NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.2791 【JR東海】中央新幹線(東京都・大阪市間)調査報告書の提出について(1/6)
ほりうち(ccbu8181) 2009-12-24 16:38:42
JR東海 ニュースリリース

2009.12.24
中央新幹線(東京都・大阪市間)調査報告書の提出について


 中央新幹線(東京都・大阪市間)調査報告書の提出について別紙のとおりお知らせします。


※詳細は別紙をご覧下さい。

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No.2792 (Re:2791) 【JR東海】中央新幹線(東京都・大阪市間)調査報告書の提出について(2/6)
ほりうち(ccbu8181) 2009-12-24 16:39:23

中央新幹線(東京都・大阪市間)調査報告書の提出について



平成21年12月24日

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
東海旅客鉄道株式会社


 全国新幹線鉄道整備法第5条に基づき、平成20年12月24日に、国土交通大臣から「中央新幹線東京都・大阪市間の調査について」により調査指示のあった4項目の調査について、本日、国土交通大臣に報告書を提出いたしました。
 報告書の記載事項のポイントは、以下の通りです。


 報告書の記載事項のポイント


I.まえがき

(1)調査項目は、1) 輸送需要量に対応する供給輸送力等に関する事項、2) 施設及び車両の技術の開発に関する事項、3) 建設に要する費用に関する事項、4) その他の必要な事項、である。

(2)調査指示を踏まえ、ルート、駅等に関し、地域との調整を図った。



II.本編

1.調査の進め方

(1)調査を進めるにあたり、建設費、輸送需要量等のデータは、地形、地質等調査で設定した調査範囲に対応する3つのルートそれぞれについて、走行方式(超電導リニア、在来型新幹線)ごとに算出した。

※甲府市附近・名古屋市附近間において以下の3つの調査範囲を通るルート

1) 木曽谷ルート:甲府市附近から木曽谷を経て名古屋市附近へ至る調査範囲
2) 伊那谷ルート:甲府市附近から伊那谷を経て名古屋市附近へ至る調査範囲
3) 南アルプスルート:甲府市附近から南アルプスを経て名古屋市附近へ至るルート


(2)各ルートの路線の長さ及び所要時分は「別紙」の通りであり、また、駅については、各都道府県に1駅ずつ設置することを前提とした。



2.輸送需要量に対応する供給輸送力等に関する事項

(1)ルート・走行方式ごとに算出した輸送需要量は「別紙」の通りである。

(2)これに対応する供給輸送力、すなわち列車本数は1日平均260本(上下計)、1時間あたり片道最大8本である。また、この供給輸送力の確保は、いずれの走行方式においても、技術的に十分実現可能である。

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No.2793 (Re:2791) 【JR東海】中央新幹線(東京都・大阪市間)調査報告書の提出について(3/6)
ほりうち(ccbu8181) 2009-12-24 16:40:16

3.施設及び車両の技術の開発に関する事項

(1)超電導リニアについては、多くの技術項目において、すでに実用化に必要な技術が確立している。また、残る項目についても、すでに実用化に必要な技術の確立の見通しが得られ、今後、運営マニュアルの整備等を行った上で最終確認を実施する段階に到達している。こうした技術の進捗については、技術評価委員会によって確認・評価されている。
 在来型新幹線については、すでにN700系車両等による300km/h運転が実現しており、高速輸送の技術が確立している。また、さらなる速度向上のための取り組みが行われている。

(2)長大山岳トンネル、大深度地下トンネルの施工については、地形、地質等調査において、十分な検討を行い適切な施工方法を選択することにより可能である、と報告している。
 大深度地下トンネルでの安全対策については、学識経験者等で構成される委員会において、国が定める指針において要求される安全水準を確保できると考えられる旨の評価を得ている。


4.建設に要する費用に関する事項

 ルート・走行方式ごとに算出した建設費(工事費と車両費の合計)は「別紙」の通りである。


5.その他必要な事項

 いずれのルート・走行方式においても、電源の確保が可能である。


6.地域との調整

(1)地域との調整については、調査指示の直後から約1年間かけて進めた。具体的には、沿線の都府県に、超電導リニアの技術の特性と現状、超電導リニアの駅の構造、イメージ及び立地条件に関する考え方等の基本的な事項、前述の建設費等のデータ、維持運営費及び設備更新費(「別紙」)について説明及び意見交換を行った。また、これらについて、県が開催する説明会において、期成同盟会等への説明等を行った。その後さらに、標準的な駅の建設費及び本調査報告書の骨子等について説明等を行った。

(2)上記の説明及び意見交換の中で、地域から主に「別紙」の意見があった。

(3)これを踏まえて、JR東海は、超電導リニアによる中央新幹線の営業主体及び建設主体となる意志を表明している立場から、今後も関係する地域との話し合いを継続する旨を表明した。


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No.2794 (Re:2791) 【JR東海】中央新幹線(東京都・大阪市間)調査報告書の提出について(4/6)
ほりうち(ccbu8181) 2009-12-24 16:41:08

7.総括

(1)技術開発

 超電導リニアについて、超高速大量輸送システムとして運用面も含めた実用化の技術の確立の見通しが得られており、営業線に必要となる技術が網羅的、体系的に整備され、今後詳細な営業線仕様及び技術基準等の策定を具体的に進めることで可能な段階に達している。また、在来型新幹線について、すでに300km/hでの営業運転の実績が積み重ねられている。このほか、山岳トンネルや大深度地下トンネルの施工技術、さらには、大深度地下トンネルにおける安全対策についても、中央新幹線の実現に向けて障害となる問題はない。


(2)走行方式

 技術的観点からは、上記(1)に記載の通り、超電導リニア、在来型新幹線ともに、実現可能である。
 走行方式間の比較について、超電導リニアは、いずれのルートにおいても、建設費、維持運営費等が在来型新幹線を上回るものの、所要時分を大幅に短縮することが可能であり、これに伴い、輸送需要量についても在来型新幹線の約2倍になる利点がある。なお、沿線の都府県も超電導リニアによる中央新幹線の整備を望んでいる。


(3)ルート

 技術的観点からは、3つのルート全てについて建設可能である。
 ルート間の比較については、南アルプスルートの路線の長さがトンネル区間、明かり区間ともに最も短いため、必要となる用地、土木構造物、電気設備等の施設及び車両等が最も少なくなることから、建設費、維持運営費及び設備更新費が最小となる。さらに、所要時分が最も短いことから、輸送需要量が最大となる。


(4)地域との調整

 地域との調整については、沿線の都府県に対して、超電導リニアの技術開発、駅の構造や立地条件に関する考え方等の基本的な事項、ルート別の建設費、輸送需要量のデータなど、ルート、駅等に関する事項について説明を行い、意見交換を行うとともに、必要に応じて期成同盟会等に対して説明し、意見交換を行った。
 また、JR東海は、超電導リニアによる中央新幹線の営業主体及び建設主体となる意志を表明している立場から、今後も関係する地域との話し合いを継続する旨を表明した。



III.資料編

 各データの算出の考え方、東京都・名古屋市附近間のデータ(「参考」)、輸送需要量の分析、地域との調整の実績、施設及び車両の技術の開発に関する調査の基盤とした各委員会の評価について記載した。

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No.2795 (Re:2791) 【JR東海】中央新幹線(東京都・大阪市間)調査報告書の提出について(5/6)
ほりうち(ccbu8181) 2009-12-24 16:42:05

別紙

◎ 東京都・大阪市間のデータ

┌─────────────────────┬───┬───┬───┐
|                     |木曽谷|伊那谷|南アル|
|                     |ルート|ルート|プスル|
|                     |   |   |ート |
├──────────────┬──────┼───┼───┼───┤
|路線の長さ(共通)      |km     |  486|  498|  438|
| ┌─────┬──────┼──────┼───┼───┼───┤
| |明かり区間|超電導リニア|〃     |  170|  170|  126|
| |     ├──────┼──────┼───┼───┼───┤
| | (再掲) |在来型新幹線|〃     |  156|  153|  123|
└─┴─────┴──────┴──────┴───┴───┴───┘
┌─┬────────────┬──────┬───┬───┬───┐
|超|所要時分(速達列車)   |分     |  73|  74|  67|
|電├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
|導|輸送需要量(平成57年)  |億人キロ/年|  396|  392|  416|
|リ├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
|ニ|建設費(工事費+車両費) |億円    |95,700|96,800|90,300|
|ア├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
| |維持運営費(年間)    |〃     | 3,290| 3,330| 3,080|
| ├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
| |設備更新費(50年累計)  |〃     |64,900|65,800|60,400|
| | ┌──────────┼──────┼───┼───┼───┤
| | |1年あたり     |〃     | 1,300| 1,320| 1,210|
└─┴─┴──────────┴──────┴───┴───┴───┘
┌─┬────────────┬──────┬───┬───┬───┐
|在|所要時分(速達列車)   |分     |  128|  131|  120|
|来├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
|型|輸送需要量(平成57年)  |億人キロ/年|  198|  190|  219|
|新├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
|幹|建設費(工事費+車両費) |億円    |71,400|72,000|68,300|
|線├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
| |維持運営費(年間)    |〃     | 1,890| 1,920| 1,770|
| ├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
| |設備更新費(50年累計)  |〃     |31,300|31,600|28,800|
| | ┌──────────┼──────┼───┼───┼───┤
| | |1年あたり     |〃     |  630|  630|  580|
└─┴─┴──────────┴──────┴───┴───┴───┘
注.消費税を除いたデータである



◎ 地域の主な意見

 沿線の都府県への説明及び意見交換に際して、愛知県を始め全ての都府県から、超電導リニアによる中央新幹線の早期実現を望むとの表明があった。

 ルート、駅については、長野県から、平成元年6月のリニア中央エクスプレス建設促進長野県協議会総会において、県内は伊那谷ルートと決議した経緯があり、伊那谷ルートで県内複数駅を要望する声が多い一方で、南アルプスルートによる早期の実現を望む声もある旨の意見があった。さらに、南アルプスの長大山岳トンネルの実現可能性、ルート別の長野県内駅の乗降人員数の差異やその結果を踏まえた既設路線の将来像を考慮した地域振興のあり方等についてさらに慎重な検討を求める意見も多く寄せられた。これらを踏まえ、長野県としては、ルート、駅等について、調査報告書の提出後も引き続き調整を求める旨の意見があった。

 また、神奈川県、山梨県、岐阜県から、駅の建設費用負担等について、引き続き調整を求める旨の意見があったほか、東京都から、ターミナルとなる都内駅の設置について調整を求める旨の意見があった。

 三重県、奈良県、大阪府からは、名古屋以西についても、名古屋までと同様の手法による早期整備を求める旨の意見があった。

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No.2796 (Re:2791) 【JR東海】中央新幹線(東京都・大阪市間)調査報告書の提出について(6/6)
ほりうち(ccbu8181) 2009-12-24 16:42:56

参考

◎ 東京都・名古屋市附近間のデータ

┌─────────────────────┬───┬───┬───┐
|                     |木曽谷|伊那谷|南アル|
|                     |ルート|ルート|プスル|
|                     |   |   |ート |
├──────────────┬──────┼───┼───┼───┤
|路線の長さ(共通)      |km     |  334|  346|  286|
| ┌─────┬──────┼──────┼───┼───┼───┤
| |明かり区間|超電導リニア|〃     |  98|  98|  54|
| |     ├──────┼──────┼───┼───┼───┤
| | (再掲) |在来型新幹線|〃     |  87|  84|  54|
└─┴─────┴──────┴──────┴───┴───┴───┘
┌─┬────────────┬──────┬───┬───┬───┐
|超|所要時分(速達列車)   |分     |  46|  47|  40|
|電├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
|導|輸送需要量(平成37年)  |億人キロ/年|  156|  153|  167|
|リ├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
|ニ|建設費(工事費+車両費) |億円    |59,600|60,700|54,300|
|ア├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
| |維持運営費(年間)    |〃     | 1,770| 1,810| 1,620|
| ├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
| |設備更新費(50年累計)  |〃     |34,700|35,600|30,500|
| | ┌──────────┼──────┼───┼───┼───┤
| | |1年あたり     |〃     |  690|  710|  610|
└─┴─┴──────────┴──────┴───┴───┴───┘
┌─┬────────────┬──────┬───┬───┬───┐
|在|所要時分(速達列車)   |分     |  87|  90|  79|
|来├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
|型|輸送需要量(平成37年)  |億人キロ/年|  72|  68|  82|
|新├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
|幹|建設費(工事費+車両費) |億円    |46,900|47,400|44,200|
|線├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
| |維持運営費(年間)    |〃     | 1,120| 1,140| 1,030|
| ├────────────┼──────┼───┼───┼───┤
| |設備更新費(50年累計)  |〃     |18,900|18,900|17,000|
| | ┌──────────┼──────┼───┼───┼───┤
| | |1年あたり     |〃     |  380|  380|  340|
└─┴─┴──────────┴──────┴───┴───┴───┘
注.消費税を除いたデータである