回想の旅客車』は,昭和60年(1985)に株式会社交友社より発行され,今では絶版になっている私の代表作である.この本は,当時の私のそれまでの旅客車への思いを集大成したものであった,と言っても過言ではない.それが発行以来20有余年の歳月を経た今日,復刊される運びとなったことは著者として誠に感慨深い. 私は昨年の12月で89歳を迎えた老人であるが,今装いも新たに復刊される本書を前にして,戦後に旅客車の設計に明け暮れた当時が懐かしく思い出される.近頃は鉄道ブームと言われているようだが,団塊の世代が懐かしむ昭和30年代の背景を合わせてみると,戦後の日本の鉄道が発展していく姿を鉄道ファンの心が捕らえていることは,誠にうれしい事実と思う次第である. 戦後,私は軽量客車の勉強のために欧州各国を回ることができた.当時の日本の鉄道は電車や気動車が多く,一般客車は比較的少ない状況であった.そのようななかで,帰国後に軽量構造の旅客車を造りあげた.本書のサブタイトルにある「特ロ・ハネ・こだま」という言葉は,私にとって忘れ難い語呂合わせであるが,幸いにも旅客車の設計を自分の思うままにやれたことは,何よりも幸せであったと思っている. 平成20年2月 星 晃 戦後の国鉄の旅客車の歴史を振返るとき,星さんを抜きにしては語れない.星さんが居たから,国鉄の,更に言わせて戴ければ,日本の,旅客車が今日の姿になったのだと言っても過言ではないと思う.(「推薦のことば」より) ●目次 車両のカラー回顧 9 カラフルな国電のはじまり 2等車の特別整備(28年度) 昭和20年代に生まれた花形客車 軽量客車の誕生 東海道線電化完成による客車特急の新塗色“青大将” ディーゼルカーの時代 こだま形電車 日光形電車 東海形電車 修学旅行専用車いろいろ 御料車1号 貴賓電車クロ157−1 サロンカー ディーゼル特急 新しい通勤形電車 交流電化の初期に 急行電車全盛のころ 交直流急行電車 引き継がれる湘南カラー 北海道へ交流電車 交直流特急電車 寝台・座席両用交直流特急電車 新幹線時代のあけぼの 【T】回想記 占領下白帯車のころ 40 湘南電車の誕生 52 電動列車時代の幕あけ 58 客車特急の復活 64 軽量客車の黎明期 70 こだま形特急電車時代 86 デラックスなパーラーカー 107 さようならこだま形 113 修学旅行専用電車 118 日光形特別電車 130 御料車と貴賓電車 140 30年代の急行形「電車・気動車」 150 寝台・座席両用特急電車 174 国鉄車両設計事務所の歴史 184 随 想 “彗星”のサロンカー 78 “こだま”のビュフェ 115 運転台の灰皿 163 新車になじむ 171 車両と旅客サービス 183 *本書は昭和60年(1985)に交友社から発行された同名の書籍を復刊したものです。 『回想の旅客車』下巻 内容構成 【II】解説・展望(当時の寄稿から) 珍しい進駐軍用客車 外人観光団専用列車の構想 「仮想列車」臨時JNR号 生まれかわる3等客車 特急専用3等車 新製客車情報 客車の鋼体化改造 特別2等車物語 食堂車の復興 戦後の寝台車事情 客車の形式改正と改番 車両称号規定改正余話 国電2等室の試み 気動車車体の大形化 特急用新形軽量食堂車 事業用電車の新顔 国電の形式改正 国鉄における旅客車の動向 1等展望車変遷記 デラックスでない新幹線電車 車両構造材としてのFRPへの期待 乗り物の色 車両の外部色あれこれ 車両と色彩 鉄道車両における工業デザイン 車両工業デザイン 耐候性鋼の鉄道車両での利用 車両座席の改良 乗り心地をよくするために 新幹線におけるトイレ方式 列車トイレの改善対策 車両軽量化のあゆみ 【III】昔の欧米鉄道見聞記 カラー・ヨーロッパの車両1954 昭和28年スイスゆき スイスの鉄道事情 フランスの客電車 ドイツの旅客車など イタリアの客電車 イギリス鉄道の印象 アメリカ・カナダの旅客車のデザイン |
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ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2008-04-20 21:08:54 |
星 晃 著
「回想の旅客車〜特ロ・ハネ・こだまの時代・下」 進駐軍用客車、食堂車の復興、形式改正、塗色とデザイン・・・。 第一人者が記した戦後復興・高度成長期の国鉄旅客車事情と「欧米鉄道見聞記」 待望の復刊!! 版 型:B5判変形・ハードカバー・本文180頁 定 価:3990円(税込) 発売日:2008年4月22日 図書符号:ISBN978-4-05-403760-1 ・本書は国鉄車両設計事務所電車主任技師、副技師長などを歴任した国鉄旅客車設計の第一人者,星晃氏の回想録の下巻で、22年前に交友社から発行された同名の本の復刊版です(装丁は一新。上巻は本年3月にすでに復刊致しました)。 ・この下巻は「解説・展望」「昔の欧米鉄道見聞記」の二部より構成されています。前者は「客車の形式改正と改番」「乗り物の色」「車両工業デザイン」など、開発当事者ならではの視点から書かれた興味深い30テーマから成り、戦後復興期・高度成長期の国鉄の旅客車事情がよく理解できる貴重な資料です。後者は筆者が実際に目にした欧米の鉄道車両事情をまとめたものです。 鉄道企業にとって車両はたいせつな第一線の商売道具である.絶えず大衆の目にふれ,また国民生活に密接な関係をもっているだけに,車両は見ても乗っても好ましい姿であってほしい.(本文より) おわりに 国鉄の時代において,自分の専門が旅客車であったので,専らその旅客車の独特の面を記述することに努め,国鉄という組織と旅客車との関連がわかるように執筆してみた.旅客車とひとくちに言ってしまえばそれまでであるが,昔からの機関車が牽く客車,自ら運転できる電車・気動車というような旅客車と呼称した各旅客車を一括して発表した.旅客車というものを取り出して執筆した私の気持ちを,この文章から理解して頂ければ有り難いと思う. 平成20年2月 星 晃 ◎著者略歴 大正7年(1918)12月富山市生まれ.昭和17年(1942)9月東京帝国大学工学部機械工学科を卒業し,念願の鉄道省入り.終戦後間もなく運輸省鉄道総局に復帰し客車設計の仕事に入った.工作局客貨車課課長補佐として,湘南電車の車体・特別2等車・鋼体化客車・寝台車・食堂車・標準形3等車などの設計を取りまとめる立場にあった.27年9月大井工場車両課長に転出.28年11月より約1年間軽量車両の調査のためヨーロッパへ派遣され,帰国後旅客車の軽量設計に取り組んだ.32年2月工作局から分離独立した車両設計事務所の開設に伴い,電車主任技師となりこだま形・東海形・修学旅行形・日光形などの新設計電車に携わった.新幹線電車の車体にも力を入れることになったが,北海道の新しい交流電化区間向けの電車や,オールアルミ製の電車にも全力投球の研究を進めた.42年12月,副技師長として国鉄での設計の仕事は終わる。 44年3月,国鉄を退職し神戸の川崎車輌へ入社.会社合併により川崎重工業車両事業部長,52年6月から常務取締役車両事業本部長兼技術研究所長を務め,同社顧問を経て退任・また,森尾電機取締役相談役,鉄道友の会副会長などに就任.なお,35年10月先輩3氏と共に科学技術庁長官賞,46年11月紫綬褒章,57年11月交通文化賞,60年4月勲3等瑞宝章に叙せられるとともに,日本機械学会名誉員の推薦を受けた. 【注】目次一覧は、コメント元の発言をご覧下さい。 |
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