NEWS RELEASE:JR&私鉄 3 |
ほりうち(ccbu8181) 2009-10-02 19:04:58 |
別紙 2009年10月2日 国土交通省 鉄道局長 本田 勝 殿 北海道旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 中 島 尚 俊 東日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 清 野 智 東海旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 松 本 正 之 西日本旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 佐々木 之 四国旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 松 田 清 宏 九州旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 唐 池 恒 二 日本貨物鉄道株式会社 代表取締役社長 小 林 正 明 高速道路料金の無料化施策について(要望) 平素は、私どもJR各社の業務運営に関しまして格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。 さて、「高速道路料金の原則無料化」の実施についてでありますが、以下に掲げるような観点から、幾つかの問題があるものと考えております。 まず、環境政策との整合性の観点です。言うまでもなく地球温暖化防止は世界的な重要課題であり、わが国としても、物流部門も含め鉄道・船舶など環境特性に優れた輸送機関へのモーダルシフトを推進するなど、国をあげて低炭素社会の実現に取り組む必要があります。JRとしましても、省エネ車両の導入など、「環境に優しい鉄道づくり」に努力しているところです。そうした中で、高速道路の利用を促進し、CO2排出量を増加させる施策を実施することについては、慎重な判断が求められるべきであると考えます。 (財)運輸調査局が主催する「高速道路料金引き下げに関する研究会(座長・山内弘隆一橋大学大学院商学研究科教授)」が、9月28日にとりまとめた報告において、「高速道路土日祝日上限1,000円」施策により、CO2排出量が年間204万トン増加するとの試算がなされています。高速道路料金が無料化された場合、CO2排出量の更なる増大は確実と言わざるを得ません。 次に、総合的な交通体系のあり方の観点です。「高速道路土日祝日上限1,000円」施策により、フェリー会社やバス会社などの公共交通機関の経営に深刻な影響が及んでいますし、鉄道についても大きな影響が生じています。「高速道路料金引き下げに関する研究会」報告でも、全国の土休日における鉄道利用者(新幹線や特急列車をご利用される方)の6.6%が自家用車に転換したと試算され、特に地方圏における転換の割合が高くなっています。 無料化については、方法論として、地方から段階的に実施されるとの報道があります。高速道路網と競合関係にある地方圏の都市間輸送等の鉄道ネットワークに大きな影響が生じ、現在、一定のバランスの上に成り立っているわが国の交通体系を崩すことが懸念されます。民主党政策集「INDEX2009」においても、「競合交通機関への影響及び交通弱者等に対する十分な配慮を講じます」とされていますが、高齢社会が到来するなかで、地域の足として、私どもが担うべき社会的役割が果たせなくなることを危惧しております。 以上により、JRといたしましては、高速道路料金の無料化施策については、環境政策との整合性や交通体系のあり方などに関し、広範かつ慎重なご議論をいただくことをお願い申し上げます。 以上 |
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