NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.3069 【JR東海】定例社長会見(平成22年3月・東京)
ほりうち(ccbu8181) 2010-03-26 20:02:16
JR東海 ニュースリリース

2010.03.26
定例社長会見(平成22年3月・東京)


◆平成22年度重点施策と関連設備投資について

新年度を迎えるにあたり、当社の平成22年度重点施策と関連する設備投資を紹介します。

平成22年度の重点施策は8項目です。引き続き、安全・安定輸送の確保に最優先に取り組むとともに、東海道新幹線・在来線における輸送サービスの充実をはじめとする各施策を着実に推進します。

また、厳しい経済情勢が今後も継続するとの認識にたち、収益力の強化と技術レベルの不断の向上に取り組むとともに、業務執行全般にわたり知恵を絞り効率化と低コスト化を徹底し、経営体力の充実を図ります。

設備投資については、平成22年度も安定的かつ着実に進める計画であり、連結では、対前年計画比90億円増の3,280億円を見込んでいます。また、単体では3,080億円を見込んでいます。

引き続きN700系の集中的投入が続くとともに、山梨リニア実験線の42.8kmへの延伸と設備の実用化仕様への更新等に係る投資が拡大、本格化することからJR東海発足以降、過去最高の設備投資計画額であり、対前年計画比280億円増となります。

このうち、安全関連投資については、脱線・逸脱防止対策等により対前年計画比230億円増の1,760億円を見込んでいます。安全関連投資はこれまでの実績と合わせて会社発足から24年間で総額約2.4兆円、総投資額の約6割に相当する高い水準です。

平成22年度の重点施策と主な設備投資の各項目についてご説明します。

1番目の『安全・安定輸送の確保』に関する投資額は1,100億円です。東海道新幹線の地震対策については、盛土・橋脚の耐震補強に加え、昨年 10月から着手した脱線・逸脱防止対策を推進します。また、在来線においては落石対策等の防災対策や踏切保安設備の改良を進めるほか、平成23年度中のATS−PTの導入完了に向けた工事を推進します。

2番目の『東海道新幹線における輸送サービスの充実』に関する投資額は950億円で、平成22年度もN700系を16編成投入するとともに、定期「のぞみ」のN700系による運転を順次拡大してまいります。また、新大阪駅の大規模改良工事と九州新幹線直通列車の新大阪駅乗り入れに伴う準備を推進します。さらに、東京駅における旅客関連設備の改良や新横浜駅におけるホーム柵取替を推進します。

3番目の『在来線における輸送サービスの充実』に関する投資額は120億円で、新型車両への取り替え、武豊線の電化計画による名古屋都市圏の輸送基盤強化に取り組むとともに、バリアフリー設備も引き続き整備を進めます。

4番目の『超電導リニアによる東海道新幹線バイパスの推進』の投資額は490億円です。この投資額は山梨実験線の延伸及び、設備の実用化仕様への全面的な更新のみの計上となっています。東海道新幹線バイパスについては、引き続き、全国新幹線鉄道整備法に基づく手続き等を着実に推進します。

5番目の『営業施策の強化』の投資額は50億円です。引き続き、エクスプレス予約の会員数拡大に向けた取り組みを推進するとともに、「TOICA」については、3月13日に開始した電子マネーサービス、TOICA定期券による新幹線乗車サービスのご利用拡大に努めます。また、増収に向けた取り組みとして京都や遷都1,300年を迎える奈良をはじめ、各地区に向けた各種キャンペーンを展開します。

6番目の『技術力の強化、海外展開の可能性の追求』の投資額は10億円です。高速鉄道の海外事業展開については、絞り込んだ路線の事業化に向けた営業活動を積極的に行い、具体化を推進します。

7番目の『関連事業展開の推進』の投資額は200億円です。名古屋駅新ビル計画について計画を着実に進めるとともに、農業事業についてグループ会社への出荷を開始します。

8番目の『地球環境保全・博物館建設に向けた取組み』の投資額は40億円です。
JR東海博物館(仮称)の平成23年春の開館に向け、建設及び諸準備を推進します。なお、博物館の屋根には、地球環境保全への取り組みの一環として、発電容量約500kWの太陽光発電システムを導入します。

以上、平成22年度は連結で3,280億円、単体で3,080億円の投資となります。当社グループとしては、引き続き中核をなす鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優先に取り組む中で、輸送サービスの充実に努めるとともに、長期的展望に立って東海道新幹線バイパス、名古屋駅新ビル計画等の諸施策を推進していきます。一方で、平成22年度も厳しい経済情勢が継続するとの認識に立ち、収益力の強化と技術レベルの不断の向上に取り組むとともに、業務執行全般にわたり知恵を絞り効率化と低コスト化を徹底し、経営体力の充実を図ります。

今回の設備投資計画については、こうした基本方針をもとに、長期債務縮減や安定配当の継続による健全経営の維持を前提に作成しました。

なお、平成22年度の収支見通しの具体的数値については、平成21年度の実績を見極めた上で詳細を詰める予定であり、決算発表時に「業績予想」として発表させていただく予定です。


◆京都キャンペーン初夏編の展開について

当社では、季節ごとに「そうだ 京都、行こう」キャンペーンを展開して、様々な角度から京都の魅力をお伝えしています。

現在、御室(おむろ)桜(ざくら)の「仁和寺(にんなじ)」にスポットをあてた春編を展開しているところでありますが、この桜の春編に続き、5月〜6月にかけては、「青もみじ」を切り口に「初夏編」を展開するのでご紹介します。

紅葉の名所としておなじみのスポットは、瑞々しい若葉の息吹に包まれる新緑の季節においても、その美しさだけでなく、周囲の風景とのコラボレーションをお楽しみいただけることから、昨年から、京都市や京都市観光協会と連携して当キャンペーンでも「青もみじ」の紹介を行っていますが、昨年度は丁度「新型インフルエンザ」の影響を受けてしまい、実質的には今年から本格的な展開となります。

今年は、二つの名所を舞台にキャンペーンを実施します。

一つ目は、嵐山にある「祇王寺(ぎおうじ)」という寺院で、平家物語では、平清盛と「祇(ぎ)王(おう)」「仏御前(ほとけごぜん)」といった女性とのせつない物語がありますが、その白拍子(しらびょうし)達が、このお寺で余生を過ごしたと伝えられます。緑であふれた庭と、かやぶき屋根の草庵が、静寂な風情を醸し出します。

二つ目は、細川忠興(ほそかわただおき)の叔父である玉甫紹(ぎょくほしょうそう)を開祖として建立した「大徳寺(だいとくじ)」塔頭(たっちゅう)の「高桐院(こうとういん)」で、細川氏の菩提寺(ぼだいじ)としても知られています。千利休(せんのりきゅう)ゆかりの茶室もあり、優美な寺院です。青もみじの並木が美しい参道や苔むした庭や、背後の竹との緑の三重奏を見せます。

他にも、キャンペーンでは、ご紹介した寺院を含む全4エリアで「青もみじスタンプラリー」を企画し、対象の8社寺のうち3ヵ所でスタンプを押して京都総合観光案内所にお持ちになると、小物入れなどにお使いいただける「巾着(きんちゃく)」などの素敵なプレゼントがもらえるというものがあります。

JR東海ツアーズより、「京都 初夏の旅1泊・2泊」を発売するので、ぜひご利用いただきたいと思います。

なお、4月17日(土)から「そうだ 京都、行こう」のキャンペーンサイトも初夏編のご案内を開始します。サイト上では、旬な旅行情報をお届けするほか、順次、お勧め旅行商品の検索も可能とし、一層便利になるので、ぜひご覧いただきたいと考えています。

是非、「青もみじ」の新緑の季節にも京都にお出かけいただきたいと思います。