牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-10 17:03:21 |
旅のはじまり
一人旅に出たいと思ったときに制約になりそうなものがいくつかあります。 ひとつはお金。最近では安い企画乗車券も多く、これだけ旅情報を報じる情報紙やネット情報もありますからずいぶんお得に旅ができるようになりました。 ひとつは休暇。これは日頃の仕事次第かな。中小企業でIT関連なんてなかなか休めない職場であっても、自発的リフレッシュ休暇くらいいいよね。 そしてそれがクリアされた後の最大の難関が妻の説得。これには時間を掛けなければなりません。貴重な休みを家族のために使わず、自分一人のために使うことは、なかなか許されるものではありません。しかし、ここももしかすると日頃の「パパ」&「よき夫」ポイント次第なのかもしれません。最大の難関をクリアできた今回、約10年ぶりとなる宿泊一人旅を実現することができたわけです。 旅の目的 1980年頃の北海道の国鉄線。青函連絡船を受ける函館を中心とした列車輸送体系から札幌を中心とする列車輸送体系への変換が進められ、千歳空港駅(現南千歳駅)が開業、そして老朽化した車両の取り替えのために多数の車両が導入されていました。781系特急型電車もそのひとつ。ゴールデンイエローのリクライニングシートが並ぶ車内はこれまでの国鉄車両のイメージを大きく変え、俊足ぶりも話題になっていました。 私個人もこの車両をよく使いました。親の実家に帰省するとき、高校の部活の全道大会に出場したとき、就職で本州へ行くときに乗った車両でもあります。あまりにもいつも走っていて全く違和感なくそこにいた781系車両ですが、この改正で無くなってしまいます。 列車が新しくなることはいいこと。早く、快適に移動したいというのはいつの時代も欲求にあります。リニューアルを繰り返したとはいえ後輩たちに比べどうしても劣るその姿を見て早く引退させればいいのにと思っていました。しかし、いざそのときが来るのは寂しい気持ち。今回の旅はこの781系の最後の力走をまだファンに囲まれないうちに見ておきたいということからでした。 平日に出発しなければならない理由があり、しかも予算をたくさんかけられない。そこに飛び込んできたのが「スーパー前売りきっぷ」のチラシ。期間が限られていて2週間前までに発券しなければならないことから敬遠していたきっぷですが、今回の旅にはぴったりなことがわかりました。こうなると欲が出て函館付近の新幹線工事の様子を見たかったり、新幹線開業で廃止されるのではないかという噂の江差線末端に乗車したいなどと考え早速スケジュールを立てます。 発券 9月7日出発を決め、その2週間前にあたる8月30日に切符を購入しました。なかなか駅に行く時間が取れず我が家から比較的近い新琴似駅についたのはもう夜の8時を過ぎていました。札幌市内とはいえ遅い時間ではなかなか面倒な切符を発注するのは気が引けるのですが窓口氏はこちらの要求を理解して親切に発券してくれました。あまり性別でどうこう言うことではありませんが、窓口の女性は知識豊富でこちらが拍子抜けするようにあっけなく発券終了。今まで札幌駅など大きな駅での購入が多かったJR券ですが、これからは新琴似駅をぜひ使いたいですね。 出発 台風が首都圏を直撃してダイヤが乱れているというニュースを見ながら妻は一応は心配している。私は「函館方面に行く」としか言っていない。細かいルートを言ったところでよくわからないであろう妻は「台風に向かっていく」夫をしょうもないひとだと思っているに違いない。「楽しみにしていた旅行で台風が来るなんて日頃の行いが悪いんだよ」と笑って送り出してくれた。 札幌はこの時間は風も弱く列車の運行状況も本州への夜行の運休くらいで影響はなさそう。さすがに出発時に台風が来ていれば私も考えるが、これを逃したらら次はいつあるかわからないし、この切符は列車の運休での払い戻しはしないはずで、強行するしかあるまい。折りたたみ傘だけを持って出発です。 (続く) |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-10 23:09:02 |
栄町−さっぽろ
最初のランナーはまだJRではありません。我が家から10分の位置にある栄町駅からの地下鉄。通勤で使っているウィズユーカードを投入します。まだまだラッシュにはかからないものの座席が埋まる程度の乗車です。 今まで私はあまり乗車車両の記録をしていなかったのですが、今回携帯電話対応の乗車記録支援サイトを作り(単に車両と特徴を一覧にしてあり、選択するとメールが送信されるもの)これのおかげで車内でメモを広げずに車号記録ができます。これによって本来は特徴的な車両であったのにチェックできなかったなんていうこともなくなるでしょう。普段から編成表を持って歩ける訳じゃないですからね。 栄町 6:20-さっぽろ 6:31 7000系713編成 栄町<7113-7213-7313-7813>さっぽろ 札幌−小樽 札幌駅の自動改札に切符を投入。スーパー前売きっぷは自動改札対応なのが優れものです。スーパー前売切符は指定日の2週間前までに購入することでわずか1万円で2日間JR北海道全線の特急、急行列車が乗り放題になり、指定席も4回利用できます。9月の指定日は少なく、最終日がこの7日出発分だったのです。気がつくのがもう少し遅かったらこの旅は無かったでしょう。単に旭川往復、室蘭往復でもこのくらいの金額はかかるわけですから。 昨夜航空機が欠航していたこともあり札幌駅は早朝から混み合っています。混雑から離れた空いている小樽行きのホームにあがるとちょうど列車がやってきました。前側が731系、後側が721系という混結編成です。迷わず後ろ側へ移動です。ラッシュの送り込み列車で空いているという予想は大きく外れちらほら立ち客もいます。この時間帯は列車の間隔が大きく開くこともあるのでしょうね。 721系の車内はほどよく冷房が効いていて快適です。リクライニングシートではなく、3扉であることさえ目をつぶれば特急型と遜色ない車内で、これが登場したときは「新快速みたい」とはしゃいだ車両。もうこの車両も20年近く北海道を走り続けているベテラン車です。このような両車混結の場合は座れるなら721系、立つ場合は731系の方が楽かなと思いますね。 各駅停車ですが意外と乗降少なく小樽へ向かいます。雨は降ったりやんだりという感じです。 120M 札幌 6:53-小樽 7:39 731系 G-106+721系 F-8 小樽<クハ731-206+モハ731-106+クハ731-106><クモハ721-8+モハ721-8+クハ721-8>札幌 今回小樽に来たのは感のいい方ならお気づきの781系を使用するホームライナーへの乗車が目的です。781系はあまり小樽方面に顔を出しませんし、このホームライナーは土曜休日運休なので平日限定、そう、今回の旅を平日出発にしたのはこれが理由なのです。 (続く) |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-10 23:52:34 |
小樽−札幌 ホームライナー
JR北海道のホームライナーは券売機でライナー券を購入して乗車するというもの。ライナー券で定員を管理しているのかと思うとそうでもないようで、乗車時に310円直接支払うことも可能なよう。どうもライナー料金は着席料金というよりラッシュ時の速達料金という意味合いもあるのかもしれません。 早速小樽駅の改札を出て券売機でホームライナー券310円を購入します。そしてなぜか小樽に来ると買ってしまう構内のロッテリアのコーヒー。なぜか小樽から海を見ながらコーヒーを飲むのが好きなんです。 予想通りホームライナーの出発は切りかきの5番ホームから。名残乗車の方もいるようで、カメラを持った方もいらっしゃいます。「回送」をつけた781系が入線してきました。列車が停車すると「回送」から「ホームライナー」まで幕を回します。そこには懐かしきホワイトアロー(小さくスーパーとも書いてある)やエアポートの幕も見ることができます。 ドアは3号車後方の車掌室近くの1カ所だけ開いており、係員さんにライナー券を渡して車内に入ります。ホームライナーの781系は通常ライラックに使われるuシート連結編成。席は自由なのでほとんどの人がuシート部分に着席します。しかし私はあえて先頭1号車へ。なにしろ誰もいないのです。小樽からの乗車は15人くらい。小樽はほとんどの列車の始発ですしライナーでなくても座ることは可能ですからこの列車をわざわざ310円支払って選択する人は多くないのでしょう。 列車はゆっくりと動き出しました。出発の静かなのも781系ならではです。これまた最近では珍しい711系電車とすれ違い南小樽に向かいます。南小樽では全ドア開放。ぱらぱらと乗車してきましたが、あいかわらず1号車は無人。小樽築港では3号車後ろだけ解放。車掌さんは各駅で降り口の案内をしていますが、もちろん下車する人はいないようです。 海を見ながら列車は進みます。781系で日本海を眺めながら進むのは珍しい体験で、こんな通勤ができるならどんなにいいでしょうと思いますが、毎日310円はきついかな。普段快速が通過する銭函に停車。ここで1号車にも乗車がありました。列車別改札で310円を徴収しているのか全ドア開放です。ここから急に列車のスピードが遅くなります。前に電車がつまっているのかもしれません。 手稲に近づきました。ホームには長蛇の列ができています。ドアが開くなりなだれ込んで車内はほぼ満席に。ライナー券は手稲から100円というのがうけているのでしょう。窓から見える手稲始発の列車にはすでに立ち客もおり、ライナーを使う理由も納得がいきます。札幌到着前に車内を回ると立っている人もいました。普通列車に立つくらいならライナーの方が楽でしょうけど、10月からは785系または789系が使われるのでしょうから5両編成になって全員着席できそうですね。 札幌に到着するとあっという間に全員降りていきました。9時始業のサラリーマンの皆さんご苦労様、私は今日はお休みです(笑)。この車両はライラックになるためにいったん引き上げられていきました。 回5103M 小樽 8:04-札幌 8:48 781系 L-5編成 小樽<クモハ781-5+サハ780-10+モハ781-10+クハ780-5>札幌 |
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石田 敏弘(dnmp2980) 2007-09-11 15:19:42 |
こんにちは、石田 敏弘です。
>旅のはじまり 出発までにいろいろと制約を受けることがありますね。私の場合は結婚していないので直接養うべき家族が居ないので予算的には確保し易いのですが、年金暮らしの両親と同居しているので、「あら、また出かけるの!」とつまらない小言を言われるのには閉口しています。立場は違えど、最大の難関であることには違いないようです。 >旅の目的 781系もついに引退ですか。私が始めて北海道旅行をした時には、キハ183系とともに北海道の特急列車の主力でした。485系1500番台譲りの屋根上の2灯のライトは、内地から来た人間にとって北海道らしいスタイルで、強く印象に残っています。 >出発 > 台風が首都圏を直撃してダイヤが乱れている〜 今回の台風9号は神奈川県に上陸して、そのまま北上していきました。ちょうど夕方の帰宅ラッシュに当たってしまい、多くの方が影響を与えました。私事ですが、両親がこの時期に北海道を旅行していて、帰りの飛行機が飛ばずに函館で足止めを受けてしまいました。もっともこの時点での函館には影響が少なかったようで、予定外の夜景が見れて本人達は大満足だったようです。 石田 敏弘(VZG05000@nifty.com) |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-11 23:09:33 |
石田さんこんにちは
確かに旅に出るというのに家族の理解は必須ですよねぇ。私も親と同居中は田舎と言うこともあってなかなか出られませんでした。おかげで今となっては乗ることのできない貴重な列車たちに乗れなかったなという記憶があります。今回は反対が強ければ平日に1日だけでもと思っていたのですが、思いの外家族の反対もなく、逆に父さん不要状態じゃないよねと不安になるくらいです。逆に父さんのおみやげが楽しみだったのかな。 781系はこれほどたくさん乗っているのに「記憶に残っていない」車両なんですよね。今回の旅では、国鉄末期の北海道総局、JR北海道の主力車両としてその時代時代に手を入れられてきた781系をもういちどゆっくり思い出しながら乗ることができました。たとえば4両化されたとき座席不足解消のための補助席がついていたとか、貫通幌が見えないようにパネルを張っていたとか(これは現在もそうですね)その当時当時の自分の出来事と併せて思いだす。そんな時間でした。 台風のなかの旅行では、このあと予定を変更して残念なことになっているのですが、本当は秋晴れのなかを旅行できたらいいんですけどね。こればかりは仕方がありませんね。 牛乳たか/坂本 |
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石田 敏弘(dnmp2980) 2007-09-13 01:53:55 |
こんにちは、石田 敏弘です。
>781系はこれほどたくさん乗っているのに「記憶に残っていない」車両なんですよね。今回の旅では、国鉄末期の北海道総局、JR北海道の主力車両としてその時代時代に手を入れられてきた781系をもういちどゆっくり思い出しながら乗ることができました。たとえば4両化されたとき座席不足解消のための補助席がついていたとか、貫通幌が見えないようにパネルを張っていたとか(これは現在もそうですね)その当時当時の自分の出来事と併せて思いだす。そんな時間でした。 なるほど、私は北海道には1年に1度ぐらいのペースで訪ねていますが、続々と登場する新しい特急列車の陰に隠れてしまったのかもしれませんね。昔の記憶をたどってみても、初対面の後は、北海道を疾走するディーゼル特急の記憶の方が強くなっています。この夏にも北海道を訪ねたのですが、小樽で「ホームライナー」で姿を見た以外には、殆ど姿を見ませんでした。一つの時代が終わったのでしょうね。 石田 敏弘(VZG05000@nifty.com) |
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ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2007-09-14 17:27:42 |
> 781系はこれほどたくさん乗っているのに「記憶に残っていない」車両 なるほどねぇ。 私の場合には、乗った記憶すらないです・・・ 道内で特急に乗るときは長距離が多いですし、札幌〜旭川だとスーパーホワイトアローだとかスーパー宗谷などの新しい車両を選択してしまいますし・・・ さらに、国鉄型だけに画一的で、特徴が感じられないので、乗ってみようという気にもならないんですよね。たぶん、何度かは乗ったことがあると思いますが・・・ 華やかな列車群の中で、目立たない存在でしたよね781系って。 伊藤 博康 |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-11 22:39:38 |
札幌−大沼公園 北斗8号
雨は相変わらずぱらぱらという感じ。ここからはちょっと781系から離れてこれまた気になっている北海道新幹線による影響が懸念される道南に向かいます。 北斗8号は「スーパー」な特急が多数走る中従来の183系気動車による北斗です。しかし、この列車はただの北斗ではありません。全車が130km/hで走行できるように対応した車両で運転される北斗で、先頭には助手席側の前方が展望できるような工夫がされています。この展望席、一度ゆっくり味わいたいと思っていたのですよね。今回新琴似駅で切符を発注するときに、この列車の展望席を頼んだのですが、駅員さん「17番A席ですね!」と即座に発券されたんです。意外と隠れたファンがいる席なのかもしれません。 列車はスーパー北斗ほどではないもののぐいぐい気持ちよく加速していきます。展望席から見る景色は普段見慣れないだけにダイナミックで飽きません。すれ違う列車、ホームのお客、一つ一つの信号までよく見えます。また、少し首を動かせば運転士さんの運転時刻表も見ることができますから、通過時刻も知ることができます。ただ、前面窓の下の方が破損防止のポリカーボネートが張られており、少し見にくいのは残念です。 列車が美々を通過してすぐ、下りの貨物列車とすれ違います。しかしよく見ると貨物列車は止まっていて、なにやら人が集まっています。どうやら動物と衝突した事故のようで、こちらの列車は少しスピードを落としつつ通過。貨物列車のうしろには普通列車が停車、そのあと上下線が離れていますがまた合流した沼ノ端駅で北斗1号が、その後ろに団体列車らしいノースレインボーが停車、この分だと大きな乱れにつながりそうですが、私の乗った北斗8号は特に影響なく走っていきます。 北斗8号は中途半端な時間なのですいていると思いきや、ほぼ一部の車両を除いて満席のお客さんが乗っています。もしかすると天候不良のための代替もあるのかもしれませんが、やっぱりほどよい乗車の列車はいいですね。私の隣は空きのようでゆったり乗車できました。 洞爺で修学旅行の小学生が乗車してきます、ほとんど空の車両はこの団体さんのためだったようですね。ただ、このあたりから雨は激しくなってきて、これから修学旅行はきつそう。強力雨男の先生がいるんだろうなぁと思いますね。 長万部では保線係員さんが運転席添乗。私の目の前に柱のように立たれてしまってしばらく展望はお預けです。こういうのも日頃の行いでしょうかね(笑) 5008D 札幌 9:19-大沼公園12:27 183系 大沼公園<キハ183-3563+キハ182-2556+キロ182-2551+キハ182-2551+キハ182-2559+キハ182-2558+キハ183-4561>札幌 渡島大野(新函館駅) ここからの目的地は新函館駅が建設される渡島大野駅。残念ながら北斗は止まらないので大沼公園で下車します。大沼公園には国鉄色の183系が迎えてくれました。団体か何かでしょうか。普通列車の接続もないので駅前からタクシーに乗り渡島大野へ向かいます。15分くらい、3010円と切符から比べればちょっと高額な運賃ですが致し方ありません。 渡島大野駅は駅前に商店と民家があるだけの静かな駅でした。駅舎内には新幹線についての展示スペースもありますが、色あせていたりして気合いが入っていません。駅前も看板などはありますが、盛り上がりに欠けます。ここに5年程度で新幹線の駅ができるとはにわかに信じがたい場所で、工事が始まれば意識も変わるでしょうか。雨風が強く折りたたみ傘では凌げませんが、15分くらいの短い間駅の周りを巡り写真を撮ります。次回来るときはどのように変化しているでしょうか。 渡島大野−函館 函館行きの普通列車が来ました。相変わらず激しい雨です。渡島大野から乗る人は私以外おらず、車内の乗客も3人だけの寂しい状態です。この列車は今回の旅でもしかしたら出会えるかと期待していたキハ40の量産先行車でした。車内の内装がキハ22を彷彿させるピンクっぽい化粧板で、車内座席配置も量産車とは少し違います。他のキハ40に比べ古く、30年選手ですから数年で見られなくなる可能性があるのと、札幌近郊ではなかなかお目にかかれないので空いているのをいいことに写真を撮らせていただきました。風も雨も強い中列車は定時に函館に着きました。 2842D 渡島大野13:01-函館13:25 キハ40 839 (続く) |
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石田 敏弘(dnmp2980) 2007-09-13 02:34:07 |
こんにちは、石田 敏弘です。
> 北斗8号は「スーパー」な特急が多数走る中従来の183系気動車による北斗です。しかし、この列車はただの北斗ではありません。全車が130km/hで走行できるように対応した車両で運転される北斗で、先頭には助手席側の前方が展望できるような工夫がされています。この展望席、一度ゆっくり味わいたいと思っていたのですよね。今回新琴似駅で切符を発注するときに、この列車の展望席を頼んだのですが、駅員さん「17番A席ですね!」と即座に発券されたんです。意外と隠れたファンがいる席なのかもしれません。 私もこの席は愛用しています(^^)。最近のローカル線用のディーゼルカーはワンマン運転仕様になっていて、前面展望はとても良いのですが、やはり座って味わいたいものです。その点、キハ183系の500番台は重宝しますね。やはり人気も有るようで、数年前に函館から札幌へ「北斗」に乗った際、自由席だったので早めに行ったのですが、この展望席だけ人が居ました。私は2列目に座って前面展望を楽しみましたよ。この席が楽しみたくて網走(遠軽)から札幌まで乗ったことがあります。 > 長万部では保線係員さんが運転席添乗。私の目の前に柱のように立たれてしまってしばらく展望はお預けです。こういうのも日頃の行いでしょうかね (笑) ははは、これは残念でした。 私も大沼公園から札幌行きの「スーパー北斗」に乗車した際に、例の展望窓を訪ねたら、保線担当の方が添乗していました。あちらは仕事中、こちらは大沼ビールでほろ酔いだったので前面展望は遠慮せざるを得ませんでしたよ。 石田 敏弘(VZG05000@nifty.com) |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-12 22:25:45 |
雨はますます激しくなって、函館でのちょっとした乗り換え時間も駅の外にすら出られません。きれいに新築された函館駅ですが、市電に乗り換えるのも雨に濡れるしかないのは何とかしてほしいところですね。ただ、函館駅は駅構内に銀行ATMもありますし、たいていのことは構内で済ませられるのはいいところです。
函館−木古内 スーパー白鳥28号 スーパー白鳥28号は増結車も含めた8両編成。しかし発車まで15分前で車内はぎっしり、指定席は満席である旨のアナウンスが流れています。このままでは札幌からの特急をうけたらどうなるのかと思いましたら、この列車に接続するスーパー北斗10号は先ほど足止めされていたスーパー北斗1号の折り返しということで45分遅れ。スーパー白鳥は接続せずに定時で出発しました。さてスーパー北斗のお客さんはどうしたのでしょうね。 指定席には先ほどの小学生修学旅行団体もいますが、この団体さん、残念ながら躾が全くなっていません。立っている人多数の車内を自由席の方まで行ったり来たり、私もそれなりに我慢していたのですが、あまりにひどいので一人の児童を捕まえてお説教。列車に乗る機会がないので仕方ないかと思いますが、この先トンネル内でもこんな状態だとほかのお客も怒るでしょうからね。 789系は恥ずかしながら初乗車。座席の座り心地は確かめられないですが車内の雰囲気は快適です。何となく車内の配置が将来扉をつけられるような場所があったりします。新幹線函館開業までのリリーフとはいえ、その加速や気密の高さは新幹線並みと言っていいでしょう。気になったのが列車の揺れ。車両というより線路がよくなっているとはいえほとんどの駅がYポイントで大きく振られます。私も立ちながら捕まるところを探すような状態です。本当はトンネル側に行きたいと思いつつ木古内で下車しました。 4028M 函館13:25-木古内14:30 789系 HE-101+HE-201+HE-302 函館<クロハ789-101+モハ788-101+サハ789-101+モハ789-201+モハ788-201+クハ789-201>モハ788-302+クハ789-302> 木古内駅 木古内駅に降り立ったのは1999年以来。この頃は快速海峡があり、海峡から江差方面への接続がよく、そうでないものも木古内の停車時間が短かったのですが、現在のダイヤでは特急を利用しても木古内で待たされるダイヤです。今回は新幹線駅になる木古内駅を見たかったので30分程度の接続時間を有効に使います。 しかし雨風強く、少し外へ出たところで傘が壊れ万事休す。少し写真を撮ったところでそそくさと駅に戻ってきます。駅の自由通路には渡島大野駅と同じような新幹線に関する展示がありますが、こちらも色あせているような状態です。 (続く) |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-12 23:19:03 |
木古内−江差
金曜日の夕方ということで、当たり前のように高校生の集団を予想していた江差行きの列車。誰もいません。キハ40の座席3列改造車で立ち客がいくらでも可能な車両なのに、正確には私のほかに一人だけ、しかもその方は大きな鞄を持った旅行者風。学校が休みかと思えば向かいの函館行きには座席の半分が埋まるくらいに高校生がいますし、もしかすると江差方面は運休を考えて早上がりしたのかと思っても、この列車の前は11時半ですからそれも考えにくい。江差線末端を使って木古内高校に通う生徒はいないのか? ともかく列車は大雨の中出発です。ワンマン運転ですが添乗の保線員の方もいて乗客より多い状態。江差線の末端は雨で運休になることが何度かあり、心配していたのですがとりあえずは平常通り動いています。 峠をゆっくりと登るキハ40はときおり木の枝が車体に当たるほど風が強く、増水して流れが急で濁った川と平行しながら進みます。汽笛が妙に鳴るなと思ったら、所々保線作業員さんが沿線におり災害に備えているようです。以前ここを訪れたときは冬で、あまり景色を楽しめませんでしたが、今回も雨で景色は煙っています。 湯ノ岱は交換可能駅。朝だけしか交換列車はいませんがこの時間も駅員さんがスタフを運転士さんに渡します。こういう光景もあまり見られなくなりました。JR北海道では札沼線の末端と留萌線の末端だけではないでしょうか。貴重な体験になりますね。 上ノ国で旅人が下車、代わりに彼氏に見送られた高校生が乗ってきました。まだ夏服ですが寒そうです。上ノ国にも高校はありますので、その帰宅かと思いますが、彼女は江差で現金で降りていきましたのでたまたま乗ったという感じなのかもしれません。 最後の区間は海を見ながら進みます。小樽の日本海、苫小牧の太平洋、上磯の津軽海峡を見て今江差の日本海。海の表情は違っています。このあとの天候も悪そうです。私は日本海側の街で過ごしたこともあって一応は海を見ればこのあとの天候の予想がつくのです。 4174D 木古内15:01-江差16:08 キハ40 815 江差−木古内 江差駅では残念ながらすぐ折り返し、こちらも駅の外に出るのはあまり気乗りしない状態です。駅員さんはいますが、運賃は車内収受で、窓口は9時-17時営業となっています。待合室には中年の女性一人と青春18切符をもったファンと思しき方だけ。そそくさと写真を撮ってまた車内の人になります。 上ノ国で男子高生一人乗車。こちらはどうも普通の通学生の様子。しかし、一人だけというのも解せない。今回、平日の列車に乗ることである程度需要がわかるかと思ったのですが、この状況ではほとんどこの区間が生き残れる可能性は低いと言わざるを得ません。 湯ノ岱で中年女性下車、神明で男子高生が下車して車内は二人だけ。普段この区間を運転する運転氏さんは一人で峠を運転するのはどんなに心細いだろうと思います。私個人も道内の出張で誰もいない峠道を一人で運転しますが、ラジオを大音量でかけたりしていますしね。列車の運転氏さんはそうはいかないのでしょうから。 ところで今日の宿は「はまなす」の指定席を取ってあります。このあとの行程をいったん青森に別払いで抜けて夜ですが新青森の工事現場を見たいと思っていました。海峡線は多少遅れていながら動いているようでしたが、気になったのはスーパー白鳥ですれ違う列車がいなかったこと。もしかするととJR北海道の携帯サイトをチェックしようとしましたが・・・・はい私のソフトバンク携帯ははっきり圏外を表示しています。峠を抜けるまで無理そうですね。 やっと峠を抜けて接続できましたら、そこには絶望的な文字が。今夜のはまなすは上下とも運休。これでは青森に行っても翌日のスケジュールに影響します。青森はあきらめなければならなさそうです。 4177D 江差16:16-木古内17:22 キハ40 815 (続く) |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-15 00:06:06 |
木古内駅はちょっと騒がしい状態になっていました。すぐ接続する八戸行き白鳥34号が蟹田に停車しない列車なので青春18切符では乗れない旨の案内放送が繰り返し流されているためでもあります。本当はこの列車に乗って青森を目指す予定でしたが「はまなす」運休ではどうにもなりません。指をくわえて見送りです。
江差線末端から函館方面への接続は極めつけに悪くこのあとの函館行きは1時間以上も後のスーパー白鳥19号、しかも、この列車に乗らなければ函館からの札幌行き最終北斗21号に間に合いません。はまなすの運休で函館で時間を持つことすらできません。とぼとぼ改札口に行くと函館方面の案内に「16:48白鳥15号」の文字が、駅員さんに聞くと東北新幹線の遅れで白鳥15号が約1時間遅れとのこと。さらに北斗19号も接続するという話です。急ぐ旅でもありませんから函館で少し時間を取って北斗21号に乗り継ぐスケジュールに変更です。はまなすの指定席を北斗21号に変更してもらい、待合室で待ちます。 木古内−函館 白鳥15号 17:45ころ白鳥15号の改札開始。駅員さんは本当に申し訳なさそうに列車の遅れを詫びていますが私にとっては滅多に乗る機会のないJR東日本の485系に乗れるのですから感謝しなければならないくらいです。 ホームは横殴りの雨で、跨線橋の階段で待っているのに時折雨が吹き込んできます。台風はかなり接近している様子ですが、列車が動くのは大丈夫という駅員さんの太鼓判です。 白鳥15号は8両編成で到着。ドアが開くと思ったよりたくさん下車してきました。江差行きがこの列車の接続を待っており何人か吸い込まれていきます。江差行きには5人くらい人影が見えています。白鳥15号に乗り込みますが、すでに自由席はかなり立っており、指定席のデッキにも数人づつ立ち客がいます。私も甘えて指定席車のデッキに立ちます。函館空港で欠航があって列車に流れてきているのか、列車が遅れているのかあまり車内の雰囲気はよくないです。 列車は少しでも遅れを取り戻したいのか猛然とダッシュ。行きのスーパー白鳥より早く感じます。ただ、江差線は駅で大きく揺れるので捕まるところの少ない特急車両での立ち乗車はきついです。外も暗くなってきていますし、485系3000番台はデッキの窓が小さくなっていますのであまり外を楽しむことはできません。しかもトイレに行く人が多いんです。ひっきりなしにトイレ利用があり、デッキは気まずいところです。 1時間も遅れている列車ですがこの列車、普段は止まらない五稜郭に停車して北斗19号と接続するとのアナウンスが流れます。しかし乗客の中には五稜郭の位置関係がわからず、結局札幌に行くにはどうしたらいいの?という話をしている人も。一応手近な人には説明してみましたが、難しいものですね。五稜郭には結局18時35分くらいに到着。結構長く停車していましたので降りる人も多かったようです。 昼間より激しい大雨の中列車は函館に到着、折り返しの八戸行きに乗る長蛇の列の人を尻目に改札を出ました。 4015M 木古内17:50頃-函館18:40頃 485系A-5+増 函館<クハ481-3022+モハ484-3047+モハ485-3047+モハ484-3067+モハ485-3067+モハ484-3022+モハ485-3022+クロハ481-3017> |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-15 00:43:47 |
函館駅に降り立ちましたが、駅のテレビではちょうどこの時間函館付近に台風がいる旨を伝えています。たしかにものすごい風です。意を決して市電の見えるアーケードに行きます。何台か電車を見ていたのですが、電車の徐行看板が吹き飛ばされそうに揺れているのを見ると電車が動いていることすら不思議なくらいです。一応まだ制限の範囲内なのでしょう。アーケードの中に吹き込む雨に閉口。そそくさ退散です。いつもなら駅を見下ろす函館山も今日は全く見えません。
函館−東室蘭 スーパー北斗21号 スーパー北斗21号はほぼ満席。札幌行きの最終列車なので私自身よく出張で利用する列車ではあるんですけど、今日はビジネス客より長距離客が多い感じ。いつもの金曜日より混んでいます。雨風は激しいですが定時出発です。 元々の予定では青森からはまなすで東室蘭下車、早朝にしか走らない781系の普通列車に乗る予定でした。しかし今回はまなす運休で、ネット検索では室蘭のホテルは満室。ここで札幌に帰って出直すか、室蘭でホテルを探すかの択一となります。台風とあって駅で路頭に迷うのは避けたいところです。 順調に走ってきた列車は急にスピードを落として停車しました。20:00頃です。駅の雰囲気から七飯駅とわかりますが、特にアナウンスなし。七飯ということで、この先の藤城まわりの線で風規制か何かになっているに違いありません。そのうちキハ40の回送が函館方面へ、大野廻りが運転可能ならそちら経由にできないのかと思うのですが、それは素人考えなのでしょう。結局動き出したのは20:15ころ。 20:25頃大沼で運転停車しスーパー北斗18号が通過、向こうも遅れているもよう。20:41頃駒ヶ岳で普通列車と交換。森は37分遅れで発車です。その都度列車はもてる性能で走っていきますが、なかなか進めないという感じ。 21:24黒岩運転停車、貨物列車と交換、そして北豊津駅手前で急に減速、ノロノロと走ります。車掌さんから雨規制値超えで長万部まで25km/hの減速運転とのこと。車掌が車内を廻り接続列車の利用について聞いて回ります。長万部では1時間以上遅れの22:05頃発車。このままあちこちで規制があった場合札幌に到着しても地下鉄接続などで家に帰るのが面倒なので東室蘭下車を決断しました。後日談としては地下鉄には接続できたようですけどね。 5021D 函館19:42-東室蘭22:50頃 東室蘭<キハ283-13+キハ282-2008>キハ282-6+キハ282-2004>キロ282-1+キハ282-3001+キハ283-15>函館 東室蘭では結局はまなす下車後風呂に入る予定で検索しておいた24時間営業サウナ「スターレーン温泉サウナ」で仮眠。ここは駅から10分程度で入浴料1200円+深夜料金1500円、懐かしの健康ランドスタイルでしたが悪天候のためか結構泊まり客がいました。大広間で横になれるだけでも快適ですし、どこでも寝れる私の特技の本領発揮です。 (続く) |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-15 01:46:41 |
駅へ向かう道は昨日とは打って変わって快晴。風もほとんど無く昨日までの天候が嘘のようです。台風一過とはよくいったものです。今日はやっとタイトルの781系に戻ります。東室蘭で夜を明かしたのは781系を使用する東室蘭−室蘭の普通列車が運転されているから。そんなの珍しくないって?残念ながらすずらんの末端の普通列車は前面愛称表示が「すずらん」のままで、側面の行先表示も特急のままで運行されるのですが、早朝の普通列車運用は「普通」幕が使われるのです。これを体験したかったんですね。
すずらん1号になる回送列車を見送ってホームに入ります。「普通」をつけた781系はちょっとホームを外れた位置に止まっており、先のすずらん1号の回送と2列車が同一ホームで留置されていたんです。 ホームが騒がしくなって、室蘭からのすずらん1号がやってきました。島式ホームの両側に781系が停車しているのはこの時間だけ。今日のすずらん1号はL-103編成で、座席の半分くらいを埋めて発車していきました。私は室蘭行き普通列車に乗ります。 東室蘭−室蘭 車内は20人くらいでしょうか。平日ならそれなりに利用者がいるのでしょうが、今日は土曜日というのもあるのでしょう。通い慣れた工場地帯をゆっくりと走っていきます。個人的にあまりすずらんに乗る機会が無く、すずらん仕様の781系は乗った記憶が少ない車両です。 この車両の先頭車は両方とも中間車から改造された先頭車で、見た目の違和感はありませんが、よく見ると少しづつ違いが見えてきます。そうそう、781系が6両から4両になった頃、急な減車で座れない人が続出。補助席をつけたなんてこともありました。当時ライラックは旭川−室蘭直通で、約2時間間隔で運転されていました。これを1時間間隔にするための短編成と記憶しています。そのための工事期間は単に減車でしたから座り内人が増えたのです。この頃座席の色もグリーン系とオレンジ系の2タイプあった記憶があります。 新千歳空港乗り入れが始まってドアを増設した頃から現在の塗装になり、座席の色も現在のものになりました。車内の化粧板などもこのとき更新された記憶があります。その時代時代でリニューアルを繰り返して、古いながらも大事に運行されていた781系。あまりにいつもここにいたから、当たり前になっていたのが、いま無くなろうとしています。 4458M 東室蘭 7:07-室蘭7:19 781系 L-102 室蘭<クハ780-102+モハ781-6+サハ780-6+クモハ781-102>東室蘭 室蘭で下車し、測量山をバックに写真を撮ります。その後路線バスで追いかけ御崎駅へ。特に理由はないのですが、途中駅から乗りたかったので。無人のホームでぼーっとするといろいろな思い出がよみがえります。781系は思えば私のさまざまな節目に登場する電車だからです。乗りすぎて記憶に無い電車なのに、いざとなると思い出ばかり。そんな電車かもしれません。 御崎−札幌 すずらん3号 指定席を取ってあるこの車両。指定された席に座ります。すずらん用車両は指定席がUシートになっていないので「指定席」のシートカバーだけが目印です。東室蘭でかなりの乗車があり自由席はほとんど席が埋まってしまったようです。東室蘭を出ても鷲別、幌別と連続停車。都度10人20人と乗車しますので座れない客が指定席まで流れてきます。 781系は特急らしい快適なスピードで走り続けます。確かに北斗系統より遅いのですがどっしりした走りは快適で、座席が旧式なのが残念です。苫小牧では各乗車口に20人くらい並び車内も通路が移動できないほど立ちました。土曜日ということもあるのかもしれませんが、改正後は785系5両になる理由もわかる気がします。 この列車で楽しみだったのが最後複々線区間でライラックと併走するのではないかという期待でした。こちらの列車が少し遅れ気味であったのですが、ちょっと遅すぎたようで、白石駅あたりで少し併走したのと、札幌進入直前で抜かれた以外はそれほどでもありませんでした。 1433M-1033M 御崎 8:16-札幌 9:59 781系 L-102 御崎<クハ780-102+モハ781-6+サハ780-6+クモハ781-102>札幌 (続く) |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-17 19:30:39 |
札幌−旭川 ライラック5号
札幌での待ち時間は30分。次のランナーライラック5号のホーム8番線にあがると、回送になるすずらん3号の車両が6番線にまだ留まっています。そこへ帯広行きのとかち3号が7番線に到着し、しばらく781系と183系の初期型が並ぶ形になりました。この2車ほぼ同じ時期に製造されたこともあって何となく似ている外観です。 ライラック5号の781系電車はこれらの電車がホームからいなくなってからしずしず入ってきました。残念ながらヘッドライトの1灯が切れていて写真を撮っていた人はがっかりです。並んでいる人が多いのですぐ指定された席に座ります。 指定席は満席、通路を挟んだ隣のボックスには旭川で行われる算盤大会に出るらしき親子が大声で練習していてかなり迷惑な中進みます。算盤教える前に車内のマナーを親子とも教えなければならないですね。自分が子育てする中でよく思うのが、親自身がマナーを知らないことで子供がマナーを覚えられず社会に出て苦労するということ。人のふり見て自分の躾を見直すこの頃です。 すずらん用781系とライラック用781系では指定席のシートが大きく異なります。ライラック用は新千歳空港への運用が行われていた2001年にこの指定席をグレードアップしたUシートになっており283系気動車の後期車と同様の座席をつけています。中間の肘掛けが広く、すずらんの座席とは大違いです。車内もニュースの流れる電光掲示や電球色の蛍光灯に変えられているなど、雰囲気も違います。ちなみにこの車両の半室自由席部分のシートも今までの座席よりはよいタイプ(183系の後期車のような)に更新されています。 すずらんに比べるとライラックの方は線路のロングレール化が進んでいることもあって早く、快適です。揺れを感じない区間さえあります。この区間は私のもっともよく利用した区間、最近は5両ということもあるし、快適な指定席車を持つスーパーホワイトアローをよく使うのですが、比べても781系は古さは感じつつも快適さはそう変わりません。スピードが遅い分揺れが少ないかもしれません。 目新しい高架が近づいてきたら終点旭川です。旭川は高架工事中で、数年後にはバリアフリーに配慮した新駅に変わります。残念ながら781系は新駅に入ることなく一生を終えそうです。 2005M 札幌 9:30-旭川12:00 781系 L-5編成 札幌<クハ780-5+モハ781-10+サハ780-10+クモハ781-5>旭川 (続く) |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-17 21:02:33 |
振られた旭川運転所
旭川運転所の公開が9月8日にあると聞いていましたので、旭川駅からバスに乗って向かいます。旭川駅前のバス乗り場は複雑でわかりにくいのですが層雲峡行きは駅前から出ているのでこれに乗車します。旭川運転所最寄り駅は永山2条8丁目で、これは運転所建設中に仕事でこの辺によく来ていたことからわかっていますが、一般の方にはわかりにくいでしょう。 300円を支払ってバスを降りて、運転所への道を歩きますが、運転所方面人の気配がありません。台風で中止ということで撃沈。日頃の行いの悪さここでも発揮です。本当は781系を置き換える789系1000番台を見たかったのですが残念です。 またバスに乗るのも癪なので歩くのをわかっていながら永山駅に歩きます。運転所を少し見ながら歩きますが、このあたり家が多く、国道沿いは結構賑やかな通りです。運転所付近に駅があってもいいような気がするんですけどね。 永山−旭川 永山駅は有人駅。この駅止まりの列車が設定されていることを見るとこのあたりを通勤通学で使ってもらおうという意識はJRにもあるのでしょうが、平行するバスのほうが便利で私の乗る始発列車も数人しか乗っていません。 途中旭川運転所で運転停車、車内の案内も「交代の運転士乗車のため」という案内があります。構造上駅にするのは難しそうですが、この辺で降りられたら便利という人は多そうですね。 1324D 永山13:36-旭川13:51 キハ40 745 旭川−滝川 スーパーホワイトアロー20号 旭川の時間が思ったより早く終わったので帰宅が早くなりそうです。特に旭川に用もないのでそのままスーパーホワイトアローに乗車します。 785系は2005年にリニューアルが行われ全車の座席が交換されていて快適さがアップしています。電球色の蛍光灯も相まって781系との差は歴然になっています。走りに関しても最高速度130km/hは流れる景色にも変化を与えています。確かに早く快適でありますが、やはりもう一本781系に乗りたい欲求があり滝川で下車します。 3020M 旭川14:00-滝川14:30 785系NE-5 旭川<クモハ785-5+サハ784-5+モハ785-5+モハ784-505+クハ785-5> 滝川−岩見沢 滝川からは向に止まっている711系電車で行きましょう。実は行きに滝川で待避中のこの車両に目をつけていたのです。711系は既に16編成にまで減っており、そのうち3扉化も冷房化もされていないわずか2編成のうちの1編成が使われていたんです。こちらの車両もいつ無くなるかわかりませんから乗っておこうと思うんですね。 車内に踏み入れるとまた懐かしさがあふれてきました。急行かむいの頃から大きく変わっていない車内です。少しロングシートの部分が長くなったことくらいではないでしょうか。急行かむいは特急ライラックと合わせて約1時間おきに札幌・旭川を結んでおり、停車駅が少し多い程度でほとんど遜色なく走っていました。定員の多いかむいの方をよく使った思い出があります。そう思うと10月からの「スーパーカムイ」はこの列車の生まれ変わりともいえそうです。ライラックという名前も無くなるのは寂しいのですけどね。 札幌近郊では加速の鈍さが嫌われる711系も駅間の長いこのあたりでは見違えるほど元気に走ります。少し窓を開けて風を入れながら広い石狩平野の田園地帯を見ながらぼーっとする時間はとても好きな時間です。こんな旅もいつまで続けられるんでしょうね。 2236M 滝川14:44-岩見沢15:26 711系 S-114 滝川<クハ711-214+モハ711-114+クハ711-114>岩見沢 岩見沢−札幌 さあ、この旅の最後を飾るのはやっぱり781にしましょう。岩見沢からすぐ接続のライラック14号です。現在の仕事を考えると781系に乗車するのはこれが最後になるでしょう。目に焼き付けておきたいものです。 4号車の半室自由席部に乗車、これで781系の全タイプの座席に乗ったことになります。足下は183系気動車の後期車のようなヒーターパネルを利用した足置きもありシートピッチが狭いながらも快適です。さすがに785系に及ばないものの結構早い速度で進んでいきます。 車掌さんがやってきました。ここで初めてこのスーパー前売切符にもスタンプが入ります。沿線に住んでいたこともあって江別市内の沿線風景は見慣れていますが、この見慣れた車両からの風景は最後かと思うと本当に寂しさを感じますね。 781系は最後まで特急として恥ずかしくないスピードと設備を提供していました。しかし、もう長くは走っていられないことははっきりしていました。比較的短い距離を走るこの列車に新型車両が入るというのはJR北海道にとって負けられない戦いだから。他の交通機関ではなくクルマを利用する人を取り込まなくてはならないから。確かにクルマの快適さにくらべてしまうと781系の設備も速度も納得できません。わかってはいるけれど寂しいのです。 2014M 岩見沢15:32-札幌16:00 781系 L-3編成 岩見沢<クモハ781-3+サハ780-6+モハ781-6+クハ780-3>札幌 (続く) |
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牛乳たか/坂本貴喜(sfzm9381) 2007-09-17 21:41:41 |
旅の終わり
今回なぜわざわざ781系をそれほどまでこだわって乗ったのかというと訳があります。私は「さよなら列車」の類が苦手で、最終日に乗ったなんていうのは当時の地元羽幌線の最終列車やオフで乗車した片町線など数少なくしかありません。しかし今になって思うと北海道を代表するようにどこでも見られたキハ22や急行形気動車なども、82系特急も51形客車も全くお別れをせずに終わってしまっていたのです。時間を取ろうと思えばなんとでもなっていたはずなのにという後悔の想いがあるのです。 781系は最後まで特急としての重責を果たしました。しかも1時間おきというハイペースで走っているのです。それほど乗りやすい車両に別れを告げられなかったらそれこそ私はファン失格になってしまうでしょう。 今回781系の走ったメインのルートは乗車できましたが、つくづく残念なのが函館のドラえもん列車。これは昨年予定していたのに行けなかったことから本当に残念でありました。 実は今も781系の前に北海道を走っていた「特急いしかり」の485系1500番台が一部の車両ですが茨城で運用されていたり、北海道の炭坑鉄道の生き残りキハが茨城交通にいたりもします。これらも消える前にお別れをしに行きたいものです。家族を説得できるかが微妙なところですけどね。 札幌−新琴似 最後のランナーは学園都市線の雑多なキハです。学園都市線も札沼線と言われていた頃はキハ46なんて希少車が走っていましたが、今でもその伝統があるのか希少車キハ48がいるというのもあります。このたびの最後は切符を購入した新琴似駅に敬意を表して新琴似駅をゴールにします。 すべて冷房車で組成された6両の気動車。製造時期はそれほど変わらないのに様々な運命でここにいる気動車。キハ143は51形客車の生き残りですし、ロングシートのキハ40/48は急行宗谷のキハ400からの改造。考えようによっては不思議な取り合わせです。 さあ、新琴似に着きました。妻が笑って迎えてくれました。これで一人の汽車旅好きは一人のよきパパよき夫に戻っていくのです。 591D 札幌16:20-新琴似16:33 新琴似<キハ143-104+キサハ144-104+キハ43-154><キハ48 1331+キハ40 333+キハ40 304札幌 最後までおつきあいありがとうございました。ろくにものも食べず温泉にも行かずという乗りっぱなし旅でつまらなかったと思いますが、781系へのちょっとした愛を感じていただければと思います。今度は家族連れでの旅行を書きたいものですね。 牛乳たか/坂本 |
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