NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.8760 【国土交通省】「JR九州完全民営化プロジェクトチーム」とりまとめ 1/4
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2015-01-27 21:45:27
[出典:国土交通省ホームページ]
国土交通省

「JR九州完全民営化プロジェクトチーム」とりまとめについて

                              平成27年1月27日

国土交通省鉄道局では、平成26年10月、九州旅客鉄道株式会社(以下「JR九州」という。)の完全民営化に向けた諸課題を検討するため、鉄道局長以下の関係者を構成メンバーとした「JR九州完全民営化プロジェクトチーム」を設置し、関係者からのヒアリング等を実施しつつ、検討してきました。
 今般、別紙のとおりとりまとめを行いましたので、お知らせいたします。


別添1
                                  国土交通省
JR九州完全民営化プロジェクトチームとりまとめの概要



●JR九州完全民営化に向けた諸課題を検討するため、鉄道局長以下を構成員とするプロジェクトチーム(PT)を平成26年10月に設置(計10回開催)。関係者からのヒアリングを経て、平成27年1月にとりまとめ。

【とりまとめのポイント】

1.国鉄改革の枠組みとJR九州の概要

●昭和62年、我が国の鉄道事業の再生を図るため、国鉄分割・民営化が行われ、JR九州を含むJR7社が発足。
●JR7社については、「国鉄改革のための基本方針について」(昭和60年10月11日閣議決定)等の累次の閣議決定において、「経営基盤の確立等条件が整い次第、できる限り早期に完全民営化する。」こととされているところ。
●JR九州は(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構(元・日本国有鉄道清算事業団)が同社の株式を100%保有している特殊会社。
●JR九州は、九州新幹線及び在来線に加え、「ななつ星in九州」等の観光列車を運行するとともに、駅ビル、マンション等の不動産事業、流通・外食事業、ホテル事業等の関連事業を実施。

2.九州地域においてJR九州が果たしている役割
●JR九州は通勤・通学をはじめとする人々の生活や経済活動に深く密着し、基幹的輸送機関として必要不可欠な存在。
●観光振興に向けた取組みや鉄道を核としたまちづくり等により、観光振興と地域活性化に多大な役割。

3.JR九州の経営状況・財務状況の現状と見通し
●連結決算で概ね200億円規模の安定した経常利益を計上しており、一般的な民間会社と比べても遜色ない水準。

4.JR九州の完全民営化にあたっての課題と対応
(1)経営安定基金(3,877億円)の取扱い
●JR九州の自主性を確保しつつ、経営安定基金が果たしている機能・目的を実質的に確保する観点から、以下の資産等へ基金を振替え。
***
【具体的な取扱い】
@九州新幹線貸付料の一括前払い(2,205億円)
A鉄道資産取得のために(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構から借り入れた無利子借入金の償還財源への振替(800億円)
B鉄道ネットワークの維持・向上に必要な鉄道資産への振替(872億円)
***
(2)JR会社法の取扱い
●国の後見的な助成・監督が必要な段階は終了しており、適用対象から除外。
●国鉄改革の経緯を踏まえた事業運営の確保のため必要となる最小限の事項を国土交通大臣が「指針」(※)として提示。
(※)JR会社間における連携・協力、鉄道路線の適切な維持、中小企業者への配慮等
(3)上場の時期
●平成28年度中の上場を目指すことが適当。そのために、平成27年通常国会にJR会社法改正案を提出。

 ※法令により資産の振替先等について規定。
NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.8761 (Re:8760) 【国土交通省】「JR九州完全民営化プロジェクトチーム」とりまとめ 2/4
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2015-01-27 21:53:48
別添2 1/3

        JR九州完全民営化プロジェクトチーム
              とりまとめ

            平成27年1月


               目 次

はじめに
1.国鉄改革の枠組みとJR九州の概要

2.九州地域においてJR九州が果たしている役割
(1)交通サービスの提供者としての役割
(2)観光振興等の地域の活性化に果たす役割
(3)今後の課題

3.JR九州の経営状況・財務状況の現状と見通し

4.JR九州の完全民営化にあたっての課題と対応
(1)基本的な考え方
(2)経営安定基金の取扱い
(3)JR会社法の取扱い
(4)上場の時期

おわりに
【参考1】ヒアリングにおける主な御意見
【参考2】JR九州完全民営化プロジェクトチーム 構成員一覧
【参考3】JR九州完全民営化プロジェクトチーム 開催実績

はじめに
 九州旅客鉄道株式会社(以下「JR九州」という。)は、九州地域の基幹的公共交通機関として九州全域に鉄道ネットワークを運営しており、本鉄道ネットワークは、地域内の都市間輸送や我が国観光立国の推進を担う重要な交通インフラであるとともに、通勤・通学をはじめとする日々の生活を支える必要不可欠な移動手段として、九州地域の経済及び社会生活にとって極めて重要な役割を果たしている。
 他方で、昭和62年4月の国鉄分割・民営化によって発足した特殊会社であるJR九州は、これまで累次の閣議決定1により「経営基盤の確立等条件が整い次第、できる限り早期に完全民営化する。」こととされており、条件が整い次第完全民営化し、より効率的な経営体制の確立を目指すこととされている。
 そこで、国土交通省鉄道局では、平成26年10月、関係者を構成メンバーとした「JR九州完全民営化プロジェクトチーム」を立ち上げ、(1)九州地域のネットワークの現状・展望と課題、(2)JR九州の経営状況・財務状況の現状と見通し、(3)JR九州の株式上場に関する課題と対応、(4)JR九州の株式上場による効果と影響について、関係者からのヒアリング等を実施しつつ、検討してきた。
 本とりまとめは、同プロジェクトチームでのヒアリング及び議論を踏まえて、今後のとるべき方向性等についてとりまとめたものである。

1 「国鉄改革のための基本方針について」(昭和60年10月11日閣議決定)
 「日本国有鉄道清算事業団の債務の償還等に関する基本方針について」(昭和63年1月
26日閣議決定)
 「日本国有鉄道清算事業団の債務の償還等に関する具体的処理方針について」(平成元年12月19日閣議決定)
 「特殊法人の整理合理化について」(平成7年2月24日閣議決定)
 「特殊法人等整理合理化計画」(平成13年12月19日閣議決定) 等


1.国鉄改革の枠組みとJR九州の概要
 昭和62年、国鉄が全国一社制かつ公共企業体としての経営体制に起因して破綻に至ったことから、民間会社による効率的かつ安定した経営体制を確立し、真に輸送需要に適合した効率的な輸送を提供することにより、国鉄の運営していた鉄道事業を再生することを目的に国鉄改革が行われた。この際、国鉄の経営破綻の原因の一つが、経営の自主性を喪失している等の弊害を有する公社制度という経営形態にあるとされたことから、多様化する利用者のニーズに即応し、企業性を発揮した活力ある経営を行い得るようにするため、できるだけ民間会社と同様の経営の自由と自主性を持つことが必要であるとの考えの下、国鉄の民営化を進めることとされた。また、破綻の原因として、全国一元的な組織運営が指摘されたことから、地域の実情に即した運営が行われる必要があること、適切な経営管理が行われる必要があること等に鑑み、旅客部門については、旅客流動にも着目した上で、全国を6分割することとされ、昭和62年4月、日本貨物鉄道株式会社(以下「JR貨物」という。)も含めたJR7社が発足した。
 この際、新たに発足したJR旅客各社は、将来にわたって安定的な経営を継続できるよう、各社の事業に必要な資産を国鉄から引き継ぐ一方、東日本旅客鉄道株式会社、東海旅客鉄道株式会社、西日本旅客鉄道株式会社(以下「JR本州三社」という。)については、輸送量の多い地域の資産を引き継ぐこと等の理由から、国鉄の長期債務を引き継ぐこととなった。他方、JR九州、北海道旅客鉄道株式会社(以下「JR北海道」という。)、四国旅客鉄道株式会社(以下「JR四国」という。)については、いずれも営業損益で赤字が生じることが見込まれたため、不採算路線も含め将来に亘り事業全体で採算が確保できるよう、国鉄の長期債務を引き継がないこととした上で、将来における維持更新投資にも配慮して、これからの営業損失を補填し得る収益が生み出される措置として経営安定基金が設置された。
 また、その際、国鉄の鉄道事業を承継したJR会社が国鉄改革の経緯及び趣旨に沿った事業経営を行うよう、JR各社が自立するまでの間、国の後見的な助成・監督を目的として、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律(昭和六十一年法律第八十八号)(以下「JR会社法」という。)が制定され、JR九州を含めたJR会社は同法の対象として、事業計画の策定・定款変更等について国土交通大臣の認可が必要であるなど、国がJR会社の経営等に関与することとされた。
 その上で、国鉄改革の中核が、経営の自由と自主性をもつ民間会社としての経営体制の確立であることから、JR各社については、累次の閣議決定において、「経営基盤の確立等条件が整い次第、できる限り早期に完全民営化する。」とされた。
 この方針のもとで、平成13 年、JR本州三社については、良好な経営状況を継続し、一般的な民間会社と比べても遜色ない水準に立ち至っていたことから、国による後見的な助成・監督の必要性がなくなり、完全民営化の条件が整ったものと判断されたため、上記閣議決定に基づき、JR会社法の対象から除外した。
 また、日本国有鉄道清算事業団(現在の(独)鉄道建設・運輸施設整備支援機構(以下「(独)鉄道・運輸機構」という。))が保有していたJR本州三社の株式は、会社の経営状況、株式市場の動向等を踏まえ、平成5年以降順次売却され、平成18年に全ての株式の売却が終了したことをもって完全民営化が完了した。

 JR九州については、現在も継続して(独)鉄道・運輸機構が同社の株式を100%保有している特殊会社であり、JR会社法の適用を受けている。同社は現在、九州全域に旅客鉄道路線約2,270kmの鉄道ネットワーク、社員数約9,300人を有する鉄道事業者として、九州七県で1日あたり約3,000本の在来線旅客列車を運行しており、年間約323百万人が利用している。
 また、平成16年には、新八代・鹿児島中央間、平成23 年には博多・新八代間の九州新幹線が開業し、現在は1日あたり約140 本の新幹線を運行するなど、同社が運行する幹線ネットワークは九州域内の重要な交通手段の一つとなっている。
 さらに、在来線及び幹線等に加え、同社は「ななつ星in九州」や特急「ゆふいんの森」「指宿のたまて箱」等、観光資源となる鉄道列車を多数運行し、九州の観光振興に大きな役割を果たすとともに、九州各地の主要都市や本州を結ぶバス路線、福岡・釜山間を結ぶ高速船「ビートル」等を運航するなど、様々な交通事業を行っている。
 他方で、同社は鉄道、バス等の交通事業のみならず、駅ビル、マンション等の不動産事業、流通・外食事業、ホテル事業等の関連事業も積極的に行っており、これら関連事業は、九州の地方経済活性化、観光振興等に重要な役割を果たしている。


2.九州地域においてJR九州が果たしている役割

(1)交通サービスの提供者としての役割
 JR九州は、九州域内に約2,270kmの旅客鉄道路線を有しており、九州の旅客輸送人員の約2割を担っている。
 JR九州の輸送人員のうち、約6割は定期券利用者であり、特に地方部ではその比率が8割を超える路線もあるなど、同社は、通勤、通学等を支える重要な役割を担っている。このような地域内の日常の交通においては、自家用車や路線バス等の自動車が主要な交通手段となっているほか、都市部では、民営・公営の鉄軌道も大きな役割を果たしているが、JR九州は、安定的な公共交通機関として、これらの輸送機関と相まって、人々の日常の足を支えている。
 また、ビジネスや観光等のための域内都市間、地域間の連絡については、九州においても、高速道路ネットワークやこれを活用した高速バスが大きな役割を果たすようになっているが、JR九州は、九州新幹線や在来幹線を中心として、定時制に優れた大量輸送機関として重要な機能を担っている。
 さらに、九州と九州域外とを結ぶ交通としては、山陽新幹線をはじめとする鉄道輸送網、各県の空港を拠点とした航空輸送網、高速道路網等が整備されているが、JR九州の鉄道ネットワークは、山陽新幹線と九州新幹線の直通運転、一部空港へのアクセス等を含め、九州各地と九州域外との交流を支える役割を果たしている。
 JR九州は、昭和62年の会社発足以降、都市近郊を中心に約60の新駅を設置し、きめ細かいダイヤ設定を行うなど、地域内輸送の充実に努めるとともに、都市間輸送においても、企画切符の発売や高速バスとの連携等により、その利便性向上のための取り組みを行っている。このような取り組みもあって、同社の鉄道ネットワークを利用する旅客数は、会社発足時に比べ約3割増加するなど、その輸送サービスは、人々の日常生活や経済活動に深く密着し、九州地域の基幹的輸送機関として必要不可欠な存在となっている。

(2)観光振興等の地域の活性化に果たす役割
 九州には、各地域の特性を反映した魅力的な拠点が形成されており、各地に風光明媚な観光地が多数点在している。JR九州の鉄道ネットワークは各観光地へ向かう観光客の移動手段として重要な役割を果たしている。
 また、JR九州は、クルーズトレイン「ななつ星in九州」や特急「ゆふいんの森」「指宿のたまて箱」等、観光資源となる鉄道列車(デザイン・アンド・ストーリー(D&S)列車)を多数運行し、D&S列車そのものが観光素材となるなど、多くの観光客をひきつけている。これらD&S列車の運行は、沿線自治体や地域住民の自主的なおもてなし活動とも連携するなど、地元関係者から観光振興に向けてJR九州に期待が寄せられている。
 加えて、九州は東アジアとの玄関口であり、JR九州は海外からの旅行者向け鉄道パスであるJR九州レールパスの海外直接販売2をはじめ、インバウンド観光客の取り込みにも積極的に取り組んでおり、その成果もあって、近年、九州を訪問する観光客は著しく増加している3
 上記のようなJR九州の観光振興に向けた取り組みは、九州の魅力を高め、内外からの観光客誘致に大きな役割を果たすとともに、観光振興を通じた地域の賑わいの創出、関連産業への経済効果の波及等、地方経済活性化に大きく寄与している。
 また、JR九州は鉄道沿線の不動産開発事業や、駅ビル開発等の鉄道を核としたまちづくりに取り組んでおり、これらの事業が、駅周辺の商業活動の活性化、新たな雇用の創出、周辺人口の増加等につながっている。このため、地元経済界等からも、今後の九州経済を牽引する主体として、JR九州の取組みに期待する声が多い。

(3)今後の課題
 JR九州の鉄道ネットワークは、九州全域に及び、九州の交通ネットワークの骨格を形成している。その輸送サービスは地域住民やビジネス・観光客の足として広く利用されており、地域間の交流人口の増大、地域経済活性化及び観光振興に貢献している。
 このため、JR九州は自社の鉄道ネットワークが果たしている意義・役割を再認識し、今後の九州地域の発展及び活性化に向けて、不採算路線も含めた必要な鉄道ネットワークの維持とともに、サービスの向上、他交通モードとの連携、バリアフリー化の推進、防災対策の強化等の鉄道ネットワークの更なる発展を進めていく必要がある。
 また、鉄道事業者にとって最も重視されるべきは、安全性の確保である。現在、JR九州は「安全はあるものではなくつくりあげていくもの」という考えのもと、鉄道の安全の確保及び向上に向けた取組みを各種行っているが、引き続き国民の安全・安心や生活の足を守るという観点から、安全設備等への投資をおろそかにせず、必要な安全レベルを確保していかなければならない。
 九州では、全国平均を上回るペースで人口減少・高齢化が進んでいる。そのような中で、高齢者を含む人々の移動を確保し、地域間の交流を活発化する上で、九州全域に鉄道ネットワークを有するJR九州は重要な役割を担うべき立場にある。地方創生が重要な課題となる中、観光振興への取り組みや関連事業を通じたまちづくり等も含め、JR九州には、地域活性化の牽引役として、大きな期待が寄せられている。JR九州は、地方自治体や地元経済界、地域住民と連携し、九州の活性化に更なる貢献をしていくことが必要である。

2 JR九州レールパスの販売実績推移(52,000枚(平成23年度)、78,000枚(平成24年度)、98,000枚(平成25年度))(出典:JR九州)
3 九州への訪日外国人数推移(約72.6万人(平成23年)、約115万人(平成24年)、約125万人(平成25年))(出典:国土交通省九州運輸局)


3.JR九州の経営状況・財務状況の現状と見通し
 JR九州は、国鉄改革以後、鉄道事業者として、経営効率化努力を行うとともに、新駅の設置やサービスの向上等による利用者利便性の向上、D&S列車をはじめとする新規需要の創出に資する取組みなど、創意工夫を活かした様々な経営努力を行ってきている。これらの取組みにより、鉄道事業における営業損益は、昭和62年度は△280億円であったが、平成25年度は△156億円と改善している。
 また、同社は、他の大手民間鉄道会社と同様に、鉄道事業に加え、駅ビル、マンション等の不動産事業、流通・外食事業、ホテル事業等の関連事業を展開しており、JR博多シティの運営管理等を行っている駅ビル・不動産事業は約167億円、流通・外食事業は約32 億円の経常利益(平成25年度)を計上するなど、子会社も含めたこれら関連事業の経常利益が約250億円(平成25年度)に達している。
 このような取組みにより、JR九州の財務状況は、近年、リーマンショック等による一時的な落ち込みはあるものの、連結決算で、概ね200億円規模の安定した経常利益を計上しており、売上高経常利益率も5%を超え、一般的な民間会社と比べても遜色ない水準となっている。
 例えば、東京証券取引所の上場基準にJR九州をあてはめると、最近2年間の連結での経常利益の総額が5億円以上であることとする等の形式基準については、同社は、平成24年度には173億円、平成25年度には212億円の経常利益(連結)を計上しており、基準を満たしている状況にある。
 以上に加え、今後についても、同社は、鉄道事業において、引き続き輸送サービスの改善や沿線開発、インバウンドの誘致促進等による需要喚起に努め、関連事業においても、これまでに蓄積した経営ノウハウをさらに活かすことで、将来にわたって安定的な経営を行うことが可能であると見込まれることから、JR九州は上場に向けた条件が整っていると考えられる。累次の閣議決定では、「経営基盤の確立等条件が整い次第、できる限り早期に完全民営化する。」とされていることから、現在、JR九州が特殊会社であるが故に課されている規制を撤廃し、(独)鉄道・運輸機構が保有するJR九州の株式を全て売却することで、JR九州の完全民営化を達成することが適切である。
撮影日:
撮影場所:
キャプション:
画像サイズ: 647×471(49%表示)
NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.8762 (Re:8760) 【国土交通省】「JR九州完全民営化プロジェクトチーム」とりまとめ 3/4
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2015-01-27 21:53:49
別添2 2/3

4.JR九州の完全民営化にあたっての課題と対応


(1) 基本的な考え方
 JR九州については、3.で述べたように、上場に向けた条件が整っており、累次の閣議決定で、「経営基盤の確立等条件が整い次第、できる限り早期に完全民営化する。」とされていることから、JR九州の完全民営化を達成することが適切である。
 その際には、以下の視点を踏まえ検討を行う必要がある。

@ 国鉄改革の意義が、多様化する利用者のニーズに即応し、企業性を発揮した活力ある経営を行い得るようにするため、できるだけ民間会社と同様の、経営に自由と自主性をもった経営体制を確立することであったことからすれば、JR九州についても、自立した民間会社として、可能な限り自己責任で自由な経営を行うことのできる環境を整える必要があること。
A 一方で、国鉄改革が、国民生活充実のための重要な手段としての鉄道の役割と責任を十分に果たすことができるよう国鉄事業を再生することを目的として、国民の理解と協力の上に行われたものであることを踏まえ、鉄道路線の適切な維持等、国鉄を引き継ぎ、鉄道輸送を行う公共輸送機関としての使命・役割を果たすことを担保する必要があること。
 その他、JR九州の株式については、国鉄に由来する国民共有の貴重な財産、いわば準国有資産であり、現在も政府に準ずる(独)鉄道・運輸機構が保有する公的な財産であること、その売却益は、旧国鉄職員の年金等の支払いや、引き続き特殊会社であるJR会社の経営自立に向けた支援等の使途があること等に鑑み、同社の株式売却においては、相応の売却益の確保を図る必要があることにも留意が必要である。

 上記の視点から考える際、特に経営安定基金の取扱い及びJR会社法上の取扱いが課題となる。

(2)経営安定基金の取扱い
 昭和62年の国鉄分割・民営化に際し、JR北海道、JR四国、JR九州の3社(以下「JR三島会社」という。)については、いずれも営業損益で赤字が生じることが見込まれたため、不採算路線も含め将来に亘り事業全体で採算が確保できるよう、発足時において長期債務を引き継がないこととした上で、将来における維持更新投資にも配慮して、なお生じる営業損失に対して何らかの措置を講じることが、安定的な経営を維持していくために必要とされた。
 その方法として、旅客鉄道会社の自立性を阻害し経営責任を曖昧にすることがないよう、毎年の営業損失を公的助成によって補填するのではなく、これらの営業損失を補填し得る収益が生み出される措置として、旧国鉄(日本国有鉄道清算事業団に移行)の負担により、JR三島会社の固有の資産(純資産)として、JR北海道には6,822億円、JR四国には2,082億円、JR九州には3,877億円の経営安定基金を置くこととされた。
 経営安定基金は、毎年基金から生み出される運用益によりJR三島会社の安定的な経営を維持していくために設置されたものであることから、その趣旨が損なわれることのないよう、JR会社法により、他の経理との区分、取崩禁止、確実有利な方法での運用が義務づけられている。JR九州は、この規制の枠組みの下で経営安定基金を運用し、年間120億円程度の運用益をあげているところである。
 全国を上回るペースで九州地域の人口減少が進行する中で、今後もJR九州が、不採算路線も含めた鉄道ネットワークを維持する責務を担っていくことに鑑みると、完全民営化後においても、経営安定基金の果たしている機能を引き続き維持する必要がある。
 しかしながら、経営安定基金を、取崩禁止等の規制が付された資産として、現行と同様の形で残すことについては、以下の二点の課題がある。
@ 完全民営化した後においても取崩禁止や運用に係る規制が付された資産、すなわち会社や株主が自由に処分することができない資産を持ち続けることになり、経営の自立性が損なわれること。
A JR九州の純資産の半分以上を占める経営安定基金が政府の規制の下にあることは、他の上場企業には見られない特殊な形態であり、投資家としても資産の評価が困難であること。
 このため、JR九州が有する経営安定基金については、同基金が、経営環境が厳しいJR九州の鉄道ネットワークの維持・向上を図るための収益調整措置として設置されたという趣旨を踏まえ、同基金が果たしている機能・目的を実質的に維持しつつ、JR九州の自主性を確保し、相応の売却益を得る方法として、
(1) 長期安定的な収益性を有する他の資産への振替
(2) 将来の鉄道ネットワークの維持・向上に必要な鉄道資産への投資に充てることが適切である。具体的な取扱いについては、以下のとおりであり、これにより当面必要となる費用の一部が賄われ、財務状況の改善につながることとなる。

【具体的な取扱い】
@ 九州新幹線貸付料の一括前払い
 JR九州の鉄道ネットワークの骨格としての機能を有し、安定的な収益を生む九州新幹線施設を長期継続して利用することが可能となるよう、JR九州が、九州新幹線開業以降、新幹線施設の保有主体である(独)鉄道・運輸機構に支払うこととされている貸付料(30年間)について、平成28年度以降の貸付料を一括して前払いすることとし、経営安定基金のうち2,205億円を当該費用に振り替える。
A 鉄道資産取得のために(独)鉄道・運輸機構から借り入れた無利子借入金の償還財源への振替JR九州の長期借入金のうち、安定的な収益を生む新幹線車両等の資産や今後の鉄道ネットワークの維持・向上に資する鉄道資産(PCマクラギ、バリアフリー設備等)などの資産の取得に充てるために、(独)鉄道・運輸機構から借り入れた無利子借入金を一括償還することとし、基金のうち800 億円を当該償還財源に振り替える。
B 鉄道ネットワークの維持・向上に必要な鉄道資産への振替上記@及びAに振替を行った残余の872億円については、今後もJR九州が鉄道ネットワークの維持・向上、鉄道安全に資する鉄道資産への投資を確実に行うことを確保するため、具体的な内容を明らかにした投資計画を事前に確認した上で、鉄道ネットワークの維持・向上や鉄道安全に資する施設等への投資資金に振り替える。

 以上の振替については、基金の設置の経緯及び趣旨を踏まえた振替が確実に行われるよう、法令において振替先を明確に定めておくことが適切である。さらに、上記Bの振替については、経営安定基金が、将来における維持更新投資にも配慮して設定されているという国鉄改革時の経緯に鑑み、JR九州に投資計画の作成を求め、国土交通大臣の承認を得ることとすることが適切である。

(3)JR会社法の取扱い
 現在、JR九州はJR会社法の対象として、長期借入金、代表取締役等の選任、事業計画、重要財産の処分、定款変更等について国土交通大臣の認可が必要となっている。これは、国鉄の鉄道事業を承継したJR各社が経営自立するまでの間の安定的な経営を確保するため、国の後見的な助成・監督を目的として実施されているものである。しかしながら、3.で述べたように、同社については、良好な経営状況を継続しており、一般的な民間会社と比べても遜色ない利益水準にあることから、国による後見的な助成・監督の必要性がなくなり、完全民営化の条件が整ったと判断されるため、経営の自由度を高め、また機動的な経営が可能となるよう、先に完全民営化を達成したJR本州三社と同様に、JR会社法の適用対象から除外することが適当である。
 JR九州がJR会社法の適用対象から除外されると、同社は長期借入金、代表取締役等の選任、事業計画、重要財産の処分、定款変更等に係る認可等、国による後見的な関与の対象から除外されることとなる。JR九州は、より機動的かつ自主的な経営を通じて九州各地の経済活性化や観光振興に貢献していくことが期待される。

 他方で、国鉄改革においては、国鉄の経営していた鉄道事業における利用者の利便の確保や適切な利用条件の維持と、地域の経済及び社会の健全な発展の基盤の確保を図る必要があることから、そのための事業運営を、JR会社法の枠組みの中で確保してきた。
 今般、JR九州についてJR会社法の適用対象から除外することとなるが、JR九州の鉄道事業に係る利用者の利便の確保や適切な利用条件の維持と、地域の経済及び社会の健全な発展のための基盤の確保を図るためには、なお当分の間、国鉄改革の経緯を踏まえた事業運営を担保する必要がある。
 このため、JR九州についても、先に完全民営化したJR本州三社と同様に、国鉄改革の経緯を踏まえ、
@ JR会社間における旅客の運賃及び料金の適切な設定、鉄道施設の円滑な使用等の鉄道事業に関する会社間における連携及び協力の確保に関する事項
A 国鉄改革実施後の輸送需要の動向その他の新たな事情の変化を踏まえた現に営業している路線の適切な維持や、駅その他の鉄道施設の整備に当たっての利用者の利便の確保に関する事項
B JR九州が事業を営む地域において、当該事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動に対する不当な妨害や利益の不当な侵害を回避することによる中小企業者への配慮に関する事項
について、JR九州が当分の間配慮すべき事項を「指針」として示し、指針を踏まえた事業運営を確保する必要があると認めるときには国土交通大臣が指導・助言を行い、正当な理由なく指針に照らして必要な事業経営を行っていないと認めるときには勧告・命令を行うことができることとすることが適切である。

(4)上場の時期
 昭和62年の国鉄分割・民営化により設立されたJR各社については、累次の閣議決定により「経営基盤の確立等諸条件が整い次第、できる限り早期に完全民営化する。」とされている。
 3.で述べたように同社については、良好な経営状況を継続しており、一般的な民間会社と比べても遜色ない利益水準にある。例えば、東京証券取引所での上場基準である連結決算での黒字が2 年合計で5 億円以上であること等に照らしても、上場に関し問題のない状況にあるといえるなど、JR九州は、国による後見的な助成・監督の必要性がなくなり、完全民営化の条件が整ったと判断される。
 また、JR九州自身も平成28年度を最終年度とする中期経営計画「つくる2016」において、「平成28 年度の株式上場の実現」を目標として掲げ、平成28年度を目がけた成長カーブを想定し、様々な施策を計画的に実行してきており、できる限り株価が高く評価される必要があることに鑑みても、JR九州の上場は、平成28 年度を目指すことが適当である。
 JR九州に対するJR会社法の適用を除外するとともに、JR本州三社と同様の指針の策定、さらには経営安定基金の取扱いを定めるJR会社法の改正案の国会への提出については、経営安定基金の取扱いを明確にした上で、投資家説明等を行う必要があり、また、経営安定基金の他の資産への振替、決算への反映、主要幹事証券会社の選定や、証券取引所による上場審査などの手続き等に概ね1年程度の時間がかかること等を考慮すると、平成28 年度中の完全民営化を果たすため、JR会社法改正案を平成27 年通常国会に提出し、成立を図る必要がある。


おわりに
 これまで検討してきたように、JR九州は、良好な経営状況を継続しており、一般的な民間会社と比べても遜色ない利益水準に立ち至っていることから、国による後見的な助成・監督の必要性がなくなり、完全民営化の条件が整ったと判断されるため、累次の閣議決定に基づき、平成27年通常国会にJR会社法改正法案を提出する等、JR九州の完全民営化に向けた手続きに着手することが適切である。
 完全民営化後も、JR九州は鉄道事業を中核とし、引き続き、安全を確保しつつ、鉄道サービスの維持・向上に努めることが期待される。
 九州全域に鉄道ネットワークを有するJR九州は、完全民営化を達成することで、自立した経営判断とより機動的な事業運営及び事業展開を実現し、地域社会と共生し、地域に愛される企業として、九州地域の経済発展及び観光振興にこれまで以上に貢献していくことが期待される。
NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.8763 (Re:8760) 【国土交通省】「JR九州完全民営化プロジェクトチーム」とりまとめ 4/4
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2015-01-27 21:53:52
別添2 4/3

【参考1】
ヒアリングにおける主な御意見


○交通サービスの提供者としてJR九州が果たしている役割について
●鉄道は、定時性や経済性に優れた輸送機関として、通勤・通学などに重宝されている。
●都市圏の通勤・通学輸送においては、新型車両の導入、新駅の開業等によって利便性が増しており、地域にとって必要不可欠なものとなっている。
●ローカル線は、いわゆる交通弱者の貴重な足であり、可能な限りネットワークの維持を図っていく必要がある。
●JR九州の鉄道ネットワークは、災害時における代替ルートや九州における基幹的物流ルートを形成するなど公共交通機関として大きな役割を果たしている。

○観光振興等の地域の活性化にJR九州が果たしている役割について
●D&S列車の活用等により九州域内の観光振興及び地域活性化が図られている。
●JR九州の鉄道ネットワークは、観光地間を結び周遊性を高める重要なインフラであるとともに、観光素材をつくり地域活性化に寄与する主体としての役割も果たしている。
●観光列車は外国人観光客にも魅力的であり、九州地域のインバウンド拡大の観点からも非常に有益である。
●鉄道独特の旅情は、地域の魅力向上に大きく貢献している。
●九州の人気観光地に観光客を運ぶ上で、鉄道は大きな役割を果たしている。
●中国や韓国に近いという立地を活かして、インバウンド対策による観光客増加が今後も期待される。
●JR九州のネットワークは、都市間輸送に大きな役割を果たしている。
●JR九州は、九州全域に鉄道ネットワークを持つ唯一の基幹交通事業者として路線の維持・発展に努めており、同社のネットワークは交流人口の拡大や地域経済を支える上で、大きな責任と義務を有している。
●九州地域の産業振興等を考える上で、定時運行が可能で、かつ安全性の高い鉄道ネットワークが果たす役割は大きい。
●一体となって発展する九州を目指し、九州の地方創生を実現するために、新幹線・主要幹線を基軸とした交通体系の維持・強化が重要である。
●駅を中心としたまちづくりが、周辺地域の活性化につながっている。
●鉄道はまちづくりの核であり、バスをはじめとした他の交通モードとの連携を進めて欲しい。
●JR九州が有する鉄道ネットワークは、九州域外からの流入人口を増加促進させる重要なインフラであるとともに、九州全域をつなぎあわせる重要な存在である。
●JR九州は九州全域にネットワークをもっており、これからの九州を引っ張っていく存在である。

○今後JR九州が果たすべき役割について
●高齢化の進展等により、自家用車によらない移動手段は今後ますます住民の生活に欠かせないものとなる。
●人口減少が進む一方で、県庁所在地など地方中核都市への経済集中が続くと予想されることから、その重要な機能である都市間と都市圏輸送の利便性向上に努める必要がある。
●運行ダイヤや施設・設備など、より一層旅行者にとっての利便性の高い交通ネットワークを目指すことが必要である。
●不採算路線も含め、JR九州が有する鉄道ネットワークの維持が重要である。
●上場後も不採算路線の維持をお願いしたい。近年バス運転手が減少しており、バス転換が以前より難しくなっている。
●現在有する都市間ネットワークの維持のため、JR各社や民鉄、第三セクター鉄道、生活バス路線等の他交通事業者とも積極的に連携すべきである。
●国土強靱化等の観点から災害に強い鉄道を実現する必要がある。
●JR九州は安全についても真摯に取り組んでおり評価できる。

○JR九州の経営状況・財務状況の現状と見通しについて
●JR九州は、関連事業や観光振興に向けた取組みなど、これまで多大な経営努力を重ねており、評価できる。
●現在、JR九州は民営化していないが、すでにJR本州三社と同様に事業を行っており、完全民営化に伴うデメリットもないのではないか。今後民営圧迫もないだろう。
●JR九州の現在の事業実態では、配当原資に充てるだけの十分な資力がないため、既存在来線の切り捨てを行うなどの懸念があり、完全民営化については時期尚早ではないか。
○経営安定基金の取扱いについて
●経営安定基金は、JR九州にとっては引き続き必要であり、今後の扱いについては長期に亘り検討・判断が必要である。
●経営安定基金を維持すると、JR九州の財務諸表が上場企業では他に見られない特殊なものになってしまう。
●JR九州の鉄道ネットワークは九州が地方創生を実現していく上で不可欠な社会インフラであり、同社が健全な鉄道事業を継続できるよう引き続き同社に対する支援をお願いしたい。
●JR九州の株式上場後も経営安定基金の維持を認め、赤字ローカル路線の維持をすべきである。

○JR会社法の取扱いについて
●JR会社法の適用除外となることで、代表取締役等の選任等に関して国の認可が不要となり、経営の自由度が向上し、よりスピーディで機動的な事業運営が可能となる。また、透明性の向上等、規律ある経営の推進が図られる。
●民間会社として、経営者や社員のモチベーションの拡大につながる。
●代表取締役、監査役の選任等に関して国の認可が不要となり、経営責任がより明確化する。
●完全民営化により、列車の増便等の地域ニーズに応じたダイヤ編成やICT化の進展に伴う鉄道利用者の利便性の向上その他きめ細やかなサービスの充実が期待される。
●民営化後、JR九州が新しい分野や事業に進出した場合、競合となる零細企業は圧迫される懸念がある。
●中小企業への配慮として民営化後のJR九州に対し、ある程度の規制は必要であろう。
●民営化後も、公共交通の中心的担い手として高齢者や生活弱者、中小事業者への配慮を忘れることなく事業に取り組んでもらいたい。
●上場後、単に効率性や採算性のみの理由で鉄道事業が縮小されることは、地域住民のニーズにそぐわない。
●完全民営化により、株主優先となり利潤の追求が厳しくなることで、利益の大きい人口集積地に投資が集中し、地域間格差の拡大や、場合によっては廃線の可能性が増大することが懸念される。

○上場の時期について
●中期経営計画の目標にも掲げているとおり、遅くとも平成28年度までには、上場を実現したい。
●JR九州は企業として九州全体のネットワークを考えられる数少ない企業のうちの一つであり、これからの九州を引っ張っていく存在。
●JR九州は「なんでもやってみろ」という企業風土をもち、伸びている人にチャンスを与えている。今後の成長が楽しみな企業である。


【参考2】

     JR九州完全民営化プロジェクトチーム 構成員一覧


鉄道局長                             藤田 耕三
鉄道局次長                            篠原 康弘
鉄道局総務課長                          松本 年弘
鉄道局企画室長(兼 鉄道サービス政策室長)            澤井 俊
鉄道局幹線鉄道課長                        石井 昌平
鉄道局鉄道事業課長                        大石 英一郎
鉄道局鉄道事業課地域鉄道政策室長                 黒川 慎一
鉄道局鉄道事業課JR担当室長                   三輪田 優子
九州運輸局長                           竹田 浩三
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構理事          神山 和美
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構経営自立推進統括役   加賀 至
独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構経営自立推進・財務部長 橋本 亮二


【参考3】JR九州完全民営化プロジェクトチーム 開催実績

平成26年10月 2日(木) 第1回検討会
            経営状況及び完全民営化に向けた課題について
            今後の検討の進め方について

平成26年10月16日(木) 第2回検討会
            関係者からのヒアリング
            ・一般社団法人九州観光推進機構
            ・九州旅客鉄道株式会社

平成26年10月29日(水) 第3回検討会
            関係者からのヒアリング
            ・いわさきコーポレーション株式会社
            ・西日本鉄道株式会社

平成26年11月10日(月) 第4回検討会
            関係者からのヒアリング
            ・JR九州第三者委員会

平成26年11月11日(火) 第5回検討会
            関係者からのヒアリング
            ・九州経済連合会
            ・九州商工会議所連合会

平成26年11月18日(水) 第6回検討会
            関係者からのヒアリング
            ・肥薩おれんじ鉄道
            ・平成筑豊鉄道

平成26年11月21日(金) 第7回検討会
            経営安定基金の取扱いについて@

平成26年12月22日(月) 第8回検討会
            経営安定基金の取扱いについてA

平成27年 1月13日(火) 第9回検討会
            とりまとめ(案)について@

平成27年 1月19日(月) 第10回検討会
            とりまとめ(案)についてA

※その他、九州七県(福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県)からもアンケート形式にて御意見を聴取した。
NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.8870 (Re:8760) 【国土交通省】JR法の一部改正案を閣議決定
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2015-02-27 21:56:19
[出典:国土交通省ホームページ]
国土交通省                            Press Release
Ministry of Land, Infrastructure, Transport and Tourism

                              平成27年2月27日
                              国 土 交 通 省

  旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の一部を改正する
               法律案について


      標記法律案が本日閣議決定されましたので、お知らせいたします。

1.背景
 JR各社については、累次の閣議決定により「経営基盤の確立等条件が整い次第、できる限り早期に完全民営化する」こととされている。九州旅客鉄道株式会社については、経営の効率化や多角化を進め、近年では安定的に経常黒字を計上し、他の鉄道会社と比べても遜色ない経営状況にある。
 このような状況から、同社の経営基盤は確立したと言える状況にあり、早期に完全民営化に向けた手続を進める必要がある。また、完全民営化後も、九州の基幹的輸送機関として、必要な鉄道ネットワークを維持するための措置を講じる必要がある。

2. 概要
(1) 九州旅客鉄道株式会社を、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律の適用対象から除外する。
(2) 国土交通大臣は、路線維持や利用者利便の確保等について、九州旅客鉄道株式会社が完全民営化した後も事業運営上踏まえるべき指針を策定し、必要な場合には勧告、命令等を行うことができることとする。
(3) 九州旅客鉄道株式会社の経営安定基金については、完全民営化後も同基金が果たしている路線維持等の機能を実質的に確保するため、その全額を取り崩し、事業の運営に必要な費用に充てることとする。

3.閣議決定日
 平成27年2月27日(金)

注:添付資料は省略しますが、次のURLで見ることができます。
 http://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo05_hh_000061.html