NEWS RELEASE:JR&私鉄    3
No.1036 【JR東海】定例社長会見(平成20年5月・東京)
ほりうち(ccbu8181) 2008-05-29 20:44:54
JR東海 ニュースリリース

2008.05.26
定例社長会見(平成20年5月・東京)


■営業列車での軌道計測技術について

愛知県小牧市にある当社の研究施設では、「鉄道技術のブラッシュアップ」として、常に鉄道における最先端の技術開発に取り組んでいます。

今般、同研究施設において、営業列車から軌道の状態をリアルタイムに計測する技術を開発しました。この技術は、新幹線をはじめ在来線にも適用可能ですが、「最新・最速・最良」のN700系営業列車の一部の編成に、新たに最先端技術として追加装備搭載することとしました。

軌道の状態は、専用の車両を用いて、上下および左右方向の軌道形状など多くの項目を計測しており、新幹線では月に3回(約10日に1回)、電気・軌道総合試験車「ドクターイエロー」で計測を行っています。

ドクターイエローでは上下・左右方向など軌道に関する多項目の計測が可能な反面、専用の変位計を用いて軌道の形状を直接計測する方式をとっていることから、装置の搭載のために特別な車体構造および台車が必要となります。

一方、今回新たに開発した計測装置は上下方向のみの計測となるものの、走行中の台車の軸箱に生じる「加速度」を計測し、車上に搭載した演算装置において上下方向の軌道の形状をリアルタイムに計測するというものです。その計測精度は、これまでのドクターイエローと同じレベルです。

また、この新装置は軽量小型で営業列車に搭載が可能となり、今年度6月から順次N700系6編成に搭載する計画です。ドクターイエローによる計測に加え、軌道の状態を把握する機会が飛躍的に増えることで、軌道保守をよりタイムリーに行い、更にハイレベルな軌道状態を維持できます。乗り心地が良くなれば、更に安全性や安定性は磐石なものになります。

さらに、今回の営業列車による上下方向の軌道計測の結果をリアルタイムで中央指令に送信し、各現業所等でそれを把握することができるシステムの構築をすすめ、平成22年度にはシステム稼動をする予定です。

なお、営業列車を用いてリアルタイムに軌道の形状を計測するというのは、世界初です。

今回開発した技術ではドクターイエローと同等の精度で上下方向の軌道の形状を把握する ことができる上、ドクターイエローのような特別な車両を必要とせず、安価な装置で計測できることから、専用の計測車両をもっていない他の鉄道会社への導入も期待できます。

今後も、新幹線の「更なる乗り心地向上」や「更なる安全性・安定性の追求」のため、更なる努力を続けていきます。


■JR東海 浜松工場『新幹線なるほど発見デー』を開催します!

7月26日(土)・27日(日)に浜松工場で実施する「新幹線なるほど発見デー」についてお話しします。

この「なるほど発見デー」は、夏休みの2日間を使って当社の浜松工場を一般開放し、普段、駅のホームや沿線からは見られない新幹線の姿をお見せします。

平成7年から毎年行っており、今年で14回目となりますが、これまでの入場者数は約35万人、昨年は2日間で過去最高の約5万人の方が来場、子供たちには大変好評で、ご家族全員で楽しんでいただけるイベントとして、すっかり定着しています。

毎年恒例の「新幹線の車体を吊り上げ・台車に載せる作業の実演」や「運転台見学」のほか、今年は「小学生車掌体験」を初めて実施します。これは小学生を対象に、同伴の方をお客様役として車内改札を体験できるイベントです。

その他、「ちびっこ運転士制服記念撮影」「体験工作コーナー」「新幹線スタンプラリー」なども引き続き実施します。

このイベントはどなたでも参加でき、入場無料です。ただし、「運転台見学」と「車掌体験」は事前の申込が必要となります。

当日は、浜松駅から無料のシャトルバスを運転するほか、遠方の方でも参加しやすいように、ジェイアール東海ツアーズの各支店(静岡を除く)で運転台見学付きのツアーを設定します。

多くの方にご来場いただき、新幹線の魅力を間近に感じることで、子供たちの、そしてご家族の夏休みの思い出になれば、と思っています。