NEWS RELEASE:JR&私鉄    5
No.985【JR海】水素エンジンハイブリッドシステムを開発中
ひろやす/伊藤(vnnc8158) 2024-11-26 21:23:17
                          2024年11月26日
                           東海旅客鉄道株式会社

   カーボンニュートラル実現に向けた「水素動力車両」の開発状況
      水素エンジンハイブリッドシステムの開発について

 当社では、政府の「2050年カーボンニュートラル」政策を前提に、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みの一環として、鉄道車両から排出されるCOを実質ゼロにする技術開発を進めています。その手段の一つとして、軽油を燃料とする従来の気動車に代わる、水素を燃料とした「水素動力車両」の開発に取り組んでいます。
 水素動力車両は、HC85系のハイブリッドシステムをベースとし、動力源として燃料電池と水素エンジンを検討しています。このうち、燃料電池ハイブリッドシステムについては2023年度から模擬走行試験を進めています。水素エンジンハイブリッドシステムについては2024年度から開発に取り組んでおり、このたび、試作機が完成しましたので、今後、小牧研究施設にて性能評価試験や模擬走行試験を実施していきます。

1.水素動力車両の開発
・当社の非電化路線への導入に向け、山間部の連続する勾配を走行可能な高い出力と、長距離走行が可能な高い効率の駆動システムを実現する必要があります。
・そこで、当社のHC85系のハイブリッドシステムをベースとして、動力源の燃料電池又は水素エンジンから得られる電気と蓄電池の電気で走行する水素動力ハイブリッドシステムの技術開発を進めます。
・小牧研究施設の設備を活用し、急勾配や繰り返しの加減速といった厳しい環境を模擬した走行試験等により、鉄道車両への水素動力の適用について検証を続けます。

2.水素エンジンハイブリッドシステム試作機の概要(別紙)
・産業用のディーゼルエンジンをベースに i Labo株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役:太田修裕)が開発した水素エンジンと当社のHC85系で使用している発電機、車両制御装置、蓄電池を組み合せたシステムです。水素エンジンは、高い耐久性と出力密度、および高負荷域での高い効率が期待でき、また、燃料電池と比較して低い水素純度でも運転できる特長があります。
・試作機の開発にあたっては、水素エンジンを鉄道車両に適用するため、エンジンが一定の回転数で動作できるように水素エンジンを改良し、また、加速時や勾配区間走行時などの負荷状況に応じて水素エンジンと蓄電池の出力を最適化する制御を車両制御装置に実装しました。

3.水素エンジンハイブリッドシステムの開発スケジュール
 2024年11月 水素エンジンハイブリッドシステム単体の性能評価試験
 2025年度   模擬車両と組み合わせた模擬走行試験
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