NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.1917 【JR東海】定例社長会見(平成21年3月・東京)
ほりうち(ccbu8181) 2009-03-28 00:56:50
JR東海 ニュースリリース

2009.03.27
定例社長会見(平成21年3月・東京)


■平成21年度重点施策と関連設備投資について

 新年度を迎えるにあたり、当社の21年度重点施策と関連する設備投資を紹介します。

 21年度も、引き続き安全・安定輸送の確保を最優先に取り組みます。

●東海道新幹線について
・N700系の集中的な投入
・「のぞみ」9本ダイヤを活用してご利用の集中する時期・時間帯に弾力的な列車設定
・新大阪駅新幹線ホーム増設等の輸送基盤の強化

●在来線について
・22年から25年にかけて実施する新型車両への取替等のさらなる輸送サービスの充実に向けた取組み

●超電導リニアによる東海道新幹線バイパスについて
・中央新幹線の4項目調査の実施
・山梨リニア実験線の42.8kmへの延伸等

●販売面について
・「EX−IC(エクスプレスIC)サービス」の山陽拡大や法人会員向けサービス開始
・「TOICA(トイカ)」への電子マネー機能の追加などさらなる利便性向上

●技術開発・技術力強化について
・輸送サービス強化や自然災害対策等の分野を中心に着実に技術開発を推進
・海外高速鉄道プロジェクトに対応するための体制整備

●その他
・地球環境保全に向けた積極的取組み

●関連事業について
・名古屋駅新ビル計画の推進
・昨年開業した新横浜中央ビルの各事業の発展に向けた取組み
・農業への参入に向けた取組み

 景気の悪化により厳しい経営状況となっていますが、21年度も安定的かつ着実に設備投資を進める計画であり、単体で2800億円を見込んでいます。これは、対前年計画比では100億円減となりますが、JR東海発足以降3番目の高水準な設備投資計画額です。

 内訳は安全関連投資が1,530億円(対前年計画比360億円減)で、全体の55%と引き続き高水準となっているほか、東海道新幹線の増発や安定輸送に資する新大阪駅ホーム増設等で130億円(同90億円増)、また山梨実験線の延伸等の推進関連で230億円(同110億円増)などを計画しています。

 安全関連投資については、21年度の計画まで含め、会社発足から23年間で総額約2.2兆円を実施、これは総投資額の約6割に相当する高い水準です。うち19年度から21年度の3年間で約5000億円の実施となります。

 また、連結では、日本車輌製造(株)の設備投資を加え、対前年計画比40億円増の3,190億円を見込んでおり、計画額比較で19年度に次ぎ過去2番目の水準です。

 21年度の重点施策と主な設備投資の各項目については次のとおりです。

 「安全・安定輸送の確保」に関する投資額は960億円です。東海道新幹線の地震対策については、高架橋柱の耐震補強は開発案件等と関係する一部を除き20年度に計画通り対策を完了しており、21年度は引き続き、残る盛土・橋脚の耐震補強を推進します。また、在来線においては落石対策等の防災対策や踏切保安設備の改良を進めるほか、23年度中のATS−PTの導入完了に向けた工事を推進します。

 「N700系の集中的投入、「のぞみ」9本ダイヤの活用及び東海道新幹線の輸送基盤強化」に関する投資額は1,020億円で、21年度は16編成を投入するとともに、定期「のぞみ」のN700系による運転を順次拡大していきます。さらに東海道新幹線の輸送基盤の強化に向けて新大阪駅の新幹線ホームや引上げ線増設等の工事を推進します。あわせて東京駅等における旅客関連設備や新横浜駅におけるホーム柵取替等を推進します。

 「在来線における輸送サービスの充実」の投資額は30億円です。バリアフリー設備の整備については1日のご利用が5,000人以上の駅を対象に進め約9割で整備完了または計画進行中となっており、引き続き22年の完了に向けて工事を進めます。また、駅の橋上化、高架化等を推進します。

 「超電導リニアによる東海道新幹線バイパスの推進と山梨実験線の延伸等の推進」の投資額は230億円で、この投資額は山梨実験線の延伸等の推進関連のみの計上となっています。

 「営業施策のさらなる強化」の投資額は120億円です。「EX-IC(エクスプレスIC)サービス」について、本年夏に予定している山陽新幹線への利用区間拡大や法人会員向けサービス開始に向けた取組みを推進します。また「TOICA(トイカ)」の利用エリア拡大、定期券による新幹線乗車サービス導入、電子マネー機能追加に向けた取組みを推進します。

 「技術開発のさらなる活性化と技術力の強化」の投資額は10億円です。

 「事業展開の推進等」の投資額は390億円で連結子会社の投資額を計上しています。なお名古屋駅新ビル計画については当社が行う設計費等がありますが、金額的に大きなものではありません。

 「地球環境保全・博物館建設に向けた取組み」の投資額は10億円です。JR東海博物館(仮称)の開館に向けた取組みを推進します。

 21年度は単体で2,800億円、連結で3,190億円の投資となります。21年度は厳しい経済情勢が想定されますが、当社グループとしては、引き続き中核をなす鉄道事業における安全・安定輸送の確保を最優先に、不断に諸事業におけるサービスの充実を図り、収益力を確保していくこと、さらに長期的展望に立って超電導リニアによる東海道新幹線バイパスの実現に向けた取組みを推進していくことが重要であると考えています。今回の設備投資計画についてはこうした基本方針をもとに、長期債務縮減や安定配当の継続による健全経営の維持を前提に十分に精査した内容となっています。

 なお今後、数年の設備投資額はN700系車両の集中的投入や山梨リニア実験線に係る設備投資などが続くことなどから、21年度と同水準で推移する見込みです。

 21年度の収支見通しの具体的数値については、20年度の実績を見極めた上で詳細を詰める予定であり、決算発表時に「業績予想」として発表させていただきます。

 最後に、「技術開発のさらなる活性化と技術力の強化」に関して、「海外高速鉄道プロジェクトに対応するための体制整備」について説明します。

 地球環境問題が取り沙汰されている今日、世界各国で環境優位性を持つ鉄道、とりわけ高速鉄道への関心が高まり、具体的なプロジェクトも動きつつある状況にあります。

 そこで当社がこれまで東海道新幹線で培ってきた世界最高水準の高速鉄道運営に係る技術力を活用し、今般、海外高速鉄道プロジェクトに対するコンサルティングならびに当社グループ企業、国内各メーカーのコーディネーション(C&C)を行う民間企業ベースでの事業展開を担当する社内体制を整備することとしました。平成21年夏の異動期に総合技術本部技術企画部に海外高速鉄道プロジェクトC&C事業室を設置予定です。

 なお、現段階で具体的に関与する海外高速鉄道プロジェクトの話があるわけではありませんが、話があった場合には、今回整備する体制において対応していきます。


■山梨リニア実験線 車両改良について

 山梨リニア実験線では、現在、超電導リニアの長期耐久性の検証等の試験を継続して行っており、昨年5月には実験線延伸工事にも着手しています。

 今年度の走行試験は昨年11月に一旦終了し、これまでの間に、平成14年に新製した試験車両の改良を行いました。

 これまでに得られた各種のデータを元に、走行性能は同等としつつ、車内空間の確保や居住性の向上を目的とした車両改良を行いました。具体的には、車両形状は先頭部の長さをこれまでの3分の2程度とし、車両上部の断面も円形状から角型に変更しています。

 この改良試験車両で、より営業線に近い仕様の車両としての試験走行を、来週の4月3日の金曜日から開始する予定です。


■東京駅一番街「東京ラーメンストリート」第I期の開業について

 「東京駅一番街」はJR東海東京駅の高架下に広がる商業施設で、東海道新幹線ホーム下にあたる部分を当社のグループ会社である東京ステーション開発株式会社で事業運営しているものです。

 「東京駅一番街」では、東京駅改良工事と併せて、現在、店舗のリニューアル工事を進めているところです。昨年3月に開業し、のべ140万人以上もの多くのお客様にご来場いただいている「東京キャラクターストリート」では、現在開業1周年を記念して様々なイベントやキャンペーンを実施しています。また、昨年10月に開業した「おみやげプラザ」においても、東京駅1階八重洲北口改札すぐそばに位置するため、多くの方に気軽に立ち寄っていただける便利なおみやげゾーンとして、大変好評をいただいています。

 このたび、東京駅の新名所第3弾として、今話題のラーメン店を集積した「東京ラーメンストリート」が地下1階に開業します。平成21年6月中旬にまず第I期として4店舗がオープンします。

 ラーメンファンはもちろん近隣のオフィスワーカー、旅行客、さらには買物でお立寄りのご家族連れにもご利用いただける店舗を用意しています。

 第I期に開業する4店舗は、大崎本店以外では初の出店となる「六厘舎東京」をはじめ、駒沢の「塩専門 ひるがお」、高田馬場の「二代目 海老そば けいすけ」、「らーめん むつみ屋」といった、各種ラーメンランキングでも上位に位置する話題店です。

 平成23年には、通路を挟んで8店舗を集積させたラーメンゾーンを形成する予定です。

 これだけの有名ラーメン店が東京駅の1箇所に集まるので、是非ともお立寄りいただきたいと思います。特に、今まで東京の有名ラーメン店の味を堪能することが難しかった地方からのお客様にも、気軽にご来店いただくことができるようになります。

 開業日については、改めてご案内します。