NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.661 【JR東海】自己負担を前提とした東海道新幹線バイパス、即ち中央新幹線の推進について(1/2)
ほりうち(ccbu8181) 2007-12-26 14:31:38

(財)財務会計基準機構会員
平成19年12月25日

各位

会社名  東海旅客鉄道株式会社
代表者名 代表取締役社長 松本 正之
(コード番号 9022 東証、大証、名証各第1 部)
問合せ先 取締役広報部長 宮澤 勝己
(TEL. 052-564-2549)


 自己負担を前提とした東海道新幹線バイパス、即ち中央新幹線の推進について


 当社は、本日開催された取締役会において、以下の三つの事柄について決定いたしました。


1.当社は、超電導リニアによる東海道新幹線バイパスについて、「先ずは第一局面として首都圏〜中京圏間の営業運転開始を21世紀の第1 クォーターである2025年を目標に自らのイニシアティブのもとに推進・実現する」方向で検討を進めてきましたが、現時点で考えられる前提条件を置いて検討した結果、この第一局面としての路線(以下、「バイパス」という。)の建設について、全国新幹線鉄道整備法(以下、「全幹法」という。)による中央新幹線として自己負担で行うことが、安定配当を前提とした当社の長期持続的な安定経営に資すると判断し、今後は「自己負担」を前提に手続き等を進めることとします。


≪長期試算見通しからの結論≫

◎今後、安全・安定輸送の確保と競争力強化に必要な投資を行いつつ、自己負担を前提にバイパスを推進しても、開業前後を通じて安定配当を確保でき、経営環境の変化にも対応していくことが可能と判断しました。

即ち、

<開業前>

○安全・安定輸送の確保と競争力強化に必要な投資を行いつつ、バイパス建設を進めることにより、当社の長期債務は徐々に増加するが、健全経営を維持し安定配当を継続できる利益水準を確保することができる。


<開業後>

○長期債務残高は、開業年度(2025年度)のピークにおいても4.9兆円と5 兆円を切る水準(1991年度のピーク時は5.4 兆円)である。その後は、毎年度4,000億円前後の営業キャッシュフローをもとに、これまで以上のペースで縮減でき、開業8年目には現在の水準に戻る。

○経常利益のレベルは、バイパスの運営費と償却費負担が平年度化する2026年度で700億円程度になり(1998、99年度とほぼ同じ水準)、以後の債務縮減等に伴って黒字が徐々に増加し、2026〜35年度の10年間の平均では1,400億円程度となる。



NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.662 (Re:661) 【JR東海】自己負担を前提とした東海道新幹線バイパス、即ち中央新幹線の推進について(2/2)
ほりうち(ccbu8181) 2007-12-26 14:32:13

(注)主要な前提条件

1)収入

・バイパス開業までは、2007年度計画並みの営業収益で一定とし、開業後は、首都圏〜中京圏間の5 割程度の時間短縮効果による運賃料金体系の見直しや関東〜関西・山陽の航空旅客の転移などにより、開業初年度で開業前と比較して5%増、以後10年間は徐々に伸びて10%まで増え、その後は一定で計算。


2)費用

・バイパスに関しては、工事・教育訓練があることから要員を開業前から徐々に採用していくほか、開業直前2年間に訓練・試運転費用を計上し、開業後は運営費、減価償却費、固定資産税(※)などの必要額(2026年度で3,300 億円程度)を計上。
(※)固定資産税で整備新幹線と同様の特例を見込む。

・新幹線と在来線については、バイパス開業後も含めて、現行程度の要員規模と運営費を計上。


3)設備投資

・新幹線と在来線については、バイパス開業前は必要な維持更新投資と競争力強化に必要な増強や、定期「のぞみ」のオールN700系化などの投資及び山梨実験線への投資を織り込み年平均2,000億円程度とし、開業後は維持更新に必要な1,300億円程度を計上。

・バイパスについては、超電導リニアによる約290kmの路線と置き、路線建設費と車両費で5.1兆円程度と考え、地域負担を前提とする中間駅及びそれに関連する費用は織り込んでいない。なお、開業後は設備の維持更新に必要な投資を計上。



2.当社は、自己負担を前提として東海道新幹線バイパスの第一局面を実現すべく、中央新幹線としての全幹法第5条の残余の調査の指示を可能な限り早期に受けたいと考えています。


3.当社は、東海道新幹線バイパスとしての機能を、現在、全幹法第5 条の地形、地質等調査指示を受けている中央新幹線として実現するにあたり、自己負担で推進する際の全幹法の適用にかかる基本的な事柄について確認しておくことが必要である(注)と考え、国土交通省に照会します。

(注)当社としては、全幹法がこれまで自己負担を前提とした民間企業に適用されたことのない法律であり、設備投資の自主性、経営の自由など、民間企業として当たり前のことが、この法律によって阻害されることがないかどうかに関する法律の解釈について確認するものです。