NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.1143 【JR東海】「車両運動総合シミュレータ」の改良について(1/3)
ほりうち(ccbu8181) 2008-07-24 16:33:20
JR東海 ニュースリリース

2008.07.22
「車両運動総合シミュレータ」の改良について


 当社「小牧研究施設」では、鉄道における先端的な技術開発に取り組んでおります。今回、当研究施設にございます「車両運動総合シミュレータ」を改良しましたので、お知らせします。



1.「車両運動総合シミュレータ」の概要

 本試験装置は、鉄道車両の乗り心地を定置で再現できる装置です。車内の環境を模擬するために、実際の車両と同じ仕様の客室を備えた模擬車体を、加振装置を使って動かす、世界でも類のないものです。本装置は6年前の「小牧研究施設」の開所と同時に使用を開始し、N700系の最高水準の乗り心地の実現に貢献してきました。


2.「車両運動総合シミュレータ」の改良のポイント

 「車両運動総合シミュレータ」について、車両床下の電気機器やレールから受ける速い車体振動(高周波振動)についても再現できるよう、更なる改良を行います。(別紙1)

<機器改良点>
・模擬車体を小型軽量化(重量4.5→3.3t)
・模擬車体を揺らす油圧シリンダーへの振動入力情報をよりきめ細かくできるよう制御装置を改良


3.「車両運動総合シミュレータ」を用いた技術開発

 今回の改良により、これまで扱われていなかった高周波振動域の振動を再現でき、これから得られたデータを下記の軌道や車両関係の更なる改良に生かし、東海道新幹線を更にブラッシュアップするための研究開発を行います。(別紙2)

・様々な軌道条件での振動(高周波振動)を本装置でより忠実に再現し、乗り心地に注目した軌道検査方法などの軌道関係の開発に取り組みます。

・車両の床下に装備された機器類から伝わる振動(高周波振動)を再現し、床の部材の改良などの車体構造の最適化に取り組みます。

・また、高周波振動も吸収できる、より座り心地のよい腰掛の開発にも取り組みます。