NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.9074 【小田急】2015年度の鉄道事業設備投資計画
ほりうち(ccbu8181) 2015-05-02 16:16:56

ODAKYU NEWS RELEASE

第15−1号
2015年4月30日
         2015年度の鉄道事業設備投資計画

       安全対策の強化・輸送力の増強・サービスの向上

            3本の柱に289億円 


 小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区社長:山木利満)では、お客さまに安心、便利、快適に鉄道をご利用いただくため、鉄道事業の設備増強を進めています。
 2015年度は、「安全対策の強化」「輸送力の増強」「サービスの向上」を3本の柱として、総額289億円の設備投資を実施します。
 2015年度の鉄道事業設備投資計画の概要は、次のとおりです。


                 記


1.安全対策の強化
(1)耐震補強の推進
 大規模地震による被害を最小限に抑えるため、鉄道構造物の耐震補強を推進します。今年度は、新宿、大和等の各駅と、厚木〜本厚木および多摩線等の駅間の高架区間のほか、酒匂川避溢(ひいつ)橋※等における耐震補強工事を実施します。
 ※川などの水を堰きとめ、溢れるのを防ぐために設けた水抜き用の橋

(2)D−ATS−Pの導入
 列車運行の安全性を一層高めるため、現在使用しているATSに替え、連続的で細かい速度制御により、急曲線や、分岐等においても制限速度の設定が可能となる、より安全性の高い新たな列車制御システム(D−ATS−P)の全線設置を推進します。今年度、新宿〜新百合ヶ丘駅間で設置が完了し、小田急線全線で運用を開始します。

(3)変電所の設備更新
 駅や電車に安定した電力を供給し続けるため、老朽化した変電所設備を更新します。
 今年度は、海老名・湘南台・永山の変電所設備を更新します。

(4)デジタル列車無線の導入
 老朽化した列車無線をアナログ方式からデジタル方式に更新する工事を、引き続き、実施します。デジタル列車無線の導入により、運輸司令所から同時に複数列車との通話が可能となり運行異常時等において情報収集の迅速化が図られるほか、データ通信機能により、乗務員やお客さまに対して正確な情報提供を行うことが可能となります。引き続き今年度は、車上設備の更新および地上設備の新設を進めます。

(5)法面防護工事
 自然災害による被害を最小限に抑えるため、今年度は小田急相模原〜相武台前駅間で工事に着手するほか、六会日大前〜善行駅間において、引き続き工事を実施します。


2.輸送力の増強
(1)複々線化事業の推進(東北沢〜世田谷代田間)
 現在工事中の東北沢〜世田谷代田間(1.6km)が完成すると、朝のラッシュピーク時間帯に列車の増発が可能となり混雑が緩和されるほか、各駅停車と急行などの列車が別々の線路を走ることにより、所要時間が短縮されます。
 今年度は引き続き、残る下北沢〜世田谷代田間の緩行線トンネルの構築や東北沢駅・下北沢駅・世田谷代田駅の駅舎工事、下北沢駅で交差する京王井の頭線橋梁架け替え工事を進めます。
 ※複々線化事業の進捗状況は別紙をご参照ください

(2)各駅停車の10両化に向けた工事の推進
 複々線完成後の朝のラッシュピーク時間帯における輸送力をさらに増強するため、現在8両編成で運転している近郊区間の各駅停車を10両編成で運転するために、引き続き工事を進めます。


3.サービスの向上
(1)特急車の新造
 特急ロマンスカー・MSE(60000形)10両(6両×1編成、4両×1編成)を新造します。

(2)車両のリニューアル
 1000形通勤車両4両(4両×1編成)をリニューアルし、車いすスペース、車内LCD表示器、自動放送装置を設置します。また、制御装置の更新および車内照明をLED化することで運行に使用する消費電力を削減するほか、主電動機、補助電源装置、コンプレッサーなどの床下機器の低騒音化を図るなど環境面にも配慮したリニューアルを実施します。

(3)駅施設の改良、サービス向上
@お客さまご案内用タブレット端末の整備
 小田急をご利用になるお客さまに対して更なるサービス向上を図るため、駅係員および乗務員によるタブレット端末を用いたご案内を開始します。タブレット端末は、外国語翻訳(英語)機能やリアルタイム列車位置情報表示機能などを機能として備えており、海外からお越しのお客さまに対してのご案内を強化するほか、列車遅延時などにおけるお客さまへの迅速な情報提供を図ります。なお、今年度は各駅および特急に乗務する車掌によるサービスを開始する予定です。

A駅舎のリニューアル
 本厚木駅中央口および新宿駅西口地下の改修工事を進めます。

Bホーム上家の増設
 駅におけるお客さまへのサービスを向上させるため、東海大学前駅のホーム上家の増設工事(延伸)を行います。

Cトイレのリニューアル
 駅におけるお客さまへのサービスを向上させるため、20駅のトイレにおいて洋式化を進めます。なお、今後は、全駅で全てのトイレの洋式化を進めます。

D行先表示装置の新設
 現在、主要駅を中心に設置している行先案内表示装置を全駅に設置するため、引き続き工事を進めます。今年度は小田原線の南新宿、参宮橋、開成、栢山、富水、螢田、足柄の7駅で設置を予定しています。

以上

撮影日:
撮影場所:
キャプション: 安全対策の強化
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撮影場所:
キャプション: 輸送力の増強
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キャプション: サービスの向上
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No.9075 (Re:9074) 【別紙】複々線化事業の進捗状況等
ほりうち(ccbu8181) 2015-05-02 16:18:07
【別紙】

■複々線化事業とは
 当社では、快適な輸送サービスを提供するための抜本的な輸送改善策として、東北沢〜和泉多摩川間(10.4q)の複々線化事業を進めており、現在までに世田谷代田〜和泉多摩川間(8.8q)が完成しています。これにより、朝のラッシュピーク時間帯における向ヶ丘遊園→新宿間の所要時間は事業着手前と比較し、急行で8分程度、各駅停車で4分程度、また、日中時間帯の各駅停車についても7分程度の短縮が図られ速達性が向上するなどの効果を発揮しています。
 残る、東北沢〜世田谷代田間(下北沢地区)は、2004年9月に工事着手し、現在4線地下式による複々線化工事を鋭意推進しています。当区間が完成すると列車の増発が可能となり、大幅な混雑の緩和が図られるとともに、所要時間がさらに短縮します。
 また、この複々線化事業は、東京都の都市計画事業である連続立体交差事業と一体的に進められており、既に当該区間にあった39箇所の踏切を除去したことにより、踏切での慢性的な交通渋滞の解消、鉄道と道路の安全性向上が図られ、鉄道によって隔てられていた市街地の一体化や駅周辺の整備も進められております。

■複々線化事業の進捗状況について
 2013年3月の地下化以降、下北沢〜世田谷代田間(京王井の頭線交差部を含む約460m)の緩行線トンネル構築や京王井の頭線橋梁架け替え工事、駅舎工事等を進めております。その中で、昨年度は、下北沢〜世田谷代田間の緩行線トンネルの構築に必要な土留め工事・掘削工事を進め、一部ではトンネル本体の構築工事に着手したほか、京王井の頭線の仮橋化および旧橋脚の撤去を行いました。また、東北沢駅・世田谷代田駅では、本設駅舎の工事を開始しました。

■2015年度の工事予定
 今年度は、引き続き緩行線トンネルの構築に向け、掘削・トンネル構築工事を進めるとともに下北沢駅で交差する京王井の頭線の仮橋を緩行線トンネルの上部に受け替える工事を行います。また、東北沢駅・世田谷代田駅では本設駅舎の一部を使用開始するほか、下北沢駅においても駅舎工事を進めていきます。
 今後も、鉄道輸送の安全と工事の安全を確保し、2017年度の複々線化を実現すべく鋭意工事を進めてまいります。
 ※事業完了は2018年度を予定しております
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撮影場所:
キャプション: 【事業区間(下北沢地区)全体図】
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