NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.851 【JR東海】定例社長会見(平成20年3月・名古屋)
ほりうち(ccbu8181) 2008-03-18 23:12:42
JR東海 ニュースリリース

平成20年3月18日

 定例社長会見(平成20年3月・名古屋)



在来線車両における安全対策工事の完了について

当社では福知山線脱線事故以降の対策として、運転情報記録装置、緊急列車停止装置、緊急防護装置、防護無線バックアップ電源を取り付ける工事を行ってきたが、予定通りに工事が進捗し、平成20年3月31日に全ての工事が終了する見込みとなりましたのでお知らせします。

4つの改良工事を平成17年12月から始め、ほぼ2年3ヶ月で運転席のある電車・気動車834両の全てにこれらの安全装置が搭載されることになり、併発事故防止や、事故の解析等において一層の機能向上が図られます。

運転情報記録装置とは、列車速度、非常ブレーキ操作、ATS動作などの運転情報を、運転士が携帯するICカードに記録する装置であり、この装置により運転事故等の原因究明の迅速化が図られます。この改良により設置率が31% → 100%になります。

緊急列車停止装置(EB)とは、車両走行中に60秒間、運転士が一度も機器を扱わなかった場合に警報を発して運転士に注意を促し、その後、さらに5秒間、何の機器も扱わなかった場合に非常ブレーキが動作する装置であり、運転士が何らかの異常により運転操作が出来なくなった場合による事故防止が図られます。この改良により設置率が74% → 100%になります。

緊急防護装置(TE)とは緊急に列車の停止を行う必要がある場合、所定の押しボタンスイッチを押すことにより非常ブレーキ動作、パンタグラフ降下などの操作が行われると同時に汽笛吹鳴、信号炎管点火、防護無線発報を行い、対向列車などへ緊急警報を発して列車防護が図られます。この改良により設置率が65% → 100%になります。

防護無線バックアップ電源とは列車が脱線転覆等の大規模な事故が発生した際に、列車分離等により防護無線の電源が断たれるような事象が発生した場合でも、自動的にバックアップ電源に切り替り、列車防護が確実に行われます。この装置は新設です。

在来線は現在も、既にお知らせしているATS(自動列車停止装置)をST形からより保安度の高いPT形に取替える工事などを行っており、今後もより一層安全安定輸送に向けた取り組みを引き続き行っていきます。


駿河区中田(静岡市)社宅跡地開発計画について

駿河区中田社宅跡地開発計画について、計画の概要が固まったのでお知らせします。

全体で約15,000m2の敷地を2つに分けて、それぞれ分譲マンション、商業施設として開発を行います。

左側の周辺図にあるように、同社宅跡地は、JR静岡駅から約1,400m(徒歩約18分)に位置し周囲は閑静な住宅街です。付近にはセントラルスクエア静岡などがあり、幹線道路にも近く便利なところです。

この敷地の南側約9,000m2のエリアには、約180戸の分譲マンションを建設します。全戸が南東もしくは南西向きで、全戸数を上回る駐車場を完備するなど、当該地域にふさわしい、ゆとりのあるマンションとする予定です。

この事業は当社グループである「ジェイアール東海不動産」および「積水ハウス」が共同して行います。

また、北側約6,000m2のエリアには、商業施設を開発しまう。ここには、株式会社ユーストアによる食品スーパーを核とする店舗が出店する予定です。

分譲マンションについては、平成22年春と秋の2回に分けて引渡しを開始します。商業施設については一部を除き平成22年春に開業する予定です。

地域の皆様方にご購入、ご利用いただけるよう、当社グループを挙げて取り組んでいきます。


株式会社ジェイアール東海ウェルの営業開始について

障がい者雇用を主な目的として「(株)ジェイアール東海ウェル」を設立することについて、平成18年9月にご報告しましたが、いよいよ4月1日から本格的に営業を開始することとなったのでお知らせします。

当社はこれまでも障がい者雇用に積極的に取り組んできましたが、より様々な障がいを持った方々を雇用すべく、同社を平成18年10月に設立しました。

同社の主な事業は、当社のパンフレット類や名刺を中心とした印刷及び社内誌や出向者向け発送物の封入・封かん業務などです。

社員数は、障がい者15名を含む全27名です。社屋は本年1月25日に竣工し、現在は一部社員が社屋にて営業開始に向けた準備を進めています。

「(株)ジェイアール東海ウェル」の運営を軌道に乗せ、より多くの障がい者を雇用していきたいと考えています。


在来線レール運搬用気動車の完成について

当社では、平成18年11月にお知らせした通り、これまでレールの輸送に用いてきた機関車と専用の貨車を気動車タイプのレール運搬車に置き換える計画を進めてきました。このレール運搬用気動車がこのたび完成したのでお知らせします。

一部私鉄では、電車方式の使用はありますが、大半が機関車による牽引方式です。今回のようにレール運搬を気動車で行うのは初めての試みであり、このレール運搬用気動車の実用化により、在来線12線区で夜間を中心に実施しているレール交換に伴うレール輸送のさらなる効率化と作業性の向上が図れます。

気動車タイプとすることで最高速度が、これまでの75km/hから110km/hに向上し、現地までの運搬時間の短縮及び修繕費の節減、方向転換等に伴う牽引車両の入換作業が不要などのメリットがあります。

定尺レール運搬車は、1本当り長さ25mの定尺レールを2両で運搬するもので、4編成製作しました。積載量は25mの定尺レールを最大46本・約55t積載することが出来ます。この車両は昨年12月に完成し、現在試験運転を行っており、今年の4月から運用を開始する計画です。

また、ロングレール運搬車は、1本当り長さ200mのロングレールを運搬するもので、1編成、13両製作しています。13両のうち8両に動力を持たせ、残りは動力のない付随車です。積載量は200mのロングレールを最大16本・200t積載することが出来ます。この車両は3月中に完成し、4月から6月にかけて試験運転を行い、今年の7月から運用を開始する計画です。