NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.1736 【東武】「東京スカイツリー地区」熱供給(地域冷暖房:DHC)事業許可(1/8)
ほりうち(ccbu8181) 2009-02-18 12:28:18

Rising East
Project


NEWS RELEASE
http://www.rising-east.jp
2009年2月17日



 「東京スカイツリー地区」熱供給(地域冷暖房:DHC)事業許可
 国内最高水準の省エネ性能・省CO化を実現

 世界へ我が国の省エネ技術・成果を発信
 国内DHCで初の地中熱利用
 約7,000トンの蓄熱槽水を大規模災害時に消防・生活用水として提供


東武鉄道株式会社
株式会社 東武エネルギーマネジメント


 本日、2月17日、東武鉄道(株)(本社:東京都墨田区)100%子会社の(株)東武エネルギーマネジメント(本社:東京都墨田区)(※1)は、「東京スカイツリー地区」(別図1)における熱供給事業化に当たり、経済産業大臣より、熱供給事業法(※2)に基づく事業許可を取得いたしました。

 東京都墨田区業平橋・押上地区では、2012年春の開業に向け、東武鉄道、東武タワースカイツリー(株)の両社が、高さ約610mの「東京スカイツリー○R 」を核とする多機能複合型の開発プロジェクト「Rising East Project」を進めております。

 「東京スカイツリー地区」(墨田区業平橋・押上地区及び周辺の約10.2ha)において、省エネルギー、省CO2、ヒートアイランド抑制、防災性向上、さらには経済性の観点から、個別分散的な熱源システムに比較して、優れた性能を有する熱供給地域冷暖房、またはDHCとも称する)システム(※3)を導入することにより、また、国内DHCで初の地中熱利用システム(※4)を導入することにより、「メインプラント」稼動時における、年間総合エネルギー効率(COP)は、国内DHCで、最高レベルの「1.3」以上を実現させていく計画です(国内DHCの平均値は「0.749」、別紙概要4)。

 そして、年間一次エネルギー消費量は個別方式と比べて約43%減、年間CO2排出量は同約48%(約2,271トン-CO2)減と、大幅に削減していく計画です(別紙概要4)。

 このCO2削減量は、688ha(墨田区全面積の約半分)の天然生林が吸収する量に相当するものです(※5)。

 このように、「環境」面において我が国を代表する、そして「防災」面においても意を注いだ街づくりを鋭意進めてまいります。併せて、我が国の優れた省エネ・省CO2技術の集積により成り立つ本システムの内容や、その成果を、建物の取り組みと共に、さらには墨田区が開設予定の「環境ふれあい館(仮称)」との連携をも図りながら、国内外から訪れたお客さまに対して、見える化等により情報発信していく計画です。

 なお、本システムは、本年中に稼動する「サブプラント」にターボ冷凍機、温水ボイラーを、また2012年に稼動する「メインプラント」にターボ冷凍機、ヒーティングタワーヒートポンプ、水熱源ヒートポンプ、並びに夜間電力を利用する大規模水蓄熱槽(保有水量約7,000トン)(以上熱源機器、設備※6)をそれぞれ設置し、これらには世界最高水準の高効率・省エネ機を用いる計画です。

 一方、地元の本所消防署、墨田区の要請に応え、火災はもとより地震等大規模災害時に、約7,000トンの蓄熱槽水を消防用水、生活用水として提供する計画です。これは、25Mプール(標準水量約400トン)換算で約17杯分の量であり、1日に成人が使用する生活用水は約30Lと言われていることから、生活用水としては約23万人/日の量になるものです(※7)。

 なお、本DHCは、開発プロジェクト(西街区・東街区<仮称>)と共に、2008年11月、国土交通省「住宅・建築物省CO2推進モデル事業」の採択決定を受けています(※8)。

 熱供給施設の概要等は、別紙のとおりです。

以上

撮影日:
撮影場所:
キャプション: 開発プロジェクト「Rising East Project」全景
画像サイズ: 483×659(66%表示)
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No.1737 (Re:1736) 【東武】「東京スカイツリー地区」熱供給(地域冷暖房:DHC)事業許可(2/8)
ほりうち(ccbu8181) 2009-02-18 12:29:59

<別紙>


○「東京スカイツリー地区」熱供給施設の概要



1.供給開始

 サブプラント  2009年9月(予定)
 メインプラント 2012年1月(予定)



2.供給区域

 東京都墨田区押上一丁目1・9〜11街区、押上二丁目17・18街区
 (約10.2ha)(別図1)



3.設備概要(別図2)


1)サブプラント(東武鉄道(株)新本社ビル地下1Fに設置)

<熱源設備>

ターボ冷凍機
 冷却能力   350RT(冷凍トン)×2台

温水ボイラー
 加熱能力 1,674MJ(メガジュール)/h×3台


2)メインプラント(開発プロジェクト西街区<仮称>地下2Fに設置)

<熱源設備>

ターボ冷凍機
 冷却能力1,150RT×2台

ヒーティングタワーヒートポンプ
 冷却能力500RT<加熱能力7,600MJ/h>×2台
 <2014年に同上機器の冷却能力を増強予定>
 冷却能力800RT<加熱能力7,600MJ/h>×2台

水熱源ヒートポンプ(地中熱用)
 冷却能力50RT<加熱能力800MJ/h>×1台

将来増設予定
(ターボ冷凍機 冷却能力1,000RT×1台)

<水蓄熱槽>
冷温水槽 4,500トン
冷水槽  2,500トン
計    7,000トン


3)地域導管

 冷水・温水4管式
 総延長 約2,800m(冷水管往還計 約1,400m、温水管同 約1,400m)
(直埋設、建物トレンチ内、地下鉄躯体内他)


4)地中熱利用システム

 建物基礎杭、ボアホール両方式(予定)にて採放熱

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No.1738 (Re:1736) 【東武】「東京スカイツリー地区」熱供給(地域冷暖房:DHC)事業許可(3/8)
ほりうち(ccbu8181) 2009-02-18 12:31:29

4.省エネルギー・省CO2効果


1)省エネルギー効果

年間総合エネルギー効率(COP) 1.3以上 <*>

国内DHCのCOP平均値 0.749<**>

年間一次エネルギー消費量 約43%減<*><***>


2)省CO2効果

年間CO2排出量 約48%(約2,271トン-CO2)減<*><***>


<*>メインプラント稼動、ヒートティングタワーヒートポンプ冷却能力増強以降

<**>2008年3月 経済産業省資源エネルギー庁「未利用エネルギー面的活用熱供給の実態と次世代に向けた方向性」より(2006年度実績データを基に分析)

<***>個別方式(従来の個別分散的な熱源システム)との比較
 ※添付図参照


<年間総合エネルギー効率(COP)>
 年間総合エネルギー効率(COP=Coefficient of Performance=成績係数)とは、冷凍機、ヒートポンプ、ボイラー等の年間入力エネルギー(電気・ガス等)に対する年間出力エネルギー(冷水・温水等)の比を表わし、数値が大きいほど高効率であることを示します。

「年間総合エネルギー効率(COP)」=年間出力エネルギー÷年間入力エネルギー



5.経緯、今後の予定

2006年 9月20日  (株)東武エネルギーマネジメント 設立
2008年 4月25日  東京都地域冷暖房計画区域指定決定告示
             「押上・業平橋地域冷暖房計画区域」
2008年11月11日  国土交通省「住宅・建築物省CO2推進モデル事業」採択決定
2009年 1月15日  墨田区都市計画決定告示
             「押上・業平橋地区地域冷暖房施設」
2009年 2月17日  経済産業大臣より「東京スカイツリー地区」熱供給事業許可
2009年2〜3月(予定) 墨田区長より道路占用許可
2009年  8月(予定) 経済産業大臣より供給規程(熱料金)認可
2009年  9月(予定) サブプラントからの供給開始
2012年  1月(予定) メインプラントからの供給開始

以上

撮影日:
撮影場所:
キャプション:
画像サイズ: 489×334(65%表示)
撮影日:
撮影場所:
キャプション:
画像サイズ: 566×359(57%表示)
NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.1739 (Re:1736) 【東武】「東京スカイツリー地区」熱供給(地域冷暖房:DHC)事業許可(4/8)
ほりうち(ccbu8181) 2009-02-18 12:33:14
事業地区位置図
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 事業地区位置図
画像サイズ: 487×278(66%表示)
NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.1740 (Re:1736) 【東武】「東京スカイツリー地区」熱供給(地域冷暖房:DHC)事業許可(5/8)
ほりうち(ccbu8181) 2009-02-18 12:34:45
供給区域図

−−−−− 供給区域(東京スカイツリー地区)
撮影日:
撮影場所:
キャプション: 供給区域図
画像サイズ: 570×389(56%表示)
NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.1741 (Re:1736) 【東武】「東京スカイツリー地区」熱供給(地域冷暖房:DHC)事業許可(6/8)
ほりうち(ccbu8181) 2009-02-18 12:36:28
システムフロー図
撮影日:
撮影場所:
キャプション: システムフロー図
画像サイズ: 640×295(50%表示)
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No.1742 (Re:1736) 【東武】「東京スカイツリー地区」熱供給(地域冷暖房:DHC)事業許可(7/8)
ほりうち(ccbu8181) 2009-02-18 12:38:04

<参考>

※1「(株)東武エネルギーマネジメント」会社概要について

設立年月日

 2006年9月20日


本社所在地

 東京都墨田区押上一丁目1番2号


代表取締役社長

 冨岡 建治


資本金

 8,000万円(東武鉄道(株)100%出資)


事業目的

 地域熱供給に関する事業 他

☆東武鉄道(株)では、街づくりや環境分野において貢献する熱供給事業に長年にわたり積極的に関わり、取組んでおり、1984年8月には、西池袋熱供給(株)を設立(1985年6月、西池袋地区にて熱供給開始)し、さらに2002年4月には、錦糸町熱供給(株)(1997年6月、錦糸町駅北口地区にて熱供給開始)に経営参画しております。



※2「熱供給事業法」について

 複数の建物に、冷水、温水等を供給し、その加熱能力が時間当たり21GJ(ギガジュール)以上のものを熱供給事業と定め、経済産業大臣からの事業許可、料金認可、保安の確保、安定供給が義務づけられています。



※3 熱供給(地域冷暖房、DHC)システムについて

 「熱供給システム」は、1か所または複数のプラントで冷水、温水等を作り、地域導管を通して一定地域内のお客様の冷暖房や給湯を行うシステムです。 「地域冷暖房システム」、「DHC=District Heating & Cooling」とも呼ばれています。省エネルギー、省CO2、ヒートアイランド抑制、防災性向上、さらには経済性の面など多くのメリットがあります。2009年2月1日現在、全国に147地区存在し、今日、地球温暖化対策の切り札として、熱供給システムをはじめとしたエネルギーの面的利用に大きな期待が寄せられています。



※4 地中熱利用システムについて

 地中熱利用とは、水熱源ヒートポンプを用いて、地中から熱を取り出したり、熱を放出したりするシステムです。地中温度は、夏期は外気温より低く、冬期は外気温より高いことから、こうした性質を利用し、エネルギー消費効率を大幅に向上させることが可能なシステムです。さらに大気に熱を放出せず、ヒートアイランド抑制にも寄与するものです。欧米では広く普及しており、我が国においても施工方法等について研究・開発が進み、実用化の取り組みがなされております。

 本地区では、採放熱方式として、基礎杭利用、ボアホール両方式の採用を計画しております。

「基礎杭利用方式」…
 基礎杭を利用、杭に採放熱用のチューブを取り付ける方式。

「ボアホール方式」…
 地下に掘削した垂直孔の中に採放熱用のチューブを挿入する方式。

撮影日:
撮影場所:
キャプション: 地中熱利用のイメージ
画像サイズ: 470×251(68%表示)
NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.1743 (Re:1736) 【東武】「東京スカイツリー地区」熱供給(地域冷暖房:DHC)事業許可(8/8)
ほりうち(ccbu8181) 2009-02-18 12:39:38

※5 CO2削減量の森林換算値について

天然生林 3.30トン-CO2/haのCO2吸収量
 (出典…環境省「京都議定書目標達成計画参考資料」2005年4月28日)

 2,271トン-CO2÷3.30トン-CO2/ha=688ha

 墨田区の面積は13.75Km2(=1,375ha)であり、688haは約半分に相当。



※6 熱源機器・設備について

「ターボ冷凍機」
 ターボ式圧縮機(遠心圧縮機)を用いた水冷却装置です。大容量に適するものであり、近年、技術の進歩により著しい性能向上が図られています。

「ヒーティングタワーヒートポンプ」「水熱源ヒートポンプ」
 空気中の熱、あるいは地中にある熱(=ヒート)をくみ上げて(=ポンプ)、その熱エネルギーをより高いレベルに上げたり、低いレベルに下げる技術を用いて、エネルギー効率の高い冷暖房を可能にする装置です。

「大規模水蓄熱槽」
 蓄熱システムは、夜間電力を利用して冷房時は冷水、暖房時には温水を蓄熱槽に蓄え、この蓄えた熱エネルギーを昼間に使う経済的なシステムです。夜間に熱エネルギーを蓄えるため、受変電設備や熱源機器の容量が小さくて済み、熱源機器の定格運転で効率向上が図れます。



※7 蓄熱槽水の提供事例について

 墨田区においては、東武グループの錦糸町熱供給(株)と、2005年11月に地方自治体と熱供給会社とでは全国で初めて、蓄熱槽水を災害時の生活用水として提供する協定が締結されております。



※8 国土交通省「住宅・建築物省CO2推進モデル事業」採択決定について

 本モデル事業は、住宅・建築物における省CO2対策を強力に推進するため、省エネ性能の高い住宅・建築物の普及を促進すべく、先進的かつ効果的な省CO2技術が導入される住宅・建築物のモデルプロジェクトを、国が公募により募り、採択するものです。

 本DHCは、開発プロジェクト(西街区・東街区<仮称>)と共に、省CO2対策の実現性に優れたリーディングプロジェクトとして評価いただき、2008年11月、同モデル事業の採択決定を受けました。
 建物、DHC、並びに建物と共同で取り組む環境への取り組みの概要は左図のとおりです。

*図中のLCEM(=エルセム)ツールとは、国土交通省が開発した空調エネルギーシミュレーションシステムです。

撮影日:
撮影場所:
キャプション: 環境への取り組みの概要
画像サイズ: 640×495(50%表示)