NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.973 【小田急】2008年度の鉄道事業設備投資計画 輸送サービスの向上に328億円(1/3)
ほりうち(ccbu8181) 2008-04-25 22:42:37
小田急電鉄株式会社 広報部

ODAKYU NEWS RELEASE
http://www.odakyu.jp/

第08−2号
2008.4.24

 2008年度の鉄道事業設備投資計画

 輸送サービスの向上に328億円



 小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区 社長:大須賀 頼彦※)では、お客さまに安心、便利、快適にご利用いただくため、鉄道事業の設備増強を積極的に進めています。2008年度も「輸送力の増強」「安全対策の強化」「サービスの向上」「環境対策の推進」を4本の柱に、総額328億円(自社工事267億円、鉄道建設・運輸施設整備支援機構工事61億円)にのぼる設備投資を実施します。

 2008年度の鉄道事業設備投資計画の概要は、次のとおりです。


※「頼」の旁(つくり)は、正しくは「刀」の下に「貝」

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No.974 (Re:973) 【小田急】2008年度の鉄道事業設備投資計画 輸送サービスの向上に328億円(2/3)
ほりうち(ccbu8181) 2008-04-25 22:43:58

 記


1.輸送力の増強

 ラッシュ時の混雑の緩和や所要時間の短縮など、快適な輸送サービスを実現するため、今年度も総額122億円を投資し「輸送力の増強」に向けた取り組みを実施します。


(1) 複々線化事業の推進(東北沢〜和泉多摩川間10.4km)

 工事中の東北沢〜世田谷代田間(1.6km)では、今年度も引き続き、1日も早い完成を目指し工事を進めます。当区間が完成すると、列車の増発が可能となり、朝のラッシュピーク時間帯における混雑の緩和や、さらなる所要時間の短縮が実現します。
(複々線化事業の進捗状況は別紙をご参照ください。)


(2) 和泉多摩川〜向ヶ丘遊園間(1.4km)改良工事

 複々線化事業の効果をより一層発揮させるため、多摩川橋梁部分を複々線化するとともに、登戸〜向ヶ丘遊園間を上り2線、下り1線の3線化とすることで、上り方面に対して複々線化と同等の輸送効果を発揮させることができます。今年度中に多摩川橋梁部分の複々線化、登戸〜向ヶ丘遊園間の3線化が完了し、改良区間を使用開始する予定です。



2.安全対策の強化

(1) 踏切集中監視システムの導入

 踏切保安装置の故障による事故などを未然に防止するため、電気司令所などで踏切保安装置の作動状態をリアルタイムに集中監視できるシステムの導入を、今年度末までに完了します。


(2) D−ATS−Pの導入

 列車運行の安全性を一層高めるため、現在使用しているATSに替え、連続的で細かい速度制御により、急曲線部、下り勾配部などの制限速度の設定が可能となるD−ATS−Pの全線設置を目指してシステム構築を進めていきます。
※ D−ATS−P:Digital Automatic Train Stop Pattern の略


(3) 閉扉時の安全対策

 現在、当社の通勤車両は、閉扉時に物等が挟まることにより、「16ミリ以上」の隙間が生じた場合、列車を運転することができないシステムになっていますが、この設定を8月末までに「11ミリ以上」に狭めます※。また、合わせて閉扉時、一時的に扉の圧力を弱める機能を順次設置し、扉挟みによる事故防止を図ります。
※通勤車両4000形(7編成70両)を除く。


(4) 運転状況記録装置の設置

 事故が発生したときなどに情報を活用できるよう、列車の速度やブレーキなどの運転状況を記録する装置を順次設置していきます。


(5) 地震・気象情報監視システムの拡充

 自然災害に対する安全性を向上させるため、河川を観測する水位計と監視カメラを3カ所新設するとともに、雨量計を5カ所、レール温度計を2カ所増設します。さらにオンライン化している地震計や雨量計、風速計などと同様、河川水位計やレール温度計などの観測値も、運輸司令所でリアルタイムに監視できるシステムとします。なお、使用開始は2009年度を予定しています。

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No.975 (Re:973) 【小田急】2008年度の鉄道事業設備投資計画 輸送サービスの向上に328億円(3/3)
ほりうち(mmvr6592) 2008-04-25 22:46:36

3.サービスの向上

(1) 車両のリニューアルおよびサービス改善

1) 通勤車両のリニューアル

 8000形通勤車両(6両編成×1本、4両×2本、合計14両)をリニューアルし、車いすスペースや車内LED表示器、自動放送装置などを設置します。あわせて、列車の走行音を低減するため、車両搭載機器の低騒音化を図ります。


2) 特急車両へのAED設置

 2008年3月から運行を開始したロマンスカー・MSEに鉄道車両として国内で初めて設置したAED※(自動体外式除細動器)を、現在運行しているすべてのロマンスカー(17編成)に設置します。
※Automated External Defibrillator の略で、心臓の心室が小刻みに震えることにより、脳や体に血液を送り出すことができなくなる心室細動の状態のとき、心臓に電気的刺激を与えることにより、正しい状態に取り戻すものです。


(3) 駅の施設・設備の改良およびサービス改善

1) 駅施設の改良工事

 海老名駅では、引き続き大規模改良工事を推進します。今年度は、改札階と駅前広場を結ぶエスカレーターを設置し、乗り換え利便性の向上を図ります。工事の完成は2010年度を予定しています。

 また、新百合ヶ丘駅では、既存駅舎部分のリニューアル工事を、伊勢原駅では自由通路等の整備工事を引き続き実施し、両駅の工事は、いずれも今年度中に完成する予定です。


2) ホーム待合室の設置

 ホームで列車を待つ間にご利用いただける、冷暖房完備のホーム待合室を3駅4カ所に設置します。これにより全70駅のうち46駅77カ所に設置されることになります。


ホーム待合室設置駅

新百合ヶ丘(上・下ホーム各1カ所、合計2カ所)、厚木(上り)、伊勢原(上り)




3) 行先案内表示器の新設・更新

行き先や発車時刻などをご案内する表示器を相武台前、小田急永山、小田急多摩センターの3駅に新設します。また、秦野、藤沢の2駅の案内表示器を、より視認性の高いものに更新します。


(3) 駅施設のバリアフリー化の推進

1) エレベーター等の設置

 移動の障害となる段差を解消するため、エレベーターを厚木駅に2基、エスカレーターを海老名駅に3基設置するほか、鶴巻温泉駅にスロープを設置します。これにより、小田急線全70駅中67駅で改札からホームまで段差なく移動することができるようになります。

 なお、2010年までには、すべての駅の段差を解消する予定です。


【エレベーター】
設置駅 :厚木
基数  :2
設置場所:上下ホーム
備考  :新設


【エスカレーター】
設置駅 :海老名
基数  :3
設置場所:改札外
備考  :新設


2) 多目的トイレの設置

 車いすをご利用のお客さまやオストメイトのお客さま、乳幼児をお連れのお客さまにも安心してご利用いただける多目的トイレを5駅に設置します。これにより、小田急線全70駅中69駅のトイレが、オストメイト対応となります。


多目的トイレ設置駅

座間、厚木、鶴巻温泉、足柄、高座渋谷




3) 触知案内板の設置

 目の不自由なお客さまにも安心してご利用いただけるよう、駅構内のホームやエレベーター、トイレ等の施設を点字でご案内する触知案内板を16駅計21カ所に設置します。



4.環境対策の推進

(1) 全密閉式の主電動機(モーター)の導入

 リニューアルを実施する8000形通勤車両3編成で、従来の主電動機よりも走行音が低減される全密閉式の主電動機※に更新します。
※モーター内部の回転音やファンの風切り音が外に漏れにくいよう、外気と完全に遮断した構造になっており、従来のものと比べて3dB程度の騒音低減効果が見込まれます。当社では、2007年度以降に新造・リニューアルする車両に順次導入しています。


(2) 車両搭載機器の低騒音化

 リニューアルを実施する8000形通勤車両3編成で、ブレーキや扉の開閉に必要な圧縮空気を供給するコンプレッサーを低騒音型のものに更新するとともに、滑走防止制御装置※を設置し、列車の走行音の低減を図ります。

※雨天時などレールが滑りやすい状態で急ブレーキをかけると車輪がロックしながらレールの上を滑走し、車輪に騒音の原因となる凹みができることがあります。この滑走を防止するため、一時的にブレーキ力を弱めて、車輪がロックするのを防ぐための装置です。
以上

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No.976 (Re:973) 【小田急】2008年度の鉄道事業設備投資計画 輸送サービスの向上に328億円(別紙)
ほりうち(ccbu8181) 2008-04-27 13:19:04

別紙 (複々線化事業の進捗状況について)

 当社では、快適な輸送サービスを提供するための抜本的な輸送改善策として、東北沢〜和泉多摩川間(10.4km)の複々線化工事を進めており、現在までに世田谷代田〜和泉多摩川間(8.8km)が完成しています。これにより、朝のラッシュピーク時間帯における向ヶ丘遊園→新宿の所要時間は事業着手前と比較し、急行で8分程度、各駅停車で4分程度、また、日中時間帯の各駅停車についても7分程度の短縮が図られ、速達性が大幅に向上するなどの効果を発揮しています。

 残る東北沢〜世田谷代田間(1.6km)は、2004年9月に工事着手し、現在、4線地下式による複々線化工事を鋭意推進しています。当区間が完成すると、さらに所要時間が短縮するだけでなく、すでに完成している複々線施設と繋がることにより、列車の増発が可能となり、大幅な混雑の緩和が図られるなど、抜本的な輸送改善が図られます。

 また、この事業は、東京都の都市計画事業である連続立体交差事業と一体的に進められています。これにより踏切での慢性的な交通渋滞が解消、鉄道と道路の安全性向上などが図られるとともに、鉄道によって隔てられていた市街地の一体化や、駅周辺の整備が進むなど、その整備効果は高く、緊急性を要する事業となっています。


(東北沢〜世田谷代田間 2008年度工事予定)

 本事業区間は、世田谷区および渋谷区の住宅地と商業地が混在する狭隘な地域であり、作業ヤードや搬入路の確保が難しく、非常に厳しい施工条件の中で、安全や周辺環境に特段の配慮をしながら在来線の直下で地下化工事を進めています。また、1日7万台の交通量がある環状7号線や京王井の頭線との交差および東京メトロ千代田線との隣接など、多くの関係者を有する難工事となっています。

 地下化に向けた工事は本格化しており、特に下北沢〜世田谷代田間では、6月に在来線直下でシールドトンネルの掘進を開始します。また、開削工事を行うための土留め工事や線路仮受けのための工事桁架設をはじめ、東北沢〜下北沢間(上り)や下北沢〜梅ヶ丘間(下り)での線路切替工事なども進めていきます。
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 上:事業全体図 中:拡大図 下:下北沢駅横断図
画像サイズ: 640×920(50%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 搬入したシールドマシン
画像サイズ: 203×278(原寸表示)