ほりうち(ccbu8181) 2009-05-01 20:30:03 |
小田急電鉄株式会社 CSR・広報部
ODAKYU NEWS RELEASE http://www.odakyu.jp/ 第09−2号 2009.4.30 2009年度の鉄道事業設備投資計画 輸送サービスの向上に384億円 小田急電鉄株式会社(本社:東京都新宿区 社長:大須賀 頼彦※)では、お客さまに安心、便利、快適にご利用いただくため、鉄道事業の設備増強を積極的に進めています。2009年度も「輸送力の増強」「安全対策の強化」「サービスの向上」「環境対策の推進」を4本の柱に、総額384億円にのぼる設備投資を実施します。 2009年度の鉄道事業設備投資計画の概要は、次のとおりです。 記 1.輸送力の増強 ○複々線化事業の推進(東北沢〜和泉多摩川間10.4km) 現在工事中の東北沢〜世田谷代田間(1.6km)では、今年度、シールドトンネルの構築が完了するほか、今後の駅部構築に向けたシールドトンネルの切り拡げ工事の準備や、開削工事に必要な土留め工事を行います。当区間が完成すると、列車の増発が可能となり、朝のラッシュピーク時間帯における混雑の緩和や、さらなる所要時間の短縮が実現します。引き続き、1日も早い完成を目指して工事を推進してまいります。 (複々線化事業の進捗状況は別紙をご参照ください。) 2.安全対策の強化 (1) D−ATS−P※の導入 列車運行の安全性を一層高めるため、現在使用しているATSに替え、連続的で細かい速度制御により、急曲線、下り勾配等の制限速度の設定が可能となる、より安全性の高い新たな列車制御システム(D−ATS−P)の全線設置を目指しています。今年度は、多摩線において設置工事に着手するほか、引き続き車両搭載設備の設置を進めます。 ※D−ATS−P:Digital Automatic Train Stop Pattern の略 (2) 踏切の視認性向上 踏切の視認性向上を図るため、警報装置を踏切の上に設置する「オーバーハング型踏切警報装置」を新たに1カ所(鶴間1号踏切)に設置します。 (3) EB装置の設置 運転士の不測の事態に備え、運転士が1分以上運転動作をしないと非常ブレーキがかかるEB装置(運転士異常時列車停止装置)の設置を進めます。 (4) 自然災害に備えた対策の推進 1) 地震・気象情報監視システムの使用開始 地震計の更新・オンライン化を進めるほか、雨量計、レール温度計の増設、河川水位計、監視カメラの新設を行い、今年度中に「地震・気象情報監視システム※」の使用を開始します。これにより、運輸司令所などでリアルタイムに監視できる地点が拡大され、安全性が一層向上します。 ※地震計、風速計、雨量計、レール温度計、水位計、河川監視カメラを運輸司令所などでリアルタイムに監視できるシステム。 2)耐震補強の推進 大規模地震に備え被害を最小限に抑えるため、新宿・代々木上原・本厚木・小田急永山駅において耐震補強工事を実施します。 3)法面防護および電気融雪器設置の推進 自然災害による被害を極力抑えるため、螢田駅〜足柄駅間で法面防護工事を実施します。 また、ポイント凍結を防止するため、電気融雪器の設置工事を進めます。 ※「頼」の旁(つくり)は、正しくは「刀」の下に「貝」 |
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ほりうち(ccbu8181) 2009-05-01 20:31:00 |
3.サービスの向上 (1) 車両の製造とリニューアル 1)ロマンスカー・MSEの製造 東京メトロ線内の運行に必要な設備を備えたロマンスカー・MSE(6両編成×1本、合計6両)を製造します。 2)4000形通勤車両の製造 5000形通勤車両の代替として、通勤車両4000形(10両編成×4本、合計40両)を製造します。 3)通勤車両のリニューアル 8000形通勤車両(6両編成×1本、4両編成×2本、合計14両)をリニューアルし、車いすスペース、車内LED表示器、自動放送装置を設置します。あわせて、車両搭載機器の更新により、省エネ化や走行音の低減を図ります。 (2) 駅施設のバリアフリー化の推進 1)エレベーター、スロープの設置 エレベーターを2駅に計3基設置するほか、段差解消のためスロープを代々木八幡駅に設置します。これにより、複々線化工事中の下北沢駅を除く全駅で、駅係員等の介助なく改札からホームまで段差なく移動することができるようになります。 【エレベーター】 ┌─────┬──┬─────┬────────┐ |設置駅 |基数|設置場所 |備考 | ├─────┼──┼─────┼────────┤ |南新宿 | 2|上下ホーム|新設・11人乗り| ├─────┼──┼─────┼────────┤ |世田谷代田| 1|上りホーム|増設・11人乗り| └─────┴──┴─────┴────────┘ 2)多目的トイレの設置 車いすをご利用のお客さまやオストメイト※のお客さま、乳幼児をお連れのお客さまにも安心してご利用いただける多目的トイレを南新宿駅に設置します。これにより、小田急線全70駅にオストメイト対応の多目的トイレの設置が完了します。 ※人工肛門や人工ぼうこうをお持ちの方 3)触知案内板の設置 目の不自由なお客さまにも安心してご利用いただけるよう、駅構内のホームやエレベーター、トイレ等の施設を点字でご案内する駅構内触知案内板を10駅10カ所に、トイレ触知案内板を11駅11カ所に設置します。 4)ホームの改修 南新宿・鶴川・玉川学園前・厚木・足柄駅でホームのかさ上げを実施します。これにより、車両とホームの段差が緩和され、より安全かつスムーズにご乗降いただけるようになります。 (3) 駅の施設・設備の改良およびサービス改善 1)駅施設の改良 海老名駅では、大規模改良工事を推進しており、今年度も引き続き自由通路および駅舎部分の整備を進めます。なお、事業完了は、2010年度を予定しています。 2)行先案内表示器の更新・増設 行先や発車時刻などをご案内する表示器について、より視認性の高いものに順次更新していきます。今年度は、代々木上原・相模大野駅の表示器を更新するほか、小田原駅に増設します。 4.環境対策の推進 (1) 全密閉式の主電動機(モーター)の導入 リニューアルを実施する8000形通勤車両3編成と3000形通勤車両1編成で、従来の主電動機よりも走行音が低減される全密閉式の主電動機※に更新します。 ※モーター内部の回転音やファンの風切り音が外に漏れにくいよう、外気と完全に遮断した構造になっており、従来のものと比べて3dB程度の騒音低減効果が見込まれます。引き続き、2007年度以降の新造・リニューアル車両に順次導入していきます。 (2) 車両搭載機器の低騒音化 リニューアルを実施する8000形通勤車両3編成で、ブレーキや扉の開閉に必要な圧縮空気を供給するコンプレッサーを低騒音型のものに更新するとともに、滑走防止制御装置※を設置し、列車の走行音の低減を図ります。なお、滑走防止制御装置は、2000形通勤車両6編成にも設置します。 ※雨天時などレールが滑りやすい状態で急ブレーキをかけた際に、車輪がロックしながらレールの上を滑走することで車輪が変形し、騒音の原因となることがあります。こうした車輪のロックと滑走を防ぐのが滑走防止制御装置です。 以上 |
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ほりうち(ccbu8181) 2009-05-01 20:35:55 |
別紙 (複々線化事業の進捗状況について) 当社では、快適な輸送サービスを提供するための抜本的な輸送改善策として、東北沢〜和泉多摩川間(10.4km)の複々線化工事を進めており、現在までに世田谷代田〜和泉多摩川間(8.8km)が完成しています。これにより、朝のラッシュピーク時間帯における向ヶ丘遊園→新宿の所要時間は事業着手前と比較し、急行で8分程度、各駅停車で4分程度、また、日中時間帯の各駅停車についても7分程度の短縮が図られ、速達性が向上するなどの効果を発揮しています。 残る東北沢〜世田谷代田間(1.6km)は、2004年9月に工事着手し、現在、4線地下式による複々線化工事を鋭意推進しています。当区間が完成すると、さらに所要時間が短縮するだけでなく、すでに完成している複々線施設と繋がることにより、列車の増発が可能となり、大幅な混雑の緩和が図られるなど、抜本的な輸送改善が図られます。 また、この事業は、東京都の都市計画事業である連続立体交差事業と一体的に進められています。これにより踏切での慢性的な交通渋滞の解消、鉄道と道路の安全性向上とともに、鉄道によって隔てられていた市街地の一体化や、駅周辺の整備が進むなど、その整備効果は高く、緊急性を要する事業となっています。 (東北沢〜世田谷代田間 2009年度工事予定) 本事業区間は、世田谷区および渋谷区の住宅と商業施設が密集する狭隘な地域であることから、作業ヤードや搬入路の確保が難しく、周辺環境に特段の配慮が必要となるほか、在来線直下での地下化工事であるため、鉄道輸送および工事の安全を確保しながら工事を進めています。また、1日7万台の交通量がある環状7号線や京王井の頭線との交差および東京メトロ千代田線との隣接など、多くの関係者を有する難工事となっています。 現在、地下化に向けた工事は本格化しており、特に下北沢〜世田谷代田間では、昨年6月に在来線直下においてシールドトンネルの構築を推進しており、現在は上り急行線約645mのトンネル構築が完了し、シールドマシンを立坑(たてこう)内で回転させ下り急行線の掘進準備を行っているところです。今年度については、4月末に再掘進を開始した後、秋頃にはシールドトンネルの構築を完了させる予定となっているほか、今後の駅部構築に向けたシールドトンネルの切り拡げ工事の準備を進めていきます。 また、開削工事を行うために必要な工事桁上への線路切替については、夏頃までに代々木上原〜下北沢間(下り)および、下北沢〜梅ヶ丘間(上り)で行います。これにより全区間に渡り工事桁上への線路切替が完了し、本格的な掘削工事を進めていきます。 |
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