【談話室】汽車旅全般のわだい   11
No.938【キネスブック】24時間の列車移動距離新記録達成???
松浦 良朗(dcrv4703) 2009-11-14 22:11:57
南日本新聞のサイトに、11月14日付でこんな記事が掲載されました。

列車24時間ギネスの旅 スタインさん鹿児島中央駅に到着

現在ギネスブックに掲載されている24時間での移動距離が2901.5kmなのに対し、この方は「宗谷線天塩中川駅を11日18:17に出発し、九州新幹線鹿児島中央駅に12日18:03に到着した」そうで、1日の乗車距離が2969.5kmとその記録を更新したため近々ギネスの事務局に申請するということです。日本は世界有数の汽車旅大国なのに、日本人がこの記録に挑戦しようとしなかったのは、もしかすると日本のマスコミがこのギネスレコードに気づかなかったからかも・・・(この方も英字紙で知ったわけですし)



ではないですよね(笑)

この「2969.5km」というキロ数の根拠は記事では示されていませんが、天塩中川〜鹿児島中央間の営業キロを区間ごとに算出すると以下の通りです。
 天塩中川〜白石間=292.9km(JR北海道)
 白石〜五稜郭〜中小国間=435.1km(同上)
 中小国〜青森〜八戸〜東京間=759.3km(JR東日本)
 東京〜新大阪間=552.6km(JR東海)
 新大阪〜博多間=622.3km(JR西日本)
 博多〜新八代〜鹿児島中央間=288.9km(JR九州)

これらを合計しても2951.1kmにしかなりません。「移動距離」ということなので、列車系統の関係で往復乗車となる白石〜札幌間(5.8km)と五稜郭〜函館間(3.4km)をそれぞれ2倍したものをこれに足すと確かに2969.5kmになります。

しかし、日本の鉄道愛好家にとっては九州以外の新幹線の営業キロが実キロより大幅に長くなっていることは常識なわけで、例えば東京〜博多間の実キロは営業キロより100km以上短い1069.1kmに過ぎず、ここだけとっても記録更新にならないことは明白です。

ギネスの事務局に日本の鉄道事情に詳しい方がおられる確率は相当に低いでしょうから現時点での判断ミス?は致し方ないわけですが、今回の報道をきっかけにどなたかが茶々入れするかも(笑) 

ちなみに、東北新幹線が新青森まで開業し九州新幹線が全通する2011年春には稚内から鹿児島中央まで24時間以内で移動できるようになることは確実と思われますが、稚内〜天塩中川間の営業キロは97.5kmに過ぎず、鹿児島中央からどこまで足を伸ばせるかが真の記録更新の焦点ですね。

Y.Matsuura